角川書店「ザ・スニーカー」誌で書きます



第27回 志村貴子『放浪息子』(エンターブレイン)10.6
第26回 とよ田みのる『友達100人できるかな』(講談社)10.4
第25回 かがみふみを『きみといると』(双葉社)10.2
第24回 佐野絵里子『為朝二十八騎』(エンターブレイン)09.12
第23回 こうの史代『この世界の片隅に』(双葉社)09.10
第22回 田中芳樹・道原かつみ『銀河英雄伝説』(徳間書店)09.8
第21回 森下裕美『大阪ハムレット』(双葉社)09.6
第20回 かずまこを『純水アドレッセンス』(一迅社)09.4
第19回 原恵一郎『蟹工船』(新潮社)09.2
第18回 河合克敏『とめはねっ!』(小学館)08.12
第17回 青木幸子『ZOOKEEPER』(講談社)08.10
第16回 さそうあきら『マエストロ』(双葉社)08.8
第15回 中村光『聖☆おにいさん』(講談社)08.6
第14回 吉田秋生『海街Diary1 蝉時雨のやむ頃』(小学館)08.4
第13回 柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』(集英社)08.2
第12回 石黒正数『それでも町は廻っている』(少年画報社)07.12
第11回 たなかじゅん『ナッちゃん』(集英社)07.10
第10回 河原和音『高校デビュー』(集英社)07.08
第9回 佐藤大輔:原作、伊藤悠:漫画『皇国の守護者』(集英社)07.6
第8回 久世番子『暴れん坊本屋さん』(新書館)07.4
第7回 よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』(新書館)07.2
第6回 島本和彦『吼えろペン』(小学館)06.12
第5回 木尾士目『げんしけん』(講談社)06.10
第4回 すえのぶけいこ『ライフ』(講談社)06.8
第3回 森川ジョージ『はじめの一歩』(講談社)06.6
第2回 ばらスィー『苺ましまろ』(メディアワークス)06.4
第1回 安野モヨコ『ジェリー・ビーンズ』(講談社)06.2




the Sneaker (ザ・スニーカー) 02月号 [雑誌] 「ザ・スニーカー」というライトノベルズ誌(角川書店、年6回発行)の、漫画レビューのコーナーで執筆する機会をいただきました。えー、ぜひ読んでみてください。第一回目は、2006年2月号(05年12月27日発売)に掲載されます。

 「コミック前のめり!」というコーナーで、サブタイトルが「ボクたちの大切なことは、コミックのなかにある。」です。

 どういうライトノベルズが連載されている雑誌かというと、谷川流×いとうのいぢ「涼宮ハルヒ」シリーズ、椎野美由貴×原田たけひと「バイトでウィザード」、岩井恭平×るろお「ムシウタ」、水野良×美樹本晴彦「新ロードス島戦記」などです(小説×イラスト、の作者名)。ちなみに、同誌の発行部数は公称で15万部、日本雑誌協会の発行部数リストによれば2万部強です(2004年)。

 「しんぶん赤旗」のほうは600字なのですが、こんどは2000字あります。まるごと1ページぶんです。「しんぶん赤旗」の連載をしてみて「600字」という制約のなかで意をつくすことの難しさをあらためて感じるとともに、2000字というチャンスを与えられたことの重大さにも緊張しています。マジで。

 「赤旗」のほうは、ある短さのなかで表現する難しさとやりがいがあるのですが、「ザ・スニーカー」誌の場合は別の制約と面白さがあります。

 ライトノベルズ誌は、実はイメージされるより購読の年齢層が広いのですが、「ザ・スニーカー」の場合、やはり中心は、ぼくよりも「ひとまわり」若い層の人たち、高校生くらいです(※角川のホームページによれば購読層の平均は17.8才)。その人たちにとどく言葉や視線、選定でなければ、読んでもらえないという、たいへんシビアな制約があるのです。

 高校生や大学生を前に話をする機会は実はこれまで何回かありました。サイトを読んでくれた高校生の方から、メールをいただくこともあります。
 高校生や大学生にした話は、ものすごく「当たる」ときと、かすりもしないときとが極端に分かれました。だから、まったく異星人に会うような心持ちではないのですが、すっかり把握しきったとかいうわけでもまったくありません。

 そうした人たちに届く言葉がつむげるかどうか、ぼくにとっては一つの重大な挑戦になります。


 今回、執筆のお話をいただいたのは、やはりこのサイトがひとつのきっかけでした。
 「しんぶん赤旗」の編集のかたもそうでしたが、よくぞネット上の書き手を紙媒体、しかも連載形式で依頼してくれたなあとひたすら感謝するばかりです。
 書いたものをネット上でログにして積み上げているとはいえ、〆切やクオリティなど、ネットの気ままさだけでは通用しない、商業媒体の厳しさがありますから、海のものとも山のものともつかぬぼくのような者にお話をもってきていただけたことは、もうなんつうか、あれです。

 というわけで、第一回目は安野モヨコ『ジェリービーンズ』をとりあげさせてもらいました。自分としては、いまの時点では非常に満足のいくものが書けたつもりですが、お読みいただいたうえでの率直なご批判をお待ちしています。(できれば編集部経由で!)