ジャガイモ( Potato)

 

サツマイモ

( sweet  potato

 

ナガイモ

Japanese yam

 

レンコン

 (East Indian

  lotus)

 

トウモロコシ

(corn)

 
 

 写真5667 ライトグリーン,ゲンチャンバイオレット,ヨードヨードカリの三重染色 

 写真57,59,61,63,64,66,67は煮熟(加熱)した組織。いずれの食品も澱粉粒が膨潤して

 いますが、細胞内にとどまり、自然の規則性を保っています。 

 写真56〜61,64,66,67400倍観察。写真62,63100倍観察 
   厚く御礼申し上げます  

本研究はじめ、適正炊飯の研究、大豆澱粉の研究、マメ類の煮熟等すべて

形態学的な発表は大量のカラー写真による証明を伴います。それらの発表を

常に広島文化学園の紀要に掲載をお願いし、写真印刷が大変高価な頃から費用等ご負担をしていただきました。おかげさまで広く皆様に植物性食品の形態学的研究や観察をご紹介させていただくことができました。

 常に暖かくご援助くださいました広島文化学園に深く感謝申し上げます。 
 
 表1観察した食品の最大
デンプン粒大きさμm)
 食品名  長径  短径
 レンコン  93 37 
 ジャガイモ  87 53 
 ユリネ  54 35 
 アズキ  48 36 
 ソラマメ  48 21 
 バナナ  48 25 
 ウズラマメ  38 25 
 サツマイモ  31 31 
 ナガイモ  29 18 
 ムカゴ  27 14 
 クワイ  25 18 
 ショウガ  22 18 
 カボチャ  17 15 
 クリ  15
 エンドウ  14 10 
 コメ  5
 トウモロコシ  5
 ダイズ  5
 サトイモ  2
 

今回観察した食品それぞれの

最大デンプン粒を選び、長径と

短径を表1 1にしました。

 デンプン粒を形で見るとこのよう

に大きや形が違います。

 レンコンやジャガイモのデンプン

粒は大きく、長さは90μ(ミクロメー

トル)前後にもなります。反対にコメ

やトウモロコシは大きいものでも5

μと小さいデンプン粒です。

 

 特にサトイモのデンプンは、大

きいものでもm(ミクロメートル)な

ので、観察のため、標本を

まで薄く削りだすのは大変でした。

 食品の大きなデンプン粒は表1

1のように測定できますが、小

さいデンプンは測定できません。

それは、デンプン粒形成の始まり

である微細なレベルを視覚的に

観察することが不可能だからです。


    
 <次のページに加熱したデンプンを紹介します>

 今回試料とした食品の煮熟条件などは、論文にお示ししていますので参考に

してください。

 この実験は、一回のみの試みです。追試の責任があるのですが、観察にかけ

る体力が限界でした。研究の入り口をお示ししただけで申し訳ありません。

 本観察で食べごろに膨潤したデンプン粒の形態を次の三つのグループに分

けました。

      タイプ1 デンプン粒単位に膨潤(痕跡がある)   

      タイプ2 細胞内に糊状に膨潤  

      タイプ3 細胞内に糊状ながら粒の痕跡がある

 出来れば今回試料を採取した時点の前後も時系列に試料を採取し、デンプン

粒が食品組織中でどのように変化するか味覚と併せて観察を続けたいとおもい

ました。

 また、今回の報告は、茹で時間や食味について、パネラーの判断に頼るなど

統計的な吟味をしていないので、客観性に欠けています。

ただ、光学顕微鏡像による比較検討に適した方法をお示しさせていただきました。

 
  <最後に>

 30年間米飯の組織観察を

ライフワークにしていましたがその間ほかの食品組織中のデンプン粒の形態を観察したいと願っていました。それは、単なる観察に終わることに物足りなさも覚えていました。

 しかし、川上いつゑ門下の

染色法は、他に類をみない美しく鮮明な像が得られることから、今回このような食品組織の観察を紹介させていただきました。

 ただ、60歳を過ぎてからの

作業のため、体力にいろいろな不都合が生じ、写真撮影の力が発揮できませんでした。

 そのようなことをお許しいただいて、少しでも参考にしていただければ幸いです。

写真49〜53の写真は過去の論文に掲載した写真の再掲ですがデンプン粒の所在を明らかにするものです。

コメ再掲

再掲:2006

広島文化女子

短大紀要

39p.20

 

 写真4952 ライト

グリーン,ゲンチャン

バイオレット,ヨード

ヨードカリの三重染色

写真49,50ともにコメデンプン粒が赤く、ヨードヨードカリに好染しています。写真50 亀裂は

コメ全体に生じてデンプングループまで破壊しています。煮えるにしたがって亀裂は消失し、

自然の規則性を保ちながら炊き上がります。

 

ダイズ 乾燥

soybean 

   dried

再掲:1988

広島文化女子

短大紀要

21p35
     

ダイズは乾燥すると

縦断面が写真53のように

収縮し、マメは球形になります。

 水に戻すと写真54のように

元の細胞の形に回復し、マメ

は楕円(楕円球体)に戻ります。

 他のマメ アズキ ウズラマメ ソラマメなどは、細胞がほぼ球形なので、乾燥による収縮が

どの方向も同じです。そのた

め乾燥した豆の形は変わらな

いのです。

 

