“ゆい”例会報告−1999(平成11)年11月19日

1999(平成11)年11月合同例会の報告 

 今月は1週間早めに例会を実施した。東海ブロック研究集会を翌週に行うからである。
参加者は、向井・菊田・宮村・加藤・茶田の5名。会場は、宮村邸である。

1 「どうせ言っても直らない」の克服をめざして            【向井】
 1 危機的な状況−反抗的態度やあきらめムード−


 最近の学年やクラスは、学校になれてきたせいか反抗的になりすぎていると思う。服装のことで先生が注意しても、なおさなかったり、言いかえしたりして、言うことをきかなくなっていると思う。もっとしっかりと先生の言うことをきいてほしいと思う。
 クラスの中で授業態度が悪いと思います。ずっと寝ていたり、勝手に席を立ってしゃべったりしてこわくない先生とかになるとすぐそうなります。いざとなってみると発表もぜんぜんしないで静かになってしまいます。その他として、服そうが乱れたり2分前着席ができないなどと、探せばたくさんあります。でも、言ってもなおらないと思います、多分。

 強い教師の指導には表面的に従うふりをし、こわくない教師には反抗的な態度を示す。
「言ってもだめだと思う」とあきらめ、投げ出してしまう級友…。
 「ゆい bP41」に掲載した学級通信は、このような危機的状況を克服しようとして
始めたものだ。しかし、単独の取り組みでは十分な効果は出せなかった。そこで、次の2つの側面から立直しをはかることにした。1つは、進路指導部からの“班会議”。2つは、学年研修での総合的学習の取り組みである。

 2 今を見据えて、今をどのように生きるか
 M中学校は「生き方を考え実践する生徒」を学校教育目標として、自分の将来の生活や
職業について考える指導を積み重ねてきた。しかし、現在はその日を刹那的に過ごせばよしとする雰囲気が広まってしまった。そこで、“将来”よりも“現在”に焦点を当てた生き方指導に方向を修正する必要があると考え、課題を次のように集約した。

 将来の進路を見据えながら、現在の自分及び学級集団の生活を充実させる。

 具体的な手立ては、2つ(3〜4ページ参照)である。ここでは、“班会議”の成果と
課題を整理しよう。
・ 班会議の始めに全校放送を入れたところ、その意義を理解した生徒は班会議に意欲を 示した。そこで、2学期最後の班会議の放送原稿まで作成した。
・ 2学期からの実施だったので、「必要性は認めるが、急な提案であることに納得がで きない」という指摘がある。
・ 班会議の方法的なことは慣れつつある。しかし、出した意見を今後どのように今の自 分と学級の立直しに活かすのか、という内容面での具体的な解決策に結びついていない。


              《例会の声》 │
◇ M中で積み重ねてきた「生き方指導」は自分の将来の生活や職業という広い視野に立った研修であった。けれども、荒れてきた生徒の現実を前にして、向井氏はその方向に素直な疑問をぶつけた。現実に即した方向性に修正する必要があると認識したのである。そこで、胸先に突き付けられた問題をどのように解決するかを、進路指導という分掌から勇気をもって提案した。そのことへの共感が示された。方法的には成果を十分出せたとはいえないかもしれないが、何とかしなくてはという熱い心が伝わってくる。…切実に分かる。


  3 「勤労」は、総合的学習のテーマとして適切か?
 M中の総合的学習は、学年ごとテーマを決めている。1年は「福祉」、3年は「進路」、
そして、2年のテーマは「体験を通して、勤労の大切さを学ぼう」である。
 2年部の実践は、次の3つである。
(1) 社会見学旅行…小田原・箱根方面
(2) 勤労者体育館の清掃活動
(3) 企業での勤労体験学習


