ばらスィー『苺ましまろ』/72点

 「電撃大王」のキャッチフレーズが、「女の子がいっぱいの、男の子のためのコミック誌」だと聞いて、はあそうなんだと思った。ていうか、これ、ほんとうに男の子が読んでいるのかなぁ。
 それは女の子が読んでいるんじゃないかというより、「男」が読んでいるのではないかという意味だ。
 宮崎駿がペドファイルな欲望を昇華させた「芸術」なら、ここにある漫画群の多くは、その欲望をカドだけ削り込んでいちおうの体裁を整えて出してある程度のものだ。どちらかといえば、欲望が開花している。だいたい、作者が後書きでそう書いてるんだから、んなことをいちいち指摘しなくてもいいのだが、雑誌のキャッチフレーズを見て「おい、ちがうだろ」と言いたくなったのです。

 『あずまんが大王』が、女子高校生をモチーフにしていたのを、小学校高学年に替え、さらにその日常の設定温度をいっそう低くしたヌルい作品。高校1年生の姉、小学6年生の妹、近所の小学5〜6年生の2人を配した設定でスタートする。

 1巻では、エピソード6「外で遊ぼう」で美羽のボケっぷりが笑える。
 
 なお、顔にするラクガキのなかでも「家出中」というのは出色だと思う。120%笑える。

 これ、2巻で設定が出てくるのかもしれないけど、この世界には、親たちが出てこない。労働や生産が存在しない世界である。どこからかわからない富によってこの世界が支えられ、主人公たちはただそれを消費し、ヌルい日常をすごしていく。『よつばと!』以上に、終わらない夏休みそのものであり、宮崎勤的にいえば「甘い世界」である。ここもまたオタクの理想世界なのか。




 3巻購入。はっはっ。さっそく、アルバイトという労働シーン、アナの母親の登場があったが、受け取る印象はいっこうに変わっていない。
 他のところでも書いたが、ここに出てくる登場人物というのは、ヲタたちが少女の着ぐるみを着て演じている劇なのである。伸恵と美羽のやりとりは、もう30代の男ヲタクのやりとりとしか思えん。

 テレビのリモコンをつかって超能力だと思いこませる、「びっくりしたよね 茉莉ちゃん」のセリフには、笑った。


メディアワークス電撃コミックス 第1〜3巻(以後続刊)
72点/100 年配が読んでも楽しめる度★☆☆☆☆
2003.10.12記(2004.4.4追記)

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