二ノ宮知子『平成よっぱらい研究所』/70点


平成よっぱらい研究所

 ただひたすら飲んでいるという、作者の異常なエッセイ・マンガ。(異常な作者の、といったほうがいいかもしれん)

 もう、ただ、飲んでいるだけなのである。そして酔って狼藉をはたらいた数々の武勇伝を露悪趣味的に紹介している。酒飲みの迷惑をいつもこうむっている人間がよめば、憤飯ものにちがいない。
 夜中に酔っぱらって、泥酔した作者が「ガチャガチャ」のおもちゃを、ヤクザとおぼしきベンツの上にたてていると、そのベンツの後部座席から「大仏様(←わかるね)の陰がゆっくりと起き上がる」。作者の友人が我をわすれて、その陰を「おがむ」と、ふたたびその「大仏様の陰」は沈んでいった。とか。(作者は覚えていない)

 そしてひたすら飲む。
 友人の「もりへー」が、血を吐いて検査で胃潰瘍だとわかっても、パントテン酸入のビールがないと体に悪いから、みたいなことをいって、またいっしょに飲んでいるのである。

 女性が無頼を気どる、というマンガは、西原理恵子(ぼくんち)や松田洋子(薫の秘話)、倉田真由美(だめんずうぉ〜か〜)などがあるけど、どれも好きになれない。もちろん男性がそういうマンガを書いてもぼくは同じ反応なんだろうとおもうが、男権社会の現代日本においては当たり前すぎて価値がないためであろう、ほとんどそういうエッセイマンガは存在しない。
 二ノ宮のだけ、唯一ぼくが愛好できるのは、友人にしたら楽しそうだと思えるからである。あとはイヤそうなやつばかりだ。じっさい、松田がテレビに出ているのをみたが、マンガとまったく同じ小賢しい口ぶりで、独善を人格化したらああなるだろうと思われた。

 自分自身のイヤなところを、写し鏡のように見せられているようだ。

(祥伝社)



※『のだめカンタービレ』の感想はこちら



採点70点/100
年配者が読んでも楽しめる度★★☆☆☆

2003年 1月 31日 (金)記

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