八十川先生講義録
来談者中心療法(2) 2001.6/17


 技法のおさらいから。
 受容は、相手にひたすら話させ、ひたすら聞き取る。そして評価しない。今まで自分の行動を叱責され続けてきた人に対しては、また違った態度で接するのも一つである。カウンセリングではYes、Noを問いつめるのではなく、相手の内面を言語化させることが重要。 もちろん日常の生活の中では、善悪をはっきりさせ、叱ることも大切。



4)繰り返し

・「クライエントの使った言葉をそのまま繰り返す」
・言葉をそのまま返すことで、カウンセラーが「これでいいですか?」と鏡の役割を示す。
・すべてを繰り返すわけではない。重要な発言(=クライエントによく考えてもらいたいこと)だけを繰り返す。つまりフィードバックする。また、あなたの話をしっかり聞いてますよ、というサインでもある。
・例5では、S1・S2でカウンセラーが繰り返すことで、かえって本題から遠のいているのではないか。この先どうなるかわからないが、あまりカウンセリングがうまくいっているとは思えない。
・カウンセリングでは沈黙を大切にする。クライエントが沈黙したら、カウンセラーも黙る。そして沈黙が続いたとき、沈黙の意味がわからないときは、最後の言葉を繰り返す。
・「○○君が」「○○(地名)で」固有名詞には注意する。意味をもっていることが多い。その後、あえてそこに話を持っていくこともある。
・例7は繰り返しにより洞察(見通し=insight)が得られている。



5)明確化(明瞭化)

・クライエントの考えや、(特に)感情を明確化する。
・繰り返しと似ているが、繰り返しがクライエントの言葉をそのまま使うのに対して、明確化はカウンセラーの言葉を使う。日常生活では考えを明確化した方が良い。だが迷っている人に対しては、感情をはっきりさせてやる方が大切。
・例3について。奇術とは要するに「ごまかし」である。しかし、思春期は正義感を求める時期である。それが父親に対して向けられている。
・「父は」「母は」ではなく「あの男」「あの女」といった表現をする場合、自分の親だと認めたくない、という感情がある。「離人化」という。
・例1〜7は感情の明確化をしている。それに対し例8〜11は考えの明確化を行っている。例12以降は混合。
・感情の明確化でよく使うフレーズ
  あなたはとても悩んでいるんですね。
         苦しんでいるんですね。
         怒っているんですね。
         楽しい気持ちなんですね。
         とても幸せなんですね。

 
 次回は例12から。 


 6月17日(日)午後2時からNHK教育で放映された番組「心と宗教(?)」で山中康裕さんという不登校のカウンセリングをしている人の様子が紹介されており、大変内容が良かったとのこと。ビデオに撮れなかったのでもし、持っている方がいたらお教え下さい。
 (文責:菊田)
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