“ゆい”例会報告−1999(平成11)年9月

1999(平成11)年9月例会の報告 


板垣千代美さん(高校/国語)が初参加−記念すべき9月伊東例会−


 板垣千代美さんに初めて会ったのは、夏休みの東海・近畿大会が開催された浜松短期大学でした。よりよい授業・教育を求めて、悪戦苦闘する若き実践家です。われわれ「ゆい」は、板垣さんが例会に参加することを願っていました。それがとうとう実現したのです。
 3ページは伊東例会の記録です。板垣千代美さんの名前が太字扱いです。伊東例会の仲間の喜びようが伝わってきます。そこで、表紙は板垣レポートの「中納言参りたまひて」の段を掲載しました。なお、原文を読みやすくするために、勝手に改行しました。
 板垣さんの報告は、高校2年国語Uの授業です。『枕草子』「中納言参りたまひて」の段は洒落を交えたユーモアのある内容なので、会話の面白さや後宮の雰囲気を理解させるのに適した教材だそうです。3時間扱いの指導計画です。
○ 第1時=第1段落の語句の意味の確認 系図の説明
○ 第2時=第1段落の内容理解(本時)
○ 第3時=第2段落の重要語句の意味の確認 内容理解 まとめ
 さて、意味不明な古文と現代の高校生との接点はどこにあるのでしょうか。鍵は「海月」という語句です。
 板垣千代美さんの指導案(抄録)は、会報“ゆい”14ページに紹介します。




                 【編集後記】
◇ 板垣さんの指導案は、東豆教研の分科会にて宮村先生から受け取りました。伊東例会 の記録から、弾む空気が伝わってきました。そこで、高校生に戻って古文を読んでみま した。解説が何もなければ、古文を読める自信がありません。久しぶりに『岩波古語辞 典』を引きました。
◇ 敬語表現に着目すると、清少納言は中宮定子と隆家(中納言)の両者に敬意を表しています。
 「中納言参りたまひて、御扇奉らせたまふに」
 「〜と申したまふ。」
 「〜と言高くのたまへば」(のたまふ)
  これは、隆家(中納言)に対する尊敬表現です。
 「聞こえさせたまへば」(聞こえさせたまふ)
 「笑いたまふ」
  これは、中宮定子に対する尊敬表現です。
 「聞こえさせ給ふ」を『古語辞典』で引くと、「甲に対して乙が謙譲の心で申し上げる のを、傍らの丙が乙に対して、最高の敬意をこめて表現する言い方。乙は帝・皇后・中
 宮などであることが多い。申し上げ遊ばす。」とあります。本文に戻ると、甲=中納言、乙=定子、丙=清少納言となります。
  それにしても、主語を明示しない平安時代の日本語には四苦八苦します。
◇ 「海月=くらげ」なら、「蚕=かいこ」です。宮村先生からカイコをもらいました。
 9月4日(土)から飼い始めて、繭を作ったのが9月22日の夜。繭から成虫が出てき たのが10月8日(金)朝でした。
  カイコを飼うのに不可欠なのが、桑の葉です。伊豆山を歩き回ると、新幹線のトンネ ル入口の上と伊豆山幼稚園にありました。泉小学校には、運動場と校門近くに桑の木がありました。25匹(数え方は匹?)のうち23匹は、ぶじ繭を作ることができました。
 教室の子供は、めずらしそうにカイコの変化を見守っています。

 (文責:茶田敏明 熱海市立泉小学校)