すいません。遅れちゃって。
あのさあ、3時間も待ったんだよ。ひどくない? ねえ。おれ、帰ろうかと思ったんだよ。
ほんとすいません。あ、わたしブレンドで。ブ。え、ない。ないの。ないって、ここ喫茶店でしょ。ないの。あそう。しょうがないな。じゃ、「浦霞」1合と、ブルーベリーヨーグルト。はい。いっしょに。え、あどうもほんとすみません。

そういえば

そういえば、紙屋研究所の所長さんって、「冬のソナタ」の主人公に似てますね。
ええ、よく間違われます。「中野区のペ・ヨンジュン」と呼んでいただいても、ぼくのほうはいっこうに差し支えありません。
おい。おれにこんなこと↑言わせんなっつーの。
あー、ネットってホントなんでもできるから好きだわー。思想史の巨人にこんなアホなことも言わせられるし。
何が「差し支えない」だ。おまえ以外のすべての人間が差し支えるんだよ。どっちかといえば桂文珍だろ。
「活字」になった情報って、昔は異様に信頼度が高かったですよね。ぼくが小学生とか中学生のときは、まだワープロがなくて、職員室にでっかい当用漢字のパンチャーがありまして、数千字から一文字一文字えらんで打つという一種のタイプライターを使ってたんです。「保護者への通知」なんか教師はこれで打って作っていたわけですね。ぼくは生徒会役員だったので、休みの日の職員室とかでこれでよく遊んでました。上級生の顔写真をコピーして、その下に「愛知県むっつり大会で大賞を受賞した海老名さん」「『受賞の感想は?』『最高ですね!』」とか打つだけで、もう手書きには絶対ない信ぴょう性が激しく生じてしまいましてね。それだけでなんかすごい公式のニュースみたく思えてくるから不思議でした。そのバカニュースをタイプしてコピーしたものを配ったら、その上級生に激怒されまして。そいつからは半年くらい絶交されました。そのあと、ワープロの登場でかなり手軽に活字で遊べるようになって、いまやインターネットの登場で、だれもが「出版あそび」までできるようになったわけです。マルクスにこんなことも言わせたりね。

第1部:アクセス数向上への苦闘
〜奥さんにも内緒でやっていた

さっそくですけど、この、管理人がインタビューを受けるって企画なんですが、安彦麻理絵の漫画で、高校時代から自己顕示と自己羞恥をくり返すっていう自伝的な漫画を思い出したんですよ。そのオチで、有名人になった女の子が「あたしインタビューされる人になりたかった」っていうんです。作家になりたいでもない、タレントになりたいでもない、ただ人から注目されてインタビューされる「ような」人間になりたいっていう、すごくうまく今の自己顕示の欲望を表現した話だと思いますね。この企画ってそういう欲望がだだ漏れだと思いました。
ほっとけ! なんで19世紀にロンドンで死んだ思想家に、アビコマリエの話されなきゃならないんだよ。
で、まず、紙屋研究所のアクセス数の話なんですが。いまカウンターは4万8000くらいですよね。
そうですね。
1年でこれだけなんで、平均すると1日130ですか。しかし、これはいまのアクセスを反映してないでしょ。
最初は全然アクセスなんかないですからね。友人にもまったく知らせていなかったんです。つれあいにも。
え、奥さんにもないしょでやってたんですか。
なんか、あるとき白状したら、かなり驚いてましたよ。
カウンターをつけたのは。
1ヶ月くらいしてからですかね。やっぱり反応があるのかないのかわからんと、すごくつまらなくなるんですよ。カウンターっていうのは、その数字がそのまま世界とのつながりの数だっていう幻想をつくりだすうえで本当に格好のシステムですね。いやこのホームページ始める前は、実は楽天で日記ホームページをもってまして。
えっ、そうなんですか。ははあ道理で、漫画の感想とかのなかに、昔の日付があるわけですね。
そこでカウンターと簡単なアクセス解析のシステムを知るんですよ。あそこは楽天のメンバー内でランダムに訪れてその足跡がはっきり残るしくみなんです。どのホームページから来たかがわかるんです。
で、そこに行ってみる、と。
そうです。で、おたがいに掲示板に「こんにちわ〜 すごくいいサイトですね!」とかなんとか書き込んで馴れ合うわけでして。
そうやって、相互にアクセス数がつりあがっていくわけですか。なんか、すごくネット的な欲望に適合したシステムですね。
そうなんですよ。で、まんまとぼくもハマりまして(笑)。もう、なんか四六時中アクセス数が気になって。仕事中とかも。日記がわりにアップする漫画感想文も、よせばいいのに優等生的に毎日つけるもんですから、当然仕事に差し支えるんです。それで「こりゃダメだ」と思って、3ヶ月ですっぱり止めました。
あんまりすっぱりじゃないですが。
ま、それで、新たにこのサイトをはじめたときには、まあ、週1くらいのペースでゆっくりやろう、とか反省点をいろいろ書き出しまして。それで再開したんです。
カウンターの話は。
あ、そうそう。4ヶ月間くらい、トップページにおいてたんですが、そのころで1日20〜30かカウンターはあがっていかなかったです。
急に増えたのは。
なんか、こっちの知らない間に、「はてなダイアリー」の周辺で少しずつリンクがふえてきて。
ちょっと待って。どうやってわかるんですか。
「紙屋研究所」とか「kamiya-ta」とかで検索するんですよ。そうすると出てきます。
(心底呆れて)ヒマですねー。
で、「はてなダイアリー」のあたりでリンクしている人たちの多くはトップページじゃなくて、その次のメニュー画面「案内図」の方にリンクをはってたんです。
はあはあ、トップページを経由しないわけですか。
「リンクはトップページにはってください」というのもときどき見かけますし、他人様がやっているのは別にいいんですが、ぼくがやるとしたらそれは傲慢だという気がしておりまして。で、トップには更新情報をおいて、カウンターはメニュー画面においたんです。どっちにリンクしてもメリットがあるように。そうしたら、1日50〜70くらいにふえました。
倍ですね。
最近は、1日100〜400くらいの間で推移しています。平均はやっぱり150くらいです。
だいたい合ってんじゃん。
まあ、聞けよ。