写真55乾燥大豆 アクロレイン

シッフ染色。

 たんぱく質をピンクに染めました。

その間にデンプンのグループが

点在しています400倍観察

 

1988年の観察において、ダイズデンプンは子葉接合部に多く存在していました。  

 
 
 エンドウ

 (gerden pea)

 


 ウズラマメ

 (uzura-mame)


  再掲:1989

  広島文化女子

  短大紀要

  22p.41

  写真41と写真42とは対応して
  いません。

   

 ソラマメ

 (broad bean)

   

 トウモロコシ

 (corn)

   
  コメ
 (rice



  乾燥米そのままでは非常に硬くてもろい   ため、薄片は作れません。水に浸漬して、  なおむづかしい作業です。

   


 写真
3948 ライトグリーン,ゲンチャンバイオレット,ヨードヨードカリの三重染色 400倍観察。

写真40,44,46,48,それぞれ写真39,43,45,47の偏光顕微鏡像。偏光十字およびデンプン粒形成の核

ハイラムの位置が鮮明です。

 
 

ショウガ

ginger

 
 

カボチャ

(pumpkin)

 
 

ク リ

(Japanese

 chestnut)

 
 

バナナ

banana

   
 

アズキ

( adzuki bean)

   



写真
2938は、ライトグリーン,ゲンチャンバイオレット,ヨードヨードカリの三重染色 400倍観察。

 写真30,32,34,36,38,それぞれ写真29,31,33,35,37の偏光顕微鏡像。偏光十字およびデンプン粒

  形成の核ハイラムの位置が鮮明です。

 
   いろいろな食品の澱粉粒をご覧ください
 

サツマイモ

( sweet  potato


写真14〜17全て

ライトグリーン,

ゲンチャンバイオ

レット,ヨードヨー

ドカリの三重染色
 
 

サトイモ

 (taro)

切片の厚さ

μmで観察

本観察中最小の澱粉粒

 
 

写真16ように、サトイモデンプンは微細なので光学顕微鏡ではデンプン粒を確認しにくく、これを偏光顕微鏡で観察すると写真17のように、ようやくデンプン一粒に偏光十字が確認されます。粒はmほどで小さく、線状に光る細胞壁か確認できます。

 

 サトイモ

  透過型電顕微鏡像






田村咲江監修 

食品・調理・加工

の組織学 学窓社

p.53 1999
   

 写真18は田村咲江氏の研究から

 掲載させていただいた透過型電子

 顕微鏡像です。

 サトイモ球茎に見られるアミロプラ

 スト(A). 複粒のデンプン粒(S)を

 明確に示している. 4400倍観察




 写真16では確認しにくいデンプ

 ン粒が見事に観察されています。

 


そのデンプングループを取り囲む線が明確です。これは、細胞の中でデンプンをたくわえているアミロプラストの膜です。



 

                       <以下写真への文字記号の省略>



  この観察ではヨードヨードカリ染色により、デンプン粒は紫や褐色の顆粒として観察されます。同じ組織を偏光顕微鏡で観察し、同じ位置に偏光十字が現われています。これにより、間違いなくデンプン粒を確認いただけると思い、今後、写真中の記号は省略します。偏光十字の交差する点にハイラム(デンプン形成中心 hilum:臍)がみられます。

                ハイラム: 川上いつゑ 澱粉の形態。3-5.24.25  (1975. 医歯薬出版

 


  論文各種食品デンプン粒の形態観察および光学顕微鏡標本の作り方」

 2頁右列14~15行目 ”使用するパラフィンの融点は58℃前後。”と記しましたが、
 「包埋剤のパラフィン融点は53℃前後が適している場合も多い。」    
 包埋剤は、樹脂系も使われます。封入剤や染色剤も作業に適合した良いものが
 見つかると助かります。      

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組織中のデンプン粒

自然の中 ありのままの形です

各種食品デンプン粒の形態観察および光学顕微鏡標本の作り方

Morphological Observation of Starch Particles in Various Foods and Methodology of Preparing Samples for Optical Microscope

今中鏡子
掲載雑誌 : 広島文化学園短期大学紀要  第47号(1頁ー20頁)





レンコン

 (East Indian

  lotus)



本観察中最大の澱粉粒

 

ナガイモ

( Japanese yam)


虹色に反応した偏光顕微鏡像を掲げました澱粉には
微細で規則的な溝が

層状に生じているので、
角度に
よって光が干渉しあいます。他の食品の澱粉でもこの虹色は観察されます。

 

ムカゴ

(mukago)

 
 

クワイ

( arrowhead)

 
 

ユリネ

(lily)
 

写真19〜28は、ライトグリーン,ゲンチャンバイオレット,ヨードヨードカリの三重染色 400倍観察。

写真20,22,24,26,28,それぞれ写真19,21,23,25,27の偏光顕微鏡像。偏光十字およびデンプン粒

形成の核ハイラ ム位置が鮮明です。