井川りかこ キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

 ついにぼくのところにも、伝説の「井川りかこ」から迷惑メールがきました!

 「井川りかこ」はなんと7通(6通とか11通という情報もある)ものメールを送りつけるスパムである(本名が「井川りかこ」の人、ごめんなさい)。

 そのスパムにはストーリーがあるのだ。

 まず「私のアドレスにメールした記憶がありますか?」というタイトルではじまり、どうやらこういう事情だった、で2通目が終了し、3通目から「勧誘」が始まる。

全7通はこれ↓
http://den-no.cocolog-nifty.com/dustbox/2005/05/post_672a.html

 3通目は「井川りかこです。何度もメールしてしまって」というなれなれしげなタイトルになり、唐突に「メル友にならないか」という誘いからオープニング。

無神経かも知れませんが…もし良かったらメル友とまではいきませんが
メール交換しませんか?

実は先日離婚して今、実家に居るんです。

近くに誰も話し相手もいないし。
突然届いたメールに返信してしまったというのもあるんです。

もしお暇な時間とかあるんでしたら、
お話し相手にでもなってくれませんか?

無理にとは言いませんので。
気が向いたらでいいです。お返事下さい。


 4通目で「自分語り」を本格的にスタート。いまぼくに来ているのはこの4通目である。

何もする事が無く、迷惑かと思いつつメールに手が伸びてしまいました。

メル友をお願いしたとは言え、何も知らない私にメールするのも微妙ですよね…。
一応自己紹介しておきます。

32歳で、先週離婚したばかりです。子供は居ません。
今は実家に一時的に住んでいます。

離婚の原因は…夫の浮気です。
2週間も家に帰って来なかった時期があったりとずっと前から怪しかったのですが。

色々と調べた結果、会社の部下と浮気を2年していた事が発覚して。
まぁ、よくある話ですが自分にまかさ起こるとは思いませんでした。

こんな話をするのは少し気が引けたのですがお話を聞いてくれる相手もいなくて。

勝手に私一人盛り上がって迷惑をかけるのも嫌なのでこの辺で。
またメールしてしまうかもしれませんがお願いしますね。
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井川 りかこ
riri_aab6692@hotmail.co.jp



 このあたりまではまだ通常のスパムの範囲だが、5通目から文学的抒情を漂わせ始める。離婚して親元で異性の気配もなく、写真をとっているというのだ。

こっちに戻って来てから少し変わったと言えばデジカメを買って色々と写真を撮るようになりました。
風景の写真、空の写真、自分の写真。日記の様に毎日撮っています。

 「風景の写真、空の写真、自分の写真。」などと体言止めで詩的情緒爆発。離婚し親元で空や自分の写真を日記の様に撮る32才の女・井川りかこ。
 6通目もこの淋し気な女を演出するトーンではじまる。意表をつくのは6通目の途中で“本を読んでいる”と始まるところだ。

今日はなんだか少し脱力していてずっと本を読んでいました。
川北義則著、いちばん大切な生き方 ひとりになって、見えてくることわかること
と言う本です。



 小生、浅才非学にして川北なる人物を知らないのでググってみると、その本のほかに、
『いま、買っていい家・わるい家 思わぬ失敗をしないために どこをチェックする? どう見分ける?』『中高年のマーケットを狙え! 大人の時代の大人のマーケティング』『お金を賢くふやす本 超低金利時代の資産づくり』……orz

 あそこまで韻文精神を発揮しながら、なんでいきなり。スパマー本人の脳内が見えてしまった。


 そしてラストの7通目。メールアドレスが急に使えなくなるといい、あなたに会ってみたいからといって、出会い系サイトのURLを貼るのだ。たはー。あまりに不自然な誘導に精神が痙攣をおこす。

 すでに5〜6月ごろにネット上でエサになりつくした話題のようで、井川りかこのテーマソング、2chでは「井川りかこファンクラブ」のスレまでできている。

 7通目、すなわち一週間後にメールが不通になるという筋書きなので、途中で返信したらどうなるのか。実はすでに実験した人がいて、「とどきませんでした」というオートレスポンサーからのメールが返ってくる。要は受けつけないのだ。
 最後に出てくる出会い系サイト自体は無料らしいのだが、連動して別の姉妹サイトにも自動登録されてしまい、退会に3万円以上ものお金を支払うというしくみになっているようである。
http://love.mania.daa.jp/?eid=163550

 定型の思考パターンが生み出す文学には、すでにサブカルのもつ蠱惑的な魅力は消滅している。そこで、あえて過剰なステレオタイプのパターンを、リアルな日常のなかに不自然においてみる(ほしよりこ『きょうの猫村さん』のような)。するとそこには人間の作為ではなしえない破壊的なおかしみが生まれてしまう。新しい文学の可能性が、スパムから生まれつつあるのか(生まれません)。





2005.8.5記
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