よしながふみ『きのう何食べた?』1巻



 そういえば、2chによしながふみのアンチスレがたち、そのなかでぼくのことが(正確にはぼくの書いた感想を通してぼくのことが)言及されていたのを何人かの人から同時に知らされたものである。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1186725145/

219 :風と木の名無しさん:2007/09/25(火) 14:02:32
ttp://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/aiganakutemo.html
この感想がちょっと面白かった。

220 :風と木の名無しさん:2007/09/25(火) 14:38:13
>>219
そのサイト、そのレビューに限らず男のオタクが女性蔑視にならないように
生温く気を使って書いたらそんなところだろうなって線を外さないあたりが痛し痒しで
個人的には微妙だわ。
他の本のレビューならそんなことないんだがなあ。

221 :風と木の名無しさん:2007/09/25(火) 19:44:25
>>220
同意
以前そのサイトうっかり迷い込んだことがあったw
少女漫画読みの男ってやっぱりイタイと思ってしまったわ
もっと男目線でバシバシ批判とかすりゃ面白いのに

223 :220:2007/09/26(水) 00:36:46
>>222
なんか悪いんだけど、
> まあ諸手を挙げて賛成できるレビューばかりじゃない
というのが圧倒的に少女漫画系に偏るのが痒いんだよな。
お堅い本の、というか男オタクテリトリーのレビューは好きだが。

よしなが本人に通じる気色悪さというか、
上から目線で大目に見てあげてる感がどうしてもな。



 お前ら何ズバリ言い当ててんだよ
 ふざけんなこの野郎!

 まあ『百年の恋』の感想のところでも書いたけども、自分では気をつけたいな、あるいは隠したいなと思っている男権的なもの、コンサバなものを隠しきれずに、外から見ていると「微妙にこっけいなこと」になってしまい、その「微妙にこっけいなさま」が実は一番こっけいであるという状態になってしまっているのが、この俺なのだ。

きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)  それを戯画化すると、たぶん、このよしながの『きのう何食べた?』1巻に出てくるゲイ弁護士・筧史朗の母親のようになってしまうのだろう。

「きちんとお言いなさい!!
 同性愛者はちっとも恥ずかしいことじゃないのよ!?
 人間にはひとりひとり違った個性があって
 それはすばらしい事なの!!
 だからね史朗さん」

 ブチッと電話を史朗に切られてしまう。
 テキストだけで書くとしごくまっとうなことを言っているわけだが、グラフィックをみてもらえれば、その教条的な杓子定規の身振りがよくわかるはずだ。ひどく可笑しい。もちろん、物語の中では「他人ではなく親子であるがゆえに息子の現実の姿を納得できず、距離感がとれない」という不器用な母親の描写なのであるけども、これを応用すると「男性という自分の社会的立ち位置にうまく距離感がとれない」ぼくということになるのである。

1限めはやる気の民法  本作は、弁護士の筧史朗と、美容師の矢吹賢二というゲイのカップルの物語だ。二人の日常を描きながら、毎回料理のシーンがレシピをつけながら織り込まれていく。「モーニング」という男性誌でよくこうした男性同性愛モノをやるなあと思う人もいるだろうが、よしながの他のボーイズラブ作品からすれば、たとえば『1限めはやる気の民法』『1限めはやる気の民法2』あたりからすればもう児戯にひとしいものですから!

 前にも述べたが、ぼくは料理には関心が薄く、ゆえに料理描写にも心が惹かれない。なのでこの作品の核心部分である料理の描写はどちらかというと飛ばし気味なのである。
 しかし、育休で料理をつくるハメになっているので(っていうか子どもができたら今後ほぼ半永久的にやらないとダメなわけだが)、毎日いろいろ考えるのが大変なのだ。んで、じゃあ『きのう何食べた?』から一つつくってやるかと思い、一番簡単にできそうなもの、「#7」にでてくる「さんまの塩焼き・栗ごはん」を選んだ。

 まず、栗ごはんであるが、スーパー行っても栗が売っていない。
 しかし、「栗ごはんセット」は売っていた。あらかじめ栗がむいて調理がしてあり、炊くコメにまぜる汁もできあがっているのだ。早くもここで大幅なズル。よしながの描写をみるとこの栗をむいて水にさらしておくのが結構大変そうなのである。

 次にサンマ。
 いやー実はあんまり魚を食わない。すぐ肉に走る。だからサンマの値段がよくわからないのな。「1本59円の特売サンマ」って安いな。安すぎる。ぼくが買ったのは1本90円だった。それでも「お買い得」というシールが貼ってあったのだが。そもそもスーパーで「塩サンマ」とそうでないサンマの違いがよくわからなかった(後者を買いましたが)。
 料理をする瞬間、史朗のセリフ「こんなサイコーな魚料理は無いよ 美味くて安くてさばかず丸のまま 塩ふって焼けば出来上がっちまう!」を実感する。
 何分焼けばいいのかわからず、ネットでみてもよくわからないので、「人力検索」系で聞く。7分、5分くらいだと返答があったのでそれに従った。まあ、火力で全然違うんだろうけどな。

 焼ける間になめこの汁をつくるのだが、なめこを湯がいたものの、湯がいたお湯でみそ汁をつくってしまい、つれあいから「意味ねー」と言われた。湯がくのはアクをとるためなのだ。とったアクを戻している(笑)。
 ほうれん草のおひたしは、まあどうということはなかったが「昨日ゆでて…」といって冷蔵庫からとりだしているのを見て、「ああそうか、おひたしは茹でて保存しておけばいいのか」と目鱗。なぜなら、実家から大量にほうれん草を送ってくるので、しおれないうちの処理に毎回四苦八苦しているからである。
 さあできた。
 右はそのできた物である。
 きゅうりとなすの漬け物がなかったので、ラッキョウの漬け物を代わりに出した(フタをしてある小瓶)。
 サンマの横にレモンとかある。これはよしながのレシピには無い。「あー、柑橘系おいたらダメなんだよね」とでもよしながはいうかもしれないが、レモンが山ほど余っていたので使った次第である。

 うまい!
 マジで美味かった。
 実は栗ごはんってほとんど食べたことがなかったのだが、おいしいもんですなあ。もちろんサンマも。

 全然関心なかったコマだったが、やってみるとたしかに美味しいし、なるほどと思うことが書いてあるんだなと小発見。
 などとこんなことを書いていると「まーた、たかがサンマ焼いたくらいで『料理するオトコ』みたいなそぶりを演出しちゃって。イタイなあ」とかいう声が聞こえてきそうで……いや、幻聴だから!




講談社モーニングKC 以後続刊
2007.12.4感想記
この感想への意見はこちら
メニューへ戻る