八十川先生講義録
いじめ 2000.9/20
1 いじめの定義(文部省による)
@同一集団で(仲間は助け合うべきものという発想がある)
A強者(優位者)が弱者(劣位者)を ex.上司が部下を、先生が生徒を
B継続的に身体的・精神的苦痛を加える
C「いじめられている」は被害者の主観的感情で決められる
・被害者がいじめだと思わなければいじめではない。
・加害者がそんなつもりじゃなかった、と言っても被害者がいじめだと言えばいじめになる。
・「同一集団」とは学校、学年、クラス、家庭などのこと。通りがかりに殴った、はいじめではない。浮浪者を殴った、川へ落とした、はいじめではない。
・いじめられている本人の受け止め方が大事。
 
2 いじめの形態
@ことばによる脅かし
Aひやかし、からかい
B持ち物かくし
C仲間はずし
D集団による無視
E暴力
Fたかり
Gおせっかい
Hwatching ガンづけ にらみつけ
その他じゃんけんで勝ったら殴るなど(暴力に分類?)
 
3 なぜ起きるか
・いじめ=攻撃=生物の本能(自己保存=自分を守るために他を攻撃する傾向、特に異質なものに対して)
→ 十分な教育がなされないと人間になれないex.野生児
・人間になる=欲望をコントロールする
・教育・理性によっていじめが押さえられる。
・人間が生き物である以上、いじめは必ず起こりうる。もちろんいじめられて良いというわけではない。
 
4 いじめられる者
・異質な者、違和感のある者
 例:障害がある、知能が低い、不潔感、自己中心的(自己虫)、自分勝手、集団生活が不得意=社会性の欠如、欲望のコントロールが不得意、周囲から優位に立っている(他者からの優越性)、成績がいい
・集団生活の中でいじめは発生する。
  集団生活 → 比較 → 優劣 → ねたみ・嫉妬、優越感・劣等感、軽蔑
  集団生活 → ストレス
 
5 問題点〜現代社会における背景
・イジメを許容、傍観する雰囲気
・「いじめられる子にも問題がある」という発言。どんな理由があってもいじめられていいという理由はない。
・仲間が指導・ペナルティを与えるというタイプのいじめ。 → 仲間内でそれを(いじめにならない形で)成立させるのはK極めて困難。それは大人同士でも難しいことで出来ない。注意し合うことがせいぜいできるだけ。仲間内でペナルティを与えることはやめさせる必要がある。
・日常的に、違っていることの許容生の低さ。違うからいいんだ。同じ人間だから尊い。
・正義感、良心などを表せない
・いじめ発生時の介入が甘い。親、先生、社会の指導がなくなった。
 
 
6 いじめ対策の基本
・いじめられていいという理由はない
・いじめは絶対にだめである
・「あんたも悪い」は論外
・人生は「I'mOK,You'reOK」である。自分もよくて他人も良い、が一番
・自分さえよければいい、じゃだめ。自分以外の人の幸せも考える必要がある=相手に対する配慮
 
7 いじめ対策の方法
・あいさつをする。おはよう、こんにちは、さようなら
・「誰とでも仲良くしなければいけない」は無理であり、間違いである。好き嫌いは誰にでもある。でも同じ屋根の下で生活しているのだから挨拶くらいはしよう、と考える。
・人間の成長(大人になる)とは対人関係を学ぶこと。好きでも嫌いでも(=排他性)お互い付き合うこと。
・好き嫌いはあってもいい。その好き嫌いの感情とどう付き合うのか。また付き合う中で自己も成長する。
・ちがうものの大切さ。
・欲望を抑える。我慢することの大切さ。
・優しさを発揮する。他人の手助けが出来るように育てる。それを自然にできるように育てる。それを冷やかしたりしないように育てる。それに対してためらい、気恥ずかしさを持たないように育てる。
・そのためにはボランティア体験をさせると良い。ウソでも優しくした方がいい。
・いじめられた子がいじめる側に回ることがある。その場合、はじめいじめられていた子の面倒を見ていた子がいじめられることがある。その場合、傷が深い。
・いじめられていることを先生に言わないケースが多い。
・物・金をもってこい、と言う形態は多い。
 
8 いじめが表面化したときは
・すぐに結論は出ない。「1ヶ月はかかる」と言って待ってもらう。
・客観的状況証拠を見つけるには時間がかかる。
・いじめる側がそのつもりがない場合もある。その場合はさらに長くかかることも。
・誰に話していいか確認をとる。担任に? クラスに? 誰ならいい? 誰にも話しちゃだめならちょっと時間かかるよ。
 
次回から精神分析(の前振り)にはいる予定。

                    
 (文責:菊田)