工事監理の名義貸しについて

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2007年6月20日 改正建築基準法後の状況                              
改正基準法後の名義貸しについては詳しいことは不明ですが、住宅など小規模の建物の代願事務所によるものは非常に少なくなっていると恩われます。設計事務所にすればそのようなことは怖くてできない、ということです。

しかし、2008年12月には「改正建築士法」が施行されます。詳しい内容は講習会などを受けてから述べますが、新たに「構造一級建築士」「設備一級建築士」制度が定めれて、3階建て且つ5000u以上の建物の設計では構造と設備設計は新たに定められた資格を持った者が行わなければいけないことになります。

しかしこの資格を持った一級建築士事務所、特に「設備一級建築士事務所」の不足が予想されています。ということはそれが必要な規模の建物の設計業務が滞ることになり、改正基準法に続き第二波の打撃を受けるという状態になりかねません。つまり不況に追い討ちをかけるということです。

この新たな資格の取得者の不足と一級建築士の試験の難関さ、などが原因の名義貸しが行われることが予想されます。しかし、罰則は厳格に適用されます。設備専門で一級建築士事務所の登録をしていないところは廃業を考えている事務所もあるようです。

 
お昼にテレビをみていると「欠陥住宅」の放送をしておりました。10年くらい前に建設費2億5000万円も掛けて造った木造3階建ての家のようですが、雨漏りのためにあちこちが腐っていて家全体が捩れているようで現在裁判中とのことです。

確認申請時の図面と実際に施工した図面が違うようで筋違がまともに入ってなく1階から3階までに吹き抜けがあり耐震性にも大きな問題があるようです。

お施主様は地元も工務店に耐震性重視ということで注文されたということですが、施工者は施主の変更要求によってこのようになったというようなことを言っておりました。設計事務所は設計通りに工事が行なわれていないと言っているようですが、名義貸しは認めているということです。

現在では例の事件以来名義貸しは少なくなっているようですが改正基準法以前だと普通に行われていたと思います。

では何故このようなことがおきるのでしょうか。建築物の設計及び監理はその規模の応じた資格(1、2級建築士、木造建築士)を持った者が行なわなければなりません。最初から専業の設計事務所に設計と工事監理を依頼すれば良いのですが設計料を惜しんでで工務店に依頼した場合にその工務店が建築士事務所の登録をしていなく設計スタッフもいないということになればその工務店は知り合いの設計事務所(この場合建築確認だけを行う代願事務所が多い)に建築確認申請を依頼するのです。

今回の場合は木造3階建てですので構造計算も必要ですが設計事務所が工務店から受け取る費用は10数万〜30万円程度のことが多いようです。もちろん工務店は建設費のなかに含ませて工事費として施主に請求します。しかし、建築確認には設計者と工事監理者を明記するようになっているのです。そこで問題になるのが図面通り工事が行なわれているか監理する工事監理者についてです。

確認申請を下ろすために確認申請を頼んだ設計事務所が工事監理も行なうように申請書に記入するのです。もちろん工事監理料として一銭ももらってない設計事務所は業務は行ないません。これが町場の工務店に工事を頼んだ場合や建売などの建築に絡んで起きる名義貸しの実態です。

システムキッチンだけで1600万円もかけた(小さな家だと一軒の総工費)大変豪華な御宅ですが、これだけの費用をかけたのであれば工務店とそのいいなりになる設計事務所ではない専業の設計事務所にそれなりの費用を払って設計と工事監理を依頼すればこれほどのことにはならなかったのではないでしょうか。

コメンテーターが完了検査で何故確認申請時の図面との相違に気がつかなかったのかというようなことを言っていましたが、検査機関が行なう「完了検査」は建築主側が工事完了4日以内に「完了届け」を提出して検査申請をしなければ行なわれません。建築物の「完了検査」申請が必要なのです。それに合格して「検査済証」が発行されます。

しかし「検査済証」が発行されたからといって安全であるかどうかは疑問です。なぜなら住宅などで中間検査が不要の場合は完成した建物が確認申請通りであるかどうかを目視による検査で行なうために隠れた見えない構造部分までは解らないのです。つまり筋違や補強金物や構造材の寸法などで手抜きをされても「完了検査」で見つけることは不可能なのです。

だからこそ工事監理者が必要なのです。住宅の場合は大規模なビル現場のように常駐の監理者は不要です。一週間に1〜2回程度図面通りに工事が行なわれているのかチェックする要点監理で充分です。監理がなければ施工者に都合の良いよう施工されても解りません。

そのため法律で確認申請時に「工事監理契約書」の添付を義務つけるという話もでているようです。大変結構なことだと思います。確認申請書の第二面を良く見てください。工事監理者が明記されていますその者に工事現場で会ったことがないようだと名義貸しの可能性があります。但し、完成した物を買う建売などでは事情が違います。

 

西澤一級建築士事務所

TEL:03-3322-9200

 


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