新聞でちょろちょろと書きます



※連載は終了しました

 2008年6月30日付の掲載をもって「赤旗」での連載は終了することになりました。3年間というこのテの連載としてはかなりの時間お世話になりました。読んでくれたみなさんにも、編集部のみなさんにも、お礼を申し上げます。

 しかし……しかし、つらいなあ。
 担当の記者さんは「3年というのは長いので、今後の企画を検討していくさいに、キリのいい6月でということになったんですよ」と励ましてくれてぼくも十分な長さだとは思ったのですが、あまりカッコつけずにいまの正直な気持ちをいいますと、連載が終わることはつらいです。とくに紙の媒体に書く最初のきっかけを与えてくれただけに、思い入れがあります(「赤旗」の学問・文化部のみなさんには本当に深く感謝をしています)。衝撃から快復するまでちょっと時間が必要ですが、まあそんなわけです。


連載で扱った作品


第1回 浦沢直樹×手塚治虫『PLUTO』(05.3.15)
第2回 吾妻ひでお『失踪日記』(05.4.15)
第3回 水木しげる『完全版マンガ水木しげる伝』(05.5.27)
第4回 安野モヨコ『働きマン』(05.6.14&16)
第5回 道家大輔・中野独人『電車男』(05.7.22)
第6回 山岸凉子『舞姫 テレプシコーラ』(05.8.30)
第7回 矢沢あい『NANA ナナ』(05.9.28)
第8回 よしながふみ『大奥』(05.10.26)
第9回 BONES・片岡人生・近藤一馬『エウレカセブン』(05.11.25)
第10回 ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』(05.12.23)
第11回 石塚真一『岳』(06.1.20)
第12回 大和和紀『紅匂ふ』(06.2.17)
第13回 桂望実・今谷鉄柱『県庁の星』(06.3.17)
第14回 こうの史代『さんさん録』(06.4.26)
第15回 森薫『エマ』(06.5.24)
第16回 森下裕美『大阪ハムレット』(06.6.27)
第17回 けらえいこ『あたしンち』(06.7.21)
第18回 陸奥A子『ペパーミントに紫』(06.8.30)
第19回 小畑健・大場つぐみ『デスノート』(06.9.29)
第20回 細川貂々『ツレがうつになりまして。』(06.10.27)
第21回 すえのぶけいこ『ライフ』(06.11.28)
第22回 きづきあきら『ヨイコノミライ』(07.1.9)
第23回 岩永亮太郎『パンプキン・シザーズ』(07.2.23)
第24回 武富健治『鈴木先生』(07.3.23)
第25回 真鍋昌平『闇金ウシジマくん』(07.4.27)
第26回 夢路行『あの山越えて』(07.5.25)
第27回 ジョー・サッコ『パレスチナ』(07.6.29)
第28回 しりあがり寿『ゲバラちえ子の革命的日常』(07.7.27)
第29回 ひうらさとる『ホタルノヒカリ』(07.8.24)
第30回 やぶうち優『ないしょのつぼみ』(07.9.25)
第31回 秋月りす『35歳で独身で』(07.10.23)
第32回 COCO『今日の早川さん』(07.11.21)
第33回 椎名軽穂『君に届け』(07.12.26)
第34回 郷田マモラ『モリのアサガオ』(08.1.30)
第35回 大久保ヒロミ『あかちゃんのドレイ。』(08.3.3)
第36回 こうの史代『この世界の片隅に』(08.3.27)
第37回 さくらももこ『漫画版ひとりずもう』(08.4.25)
第38回 河下水希『いちご100%』(08.5.30)
第39回 土山しげる『極道めし』(08.6.30)



 新聞で「連載」することになりました。
 サイトを見てくれた人からのご縁で。ありがたいこって。

 つっても「しんぶん赤旗」日刊紙。文化面。
 月1回、600字ですが。
 漫画について、コラムを書かせてもらいます。
 最初の文章がのるのは、予定では2005年3月だそうです。


 600字って、原稿用紙1枚半。
 いつものダラダラと自分の欲望や自意識を垂れ流すパターンが通用しない。
 たとえば、ぼくが書いたこうの史代『夕凪の街 桜の国』の感想は4800字。
 うひゃー、全然だめじゃん。
 しょうがないので、朝日の松尾慈子記者の「漫画偏愛主義」に学んで短く書くよう、精進しようか……(ちなみに松尾記者のコラムでさえ1200字もある。いったい、ぼくに600字でなにをしろと? あ、うそ。600字でもありがたく書かせていただきます。えへへ)。

