ぼくの「フリーター漂流」への感想を読んで、メールをくれた人の感想


 NHKスペシャル「フリーター漂流」の感想をぼくは以前書きました
 内容がまとめてあって便利なせいか、この感想には引用もふくめて、わりと反響がありました。

 そのなかで、似た境遇の立場からのメールをくれた方がいます。

 ぼくは、そのメールを拝読して、ひとつの典型的な状況あるいは気分がしめされているのではないかと思い、メールをくれたかた(仮にLさんとしておきましょう)に許可をもらい、個人情報をふせておく(一部変更)という条件で掲載をさせていただきました。

 もちろん、Lさんのメールへのいろんな感想があるかもしれませんが、それもふくめておきかせいただければと思います。(感想や意見を送られるかたはこちらから





Lさんからのメール


 「フリーター漂流」の感想を、拝見させていただきました。
 とても共感が持てる内容だったので、僕の考えを是非、御覧頂きたいと思いました。

 僕は今年27歳になる会社員です。

 中卒で、ある大手自動車メーカーの企業内訓練校に入り、その後、自動車の製造現場で5年ほど働いておりました。しかし昼夜を問わない3交代勤務、過酷な労働条件によって体調をくずし、会社を辞めてしまいました。その後通院を続けアルバイトをしながら、再就職の活動をしていたのですが、やはり求人広告でよく目にする言葉は「派遣」、「契約」、「請負」というものでした。

 日本の多くの人たちは「働く」という行為で賃金を企業から貰い、生活をし、そして、人生の設計をしていると思います。しかし、賃金の安い契約社員や派遣社員では人生設計どころの話ではありません。いつ「クビをきられるか」という不安の方が大きいのではないでしょうか。

 今、僕が勤めている会社は従業員6名ほどの小さな町工場なのですが、もの作りの現場では末端に行けば行くほど、厳しさを増し、市場の「価格競争」から生まれる「コスト低減」、を取引先の親会社から強いられ人を雇う事が出来ずに、社長自らが4時間の残業を終えた後で、夜中まで機械を回すという日が続いています。

 良い物をより安くという、観念は理解できるのですが、コスト低減のために多くの人達が生活を人質に労働を強いられているように感じます。また、ライバル会社が中国から出てきたために、仕事が減っているという、問題もあります。さすがに日本の生活の水準で人を雇っていたのでは、中国には勝てません。「もう、価格競争も企業努力の域を超えた」とも思えました。


 政府が「景気は緩やかに上向き」と発表しましたが、はたして、本当にそうでしょうか? 
 どのようなシステムでそのような発表をするのかは分らないのですが、もし仮に日本中の企業から利益の報告の様な、数字だけでの判断だと考えると恐ろしい事だと思います。

 その数字の裏ではフリーターや派遣労働者のような人達の「低賃金」での労働があるから出せる数字でもあるだろうし、その様な雇用形態が「普通」だと思ってしまっている事が一番恐ろしいと思います。

 これから、結婚をして、子供を作り育てて行こうと考えている人達にとっては、とても厳しい現実だと思います。このままでは、この先、高校の教育も親の経済的な理由で受けられない子供も増えるのはないでしょうか? 
 これから、日本を背負っていく若者、それは今の大人達の老後をも背負っていかなければなりません。教育まで「コスト低減」を持ち込んでしまうのではないでしょうか?

 今、僕は普通の生活が成り立っているのですが、この先10年後の事を考えると不安になります。

 がんばっても先が見えてしまう世の中――今の日本はその様に感じてしまいます。
 国の政治というものが、国民一人一人の生活の向上という事を考えているのであれば、この声も聞いて欲しい、そして、一人でも多くの人達と、今後の自分達の生活の向上のために何が出来るのか、考えて生きたいと思っています!