「 間 」について

 

武道や日本の伝統的音楽や踊りなどで非常に重要視されている「間」について考えます。

剣を持っての斬り合いにおいてこれ以上相手に近づくと相手の剣が自分に当たり自分の剣も相手に当たるという境界の部分を間合いとか間境(まざかい)などと言います。使う技や使用する武器によって違ってきますが、これから命のやり取りをする前の非常に大事な要点です。

この間が解らず不用意に掛かって行き相手に先を取って間合いを越された場合はそこで命を落とすことになります。それ故「新陰流」では水とそれに映る月とにたとえて「水月」という言葉でこれを表現して、数々の教えが残され今でも稽古されています。

音楽などでは耳で聞こえる拍子と拍子との間の何も聞こえない拍子や踊りの動作と動作の間の何もないところに間をつくります。

「間」というものは目でハッキリ見えたり物理的に存在感のあるものではなく感覚によって感じたり見の目ではなく観の目にて観るもののようです。

日本の建築において代表的な「間」は床の間です。この無用な存在は西洋人には理解できないでしょう。もっとも最近では日本人にも理解出来ない人が多いようですが。「機能するものは全て美しい(古いかな)」等と言っていては理解できないでしょうが、一見無用ですが有るとその空間がおさまります。このようなことは床の間だけでなく建築にとって大事なことです。つまり適切な「間」がないと「間抜け」になるのです。あっても調和がとれていないと「間が悪い」ということになります。

縁側にしてもこれは外部空間でしょうか、内部空間でしょうか。これは外部と内部の空間の間境(まざかい)に存在するものなのです。このように一見無駄に見えるがないと間抜けになる「間」というものを活かしゆとりのある「住い造り」をしたいですね。

只、これは感覚的なものなので個人差があります。そこを建主と設計者が良く理解し合わないといけません。


洋風と和風

               プランの打ち合わせに行くとよく言われることです。何を持って洋風であり、和風であるのでしょうか。

              中には南欧風の家をなどと仰られる方もいたりしてここは日本ということをお忘れではと思うこともあり

              ます。いかに24時間換気にしても空調が発達しても雨が多く蒸し暑いこの日本でそれだけで快適に

              暮らせるでしょうか。元々日本の家屋の特徴は京都の町家や下町の住宅を除いて平屋で深い軒や庇

              勾配のある屋根などで夏の日差しや雨、風などから家を守ってきたのです。

              部屋の床は畳敷きで間仕切りは障子や襖の建具が殆どで結婚式や法事などで人が多く集まった時は

              間仕切りを取り外して大広間にして、食事をしてもちゃぶ台を片付ければ寝室になったりを非常に融通

              の効く家だったのです。

               公団住宅の出現とともに X-DKのスタイルが確立してこれからいまだに抜け出せないのです。

              ですから洋風、和風といっても中身は同じなのです。時間とともに家族構成も変化します。必要のない

              部屋を細々造るよりある程度家族や生活の変化を予想して洋風や和風などといっていないで「私風」・

              「自分風」の家造りをしましょう。

              見た目洋風でも玄関で靴を脱げば立派な和風です。もっとも湿気の多い日本で靴を履いたままの

              生活は水虫になるだけです。

 


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