ヤフーのブラックリストに載った?

ヤフーとかのサイト紹介に載せようとかは思わなかったんですか。いま載ってないみたいですけど。
いや、最初、何回も投稿しましたよ。はっきり言いまして。
しつこいほど「載せろ」「載せろ」と自己推薦文を投稿しすぎて、いまヤフー側の「ブラックリスト」に載ってるんじゃないすか。
そもそも漫画批評とか漫画感想文なんていうヌルい企画自体、掃いて捨てるほどあるでしょう。
そうなんです。このネットの大海のなかで、当時たかだか累計カウント数1000いくかいかないような、しかも別段特徴もなく特別面白いでもないクソサイトを誰が載せるかって感じですよね。で、「Yahoo!登録によるアクセス向上大作戦」とかのサイトを見ていてつらつら考えるに。
そんなの見てるんですか(笑)。
見てるよ! 役に立つよ、あれは。で、つらつら考えるに、ヤフー側としては、たとえば漫画評論のサイトでも何か差異化されていれば、載せる前提条件にはしているみたいですね。「パンダが出てくるすべての漫画を扱うサイト」とか「妹萌え漫画評論サイト」とか。ぼくのほうは、そういうふうにするつもりはなかったんで、ああこれは載る見込はないなあと悟り、だんだんくさってきて。
くさったんだ(笑)。
まあ、もういいや、と。安心立命の境地に達しまして。
「あのぶどうは酸っぱかったんだ」みたいな言い草ですね。
うるせえなあ。それに、他のすぐれた批評サイトが載ってないから、ああそういうもんかと思ったんだよ!
まあまあ。ますます深みにハマってますよ。
くっ…。あんただって、『資本論』1巻の反応があんまりにもないんで、エンゲルスに変名で「やらせ書評」を書かせて載せたダロ!
それはまあ。
はっきりいって、掲示板やメーリングリストとかで匿名や変名を使って自分の店のことを「この店の料理のウマさ漏れはモーレツに感動した」とか書き込むのと同じなんだよ! すぐ「関係者?」とかレスつけられて。浅はかすぎ。
本当にお前は馬鹿だな。当時ドイツの論壇が黙殺作戦に出てたんだよ。こんな日本の2ch周辺の店紹介板系のしょうもないネット事情といっしょにすんな! しかも俺の作戦は見事に功を奏したわけだけど。
まだドイツ論壇はウブだったってことだな。そのあたりに歴史の進歩を感じるぜ。。
そんなところに感じるなよ。なんかこのインタビュー自体が2chのスレ化してるな。

友人や職場にバレる

人気サイトに取り入って、相互リンクはるっていう手もあるそうですが。
いや、とにかく友人にも知らせない、そういう搦手も使わない、それでどこまでいくかやりたかったんですよね。
そのわりには最初からヤフーのサイト紹介ねらってんじゃん。
それは正攻法なの。
なんかわけわからん基準ですね(笑)。ところで、友人にはどうやってバレたんですか。
有事法制の漫画を友だちのサイトからこっちに移したんだけど(その友だちだけにはこっそり事情を言ってね)、その有事法制の漫画のURLを勝手に切って見るやつがいるんだよ。
いますね。ごく自然な行為ですけど。
それで「あいつこんな馬鹿なことやってる」とかいう話になって。デモとかで会うと、いきなりニヤニヤして「見ましたよ」とか言われて。で、もうここまで広がったなら意味ねえや、と逆に左翼連中の評価もしりたくて、メール署名とかにつけたりするようになりました。
職場には……。
バレましたが、漫画に関心のない人たちで本当によかったです。
全体として、初志は「誰にも知られずどこまでのびるか」という気持ちだったけど、途中で「やっぱ見てほしい」的な気持ちがだんだん頭をもたげて、友人に言っちゃったってかんじですかね。
まとめんなよ。
というわけで、つづきはアクセス解析にいってみましょうか。
え、これ続くの?
最近、そういうツッコミで落とすサイトを激しくよく見かけるよな。