 朝日の「コミック教養講座」は500〜600字。
 それでこの内容量。さすがプロである。

 「アカハタって何ですか? マヨネーズかな」「いや、ポーターのことだろ」など、無知にも程がある大馬鹿野郎のために言っておくと、「しんぶん赤旗」は日本共産党という政党の新聞で、20万部くらいの発行部数(日曜版いれると200万)をもつ全国紙だ。その昔、天皇制権力やアメリカ占領権力から非合法とされたこともある、由緒正しいサヨ新聞である。最近は「家族そろって楽しめる新聞」らしいがな!

 問題はそんなことではない。

 これを読んでいるキミが、ぼくの連載ちゅうに新聞を購読するかどうかがカギなのだ。
 この連載が3回で打ち切りになるか、大スペースに拡大して毎日連載になるか、の。

 だから、いますぐ「赤旗」を購読する必要がある。
 いや、ただ購読したってなんの意味もない。
 購読したうえで、
「紙屋研究所さんのコラムが楽しみで買うことにしました」という
不自然なメールを編集部に送りつけてこそ、
初めて意味のある行為にまで昇華するのである。
 
 「紙屋研究所のコラムは泣けた……」「毎回、感動の嵐。印刷して配っています」という感想メールを送れ! 大量に。ただし、いまここに書いたのをテンプレで送るなよ! いいな。


 「新聞はテレビ番組欄か、社会面か、スポーツ面しか見ない」という、言語道断のあなたなら、「赤旗」はトクだ。日刊紙は月2900円。朝日新聞・読売新聞より月1000円も安い。政治や経済記事も、いちおう隅から隅まで読めば、一般の全国紙ていどの情報は網羅できる。だからすぐ買え! お前のためじゃなくて、ぼくのために。
 一生に一度、半年か1年くらい、左翼の新聞とはどういうものかを知ってみるのも悪くないだろう。(ぼくも読んでいるが、「赤旗」はメールか電話〈03-3403-6111〉で申し込むと、次の日から、近くの共産党事務所が配ってくれる。「やめる」といえば次の日から止まる)

 あの、まじめな話、できうる限り、ここには載せないものや、載せたものでも新たな視点でリメイクしたものを、一生懸命書くつもりなので、みなさんよろしくお願いします。


(2005.2.26記)



 3月15日付(2005年)に第1回目が無事掲載されました。1面に紹介までされてしまって冷や汗ものです。

 知らない人も知っている人もふくめて、一定反響があったようで、とりあえず、ほっと胸をなでおろしています(内容というより「三十代のオタク左翼」だという自己紹介に面喰らったという感じ。そして書いてあったURLのサイトにきて、それ以上に面喰らう)。

 これからぼくのことを「ヲタ左翼非暴力集団」とおよびください。集団じゃないか。(80年代を生きたサヨでないとこのネタはわからんでしょうが。)

 反響を読んでいるうちに、どのあたりを照準にして書けばいいのかも見えてきました。やはりこういうのは双方向なのですなあ。
 ではみなさん、引き続きよろしくお願いいたします。(2005.3.17記)



 第4回『働きマン』について書いた原稿は、つれあいには大不評。おまけに、ぼく的には非常に重要だと思われた一文が、おそらく編集の過程で脱落。その部分は意味不明の文章になっている……orz

※編集さんからおわびのメールがきて、翌々日訂正とおわびが載りました。素早い対応ありがとうございます。

(2005.6.14,16記)


『テヅカ・イズ・デッド』の書評

 2006年2月5日付の「しんぶん赤旗」の学術文化欄で、いつもの連載とは別に、常設の書評コーナーで、この本の書評を書かせていただきました(770字)。
 はじめ内容を細々と紹介したものを書いたのですが、本の紹介ではないのだからと思い直しました。キャラとキャラクターの区別うんぬんが漫画に縁のない人にとって「ふーん」で終わることになるのではないかと思ったからです。また、すでにそれは朝日や産経の書評でおこなわれていることをなぞるだけになると思ったのです。
 そこで、ぼくはこの本がもつ社会的な意味について書こうと思いました。「ユリイカ」や「論座」の座談を読んでも、出席者は“すごいすごい”というばかりで、あまり明らかにしていないのでは、と感じたからです。
 この意図が果たせたかどうかは、ご批判を待ちたいと思います。(2006.2.7記)