“ゆい”例会報告−2001(平成13)年3月

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 伊東例会の報告〔3月23日〕   資料提供=向井一雄氏
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○参加者=高校2名 中学校2名 小学校1名 計5名 〔会場=宮村先生宅〕
     伊東商業高校…荒川・菊田 八幡野小…宮村 伊東南中…春日・向井
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│ @ 宮村報告:「社会科と総合的な学習を関連づけた1年間の取り組み」 │
│ A 菊田報告:「“貿易ゲーム”を次の授業へどのようにつなげるか」 │
│ B 向井報告:「自作教具:世界地理」 │
│ C 春日報告:「教員1年目の実践の総括」 │
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§1 社会科と総合的な学習を関連づけた1年間の取り組み(小3)
 社会科授業と総合的な学習を関連づけた年間の取り組みの概要は次の通り。
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│ □社会科(1学期) │
│  ・地域のコミュニティセンターの学習 │
│  ・この施設を利用している人々とのふれあい │
│  ・特に、定例会などを開催している老人会との交流 │
│ □総合的な学習(2学期) │
│  ・老人会との交流を深める │
│ □社会科と総合的な学習(3学期) │
│  ・車椅子の老人を学校に招待して、昔のくらしの話を聞く │
│  ・お年寄りから聞いた昔の話を新聞としてまとめる │
│  ・老人会の定例会に3年生全員が参加し、朗読劇などの出し物を披露する│
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 【向井氏のコメント】
 子供が楽しいと感じるだけでなく、宮村先生自身が楽しんで行っているところがすばらしい。この実践のエキスの一端は、次の通り。
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│ ◎思いつきではなく、年間を通した見通しがある │
│  ア 有機的な関連づけ…〈社会→総合→社会・総合〉 │
│  イ 子供の意識の流れに即した計画 │
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§2 〈貿易ゲーム〉を次の授業へどのようにつなげるか(高校世界史)
 金持ちはどんどんお金持ちになり、貧しい人はますます貧しくなる一方−これが、〈貿易ゲーム〉を終えての生徒の主な感想であった。この行き詰まりを切り拓く展望を世界史から読み取らせようとしたのが次の3時間である。
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│ □「〈貿易ゲーム〉から分かること」(1時間) │
│  ・〈貿易ゲーム〉で実感した「技術のある国が強い」という視点から切り│
│   込む │
│  ・いち早く産業革命を成し遂げた英国を中心とする欧米諸国が、貿易によ│
│   り利益を独占していくこと │
│  ・市場や原料を求めて武力を背景に植民地獲得に乗り出していくこと │
│    1840 アヘン戦争…英国が中国を植民地化 │
│    1857 セポイの反乱…英国がインドを植民地化 │
│    1910 日韓併合…日本が朝鮮半島を植民地化 │
│  ・帝国主義どうしの争い │
│    1914 第一次世界大戦始まる │
│ □「社会主義の成立」(1時間) │
│  ・資本主義の究極の型が帝国主義であること │
│  ・資本主義に対して社会主義が成立し、広まったこと │
│    300万円の自動車 │
│     280万円→社長=〔資 本 家〕 │
│               労働力↑ ↓賃金 │
│      20万円→社員=〔労 働 者〕 │
│    マルクスとエンゲルス │
│     社会の発展法則を研究 │
│     『共産党宣言』『資本論』=社会主義 │
│ □「戦争を終わらせた力」(1時間) │
│  ・帝国主義どうしの争いとして起こった2度の世界大戦 │
│    フランスのレジスタンス │
│    ユーゴスラヴィアのパルチザン闘争 │
│    朝鮮での反日義兵闘争 │
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 〈貿易ゲーム〉が単なる「体験」に終わっていない。近現代史の大きな流れを通して、帝国主義の「欲望」に歯止めをかけた力を探るという「学習」になっている。「体験」から「学習」へ高める単元構成を学びたい。

§3 自作教具:世界地理(中学)
 伊東南中から門野中への転勤が決まった向井氏は、荷物整理中に出てきた自作教具を持参した。
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│ □ヨーロッパの白地図を描いた模造紙 │
│ □国の形に切り抜いた画用紙 │
│ □気温と降水量が動かせる雨温図 │
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 これらの教具を利用して、「小国となったEUの国々のまとまり」「ヨーロッパの気候や地形の特色」の理解と定着を促した過去の実践を報告した。


§4 教員1年目の実践の総括(中学)
 1 夏休みの課題−新聞の切り抜き−
   毎日切り抜いた記事に感想をしっかり書いてまとめた生徒はりっぱ。また、
  その一つ一つの感想に赤ペンでコメントを入れた春日氏もりっぱ。
 2 選択社会−共通テーマ「旅行」−
   生徒が各自行きたいところ、興味のあるところを調べ、まとめる学習。
   1学期は、図書室の限られた資料で調べたので、ほとんど同じような内容  になってしまった。しかし、2・3学期は、「平家物語の旅」「安くて楽し  めるおすすめスポット」など、個性的な内容が多くなった。
 3 春日授業に対する生徒の感想
   生徒の意見や感想に素直に耳を傾け、今後の自分の糧にしようという姿勢  が感じ取れた。

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│ ◇ 菊田兼一氏は、伊東高校の定時制に異動します。したがって、金曜日の│
│  7時〜という時間では、出席が難しくなります。 │
│ ◇ 3月例会では、土曜日にしたらどうかという意見が出されました。4月│
│  合同例会で議題にする必要があります。 │
│ ◇ 年度末異動で分かっている範囲の情報をお知らせします。 │
│  ・加藤好一氏=熱海多賀中→熱海泉中 │
│  ・向井一雄氏=伊東南中 →伊東門野中 │
│  ・茶田敏明 =熱海泉小 →熱海多賀小 │
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           《会報“ゆい” 編集後記》
◇ 歴教協常任委員会2000年12月発行「全国のなかま bQ2」から。
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│         【ニュースから見た支部活動の特徴】 │
│ @こつこつと例会を続けていくタイプ…広島支部など │
│ A校種別でテーマを深めるタイプ…愛知中学校部会 │
│ B分野別でテーマを深めるタイプ…千葉日本史部会・世界史部会 │
│ C合同例会で活性化を求めるタイプ…埼玉東部地区例会 │
│ D活動をいろいろと工夫するタイプ…交流会・登山・旅の話・上映会など │
│ E研究をじっくりやるタイプ │
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◇ 〈ゆい〉は「こつこつと例会を続ける」ことを基本とします。加藤・宮村・ 向井・菊田・春日・茶田の6人が現在の固定メンバーです。年度末人事異動で
 このうち4名が転任しました。それぞれの新しい職場で〈ゆい〉を紹介し、例 会に誘いましょう。春日さんのような志の高い人との出会いが楽しみです。
◇ 伊東例会の報告は、向井さんが郵送してくれた資料によって作成しました。
 例会の様子をまとめた手書きの手紙から誠実な人柄が伝わります。
◇ 9ペ〜13ペは、今年2月10日に清水市で開催された民教連の合宿研究集 会での記念講演の記録です。講師は、2000年フリースクール世界大会実行 委員長を務めた20才前後の青年です。原先生ありがとうございました。