              《例会の声》
◇ 「勤労」に限定したことは検討の余地がある。職場体験は、働くことの大切さを学ぶだけではなく、自分を見つめ直すことにもねらいがある。進路指導=生き方指導、その1つが職場体験だろう。
◇ 社会見学は、みんなで同じ所へ行くのは好ましくない。テーマを決め(例:箱根の産業)、それに即した目的地を選択し、見学先への連絡をするというようにグループ活動を行いたい。それが、自分や世の中を知る「生き方の学習」につながる。研修の進め方や内容には改善の余地がある。しかし、問題の生徒だけを指導するのではなく、生徒全員に対して働きかける指導態勢を組んだことの意味は大きい。



2 総合的学習の時間をどこから生み出すか               【宮村】

 1 Y小学校6年総合的学習:「取り戻せ!わたしたちの未来」(24時間扱い)
 宮崎アニメ「風の谷のナウシカ」の視聴をもとに、地球規模で起こっている問題を考える。「このままで地球は大丈夫なのか。」と投げかけられた子供は、オゾン層・酸性雨・温暖化・森林破壊などの調べ学習を始める。本時は、自分が追究してきた環境問題を報告しあうことにより、自分の「答え」を検討のふるいにかける。
 報告者の宮村氏は、「子供は調べたことを根拠に、確かな考えを披露していた。発表の仕方もしっかりしていた。なかなか見応えのある、良質な実践である。」と高く評価した。
 指導計画も構想の確かさを感じさせる。Y小学校の6年部の労作である。

 2 平成12年度 移行期における「総合的な学習の時間」をどこから捻出するか
 Y小学校の提案文書をもとに、「総合的な学習の時間」をどれだけ、どこから生み出すかについて考えた。
・ 道徳の時間は削れない。
・ 総合的な学習の時間を35時間確保するなら、クラブ活動から10時間、ゆとりの時 間から10時間、各教科から15時間を回す。
・ 総合的な学習の時間を70時間確保するなら、クラブ活動から12時間、ゆとりの時 間から12時間、各教科から46時間を回す。
・ 総合的な学習の時間を105時間確保するのは、まだ非現実的といえる。
 宮村氏は、「ゆとりの時間を授業時数としてカウントすると、その分だけ授業時数が増えることになる」と危惧する。総合的学習の時間の捻出は、これからどの学校でも頭を抱える問題となる。



 3 アイデア学習素材の紹介−紙ひもでわらぞうりを編む−        【菊田】
 わらぞうりを編むには、材料の藁が必要になる。しかも、その藁をたたいて柔らかくしなくてはいけない。だから、稲作農家でもないかぎり、材料の調達は困難だ。その点を克服したのが「The 四季 Warazi」である。奈良市の墨運堂が発売元である。
 商品の中身は、耐水紙ひも・編み方説明書・はな緒通し用竹べらの3つ。例会で配布されたのは、編み方説明書である。紙ひもの他に、荷物をしばるロープでぞうりを作ることもできる。〔tel:0742−26−5611/fax0742−22−2744〕
→ 伊東カウンセリング研究会会報<聴>bSの特集は、「冷たい男がもてる理由−魅力 度評定実験」と講義録「一般意味論」である。菊田氏の紙面作りのセンスが光る。



4 歴史教育者協議会 東海ブロック研究集会について          【加藤】
ア 東豆支部(サークルゆい)の宿泊参加は、菊田・向井・加藤・茶田の4名。
イ 11月27日(土)は、12時30分までにかど半別館に集合する。
ウ 11月21日(日)は、かど半別館へ事前打合せをしに行く。〔加藤・茶田〕



                 【編集後記】
◇ 授業中、居眠りする生徒は起こしてあげるべきか。小学生は、授業中に居眠りするこ とが良くないという規範意識をもつ。しかし、中学生以上では平然と居眠りする生徒が 出現する。迷惑をかけていないのだから、寝てよいという理屈である。
 〔茶田〕「昨夜は旅行の帰りが遅くて、睡眠不足なのだろう。しばらくそっと寝かせて      げよう。」
 〔加藤〕「眠り方を教える。肘をついて、手の平をおでこに当てるのだ。そして、本当      に実行した場合は、わざと腕を払って、『修業が足りないな。』と茶化す。」


 (文責:茶田敏明 熱海市立泉小学校)