NOVAうさぎへの愛

 NOVAうさぎが発表されるやいなや、ぼくはそれを紹介としてメールの署名に使っていいかどうか、NOVAにハガキをだし、数日後、承認の電話がきた。

 というほどに、NOVAうさぎが好きである。

 あの小生意気そうに閉じられた目と、根拠なく自慢げに微笑む口元と、全体の赤ん坊性が、たまらなく訴求してくる。(ほんとうはお前は赤ん坊がほしいのではないか、とつれあいが憐憫の情をもよおしたのだが、それはちがう)

 さて、フィギアのようなものにはいっさい興味をしめさないぼくであるが、どういうわけか、NOVAうさぎのぬいぐるみだけはほしかった。

 さいしょに目撃したのは、地方の屋台で売られているバッタもんだった。
 これは許せなかったね。
 テキ屋が綿菓子の袋を、著作権など一顧だにせず、ミッキーマウスを「ちゅう太」などと書いて売っている様は、いっそ気持ちがいい。(そういえば、『VOW』でミッキーマウスの一部だけをコラージュして「たこぶえ」という蛸のお菓子にしてしまっているのをみたが)
 NOVAうさぎは、ビニル人形として売られていたのだが、クチがもうだめだった。○のなかにクチが書いてあるふうで、全然NOVAうさぎではない。一気に萎えた

 つづいては、友人から、NOVA公式のぬいぐるみをもらった。NOVAに入るともらえるやつだ。
 これにはたいへん喜んだわけだが、正直いうと、微妙にちがう
 なにがちがうのか。
 第一に、「腕」である。太すぎる。第二に、「顔」における各パーツ(目・クチなど)の比率である。大きすぎる。
 これは、NOVAうさぎを「ダッコちゃん」にしようとしていて、無理に腕を太くし、顔を小さくしてしまったために起きている悲劇である。
 「ダッコちゃん」というありきたりのキャラにNOVAうさぎを閉じ込め、平気で腕や顔を改造してしまった末路がこれで、いわば、NOVAうさぎへの「」が感じられないのである。

 最後に、ゲーセンにあったぬいぐるみ。ある日、いっせいにゲーセンに入荷された。UFOキャッチャーである。
 これだ!

 これがどんぴしゃである。(NOVA承認の商品ではある)
 顔における各パーツの比率、赤ちゃんっぽい手足と質感(タオル地)――カンペキである。これこそNOVAうさぎへの愛である。

 ぼくはたまらなくほしくなり、ゲーセンでやってみたが失敗。自力でとることは不可能だとあきらめ、ふだんはテを出さないヤフオクで買おうかと悩んだりした。
 しかし、ひょんなことから、友人が飲み会の帰りにゲーセンで見事にとってくれて、ぼくにくれた。狂喜したことはいうまでもない。

 以後、毎夜、抱いて寝ている日々がつづいているというわけだ。

 さて、NOVAうさぎによって、NOVAに来たいと思う人はふえたのだろうか。

 もちろん、ぼくはまったく行く気はないし、さいきん講師の労働条件をめぐり改善をもとめた講師を不当配転した問題でNOVA側が負ける(下記参照)など、少なくとも、ぼくのなかではNOVAうさぎと、NOVAの企業イメージは完全に乖離している。
 電車内の吊り広告で、NOVAは、NOVAうさぎだけを使う戦略をとらない。かならず、レッスンの利点をあげる。やはりそうしないと客がこないせいであろう。商品キャラと企業業績の乖離は別にいまに始まったことではないだろうが、これくらい乖離したキャラもひょっとしてめずらしいのではないか。ひとつの壮大な実験ではないかと思う。それでもNOVAうさぎのCMがつづいているというのは、やはり採算がとれているというせいであろう。

 なんにせよ、NOVA本体は、本体のくせにNOVAうさぎへの愛が薄いのである。







英会話のノヴァ 組合理由の配転無効 京都地裁が地位保全の仮処分決定
 英会話教室の講師ロバート・ビソムさん(60)=京都府向日市=が、組合活動を理由にした強制配転の取り消しを求め、教室を運営するノヴァ(本社=大阪市)に地位保全の仮処分を申し立てていた問題で(2004年3月)26日、京都地裁(浅田秀俊裁判官)は、申し立てを認めて、配転命令を無効とする仮処分決定を行ないました。
 この問題は、京都市内の教室に勤務していたビソムさんが、ノヴァによる人権侵害行為の改善などを求め労働組合に加入し、役員になったあと、ノヴァ側が査定を悪化させ、ほとんど前例がない勤務校の配転を命令しました。そのためビソムさんが、組合活動の妨害を狙った不当労働行為として配転命令の取り消しを求め、昨年10月に申し立てていたものです。(しんぶん赤旗2004年3月27日付より)