東海ブロック集会 −3つの柱で話し合われたことは?−
 総合学習・授業づくり・旅館業の現地学習…この3つが今回の研究集会の柱である。枝村三郎さんのあいさつの後、東伊豆の小中高から総合学習への試みが提案されて集会は始まった。
 小学校の茶田敏明提案「泉の川とのつきあい方を考えよう」は、地域の自然の
川と人工の川を、体験を通して対比させて学習の科学性を導き出す発想がすばらしい。茶田さんは、学校研修の枠組みの中でどう本質に迫る総合学習をつくるか、
その労苦をとつとつと語られた。
 高校の菊田兼一提案「韓国修学旅行に向けた事前学習」では、
○キムチ→唐辛子→豊臣秀吉の侵略
○焼 肉→モンゴルの侵攻→“在日”焼肉の特色→日本の植民地支配
へと、具体物から日朝関係史に迫っていく事前学習の手法に学ばされた。
 中学校の向井一雄提案「企業勤労体験を今の生き方につなげる」では、2年生の1日職業体験のあり方が他県からの意見で深まっていくことに、1サークルや
1県の垣を越えて学び合えるこの集会の良さを感じることができた。
 「やる前はいやだったけど、やってよかった。」…その“いや”の部分を生じさせないためには、まず、生徒に実行委員会をつくらせ、プランづくりや職場探しの段階からお礼状の発送に至るまで生徒の主体的活動を組織することだと三重の萩森繁樹さんは重要な指摘を行った。
 4時からの第2部では、加藤が「くずれる律令制」のビデオと拙著『教師授業から生徒授業へ』(地歴社)の抜き刷りをもとに、1時間の授業づくりについて提案した。ぱっと3グループに分かれても、それぞれでポイントをついた話し合いができるのは、さすが歴史教育者協議会だ。
 安井俊夫さん曰く。
「藤岡信勝氏の“教授行為”は、教材を生徒の次元に降ろしてそこから生徒を目 標に到達させていく2つの過程を結局は教師が教えることに収斂させてしまう。 生徒への“下降”の論理と目標への“上向”の論理を教師と生徒、それぞれの 主体性の相互発展の中で進めようとする加藤の“学習活動形成行為”論とのち がいをはっきりとらえよう。」
この指摘は今後に生かすべきであると感じさせられた。
 話し合いの後は楽しい交流とゆったりした温泉入浴、酔余、自覚なきまま「お宮の松」付近を逍遥された方もいたそうである。
 翌日は、「かど半」旅館の中をフィールドワークして板前さんの苦労話に耳を傾けた。若主人は黒板に図解までして旅館業の1日の仕事とその苦労を語って下さった。
 最後は、旅館組合の事務さんが駆けつけて、豊富なデータをそろえて熱海の旅館業の変遷を説明して下さった。
 11月27〜28日の2日間、東伊豆の4人のメンバーは、運営や提案に大車輪。足りないところは静岡県内の他の3支部のメンバーに助けられて何とか無事に30名の集会を終わらせることができた。
 ここで育った東海5県歴史教育者協議会のネットワークが各教師の教える生徒
どうしの交流にまで発展することを望みたい。
                〔『歴史教育月報』に掲載予定の原稿から〕 (静岡県歴史教育者協議会事務局 東豆支部 加藤好一)