漢語迷の武漢日記 

< 第1回 日本人留学生の生活 >


 皆さん、こんにちは。私はこの九月から中国の武漢というところに留学している者 です。年は30歳。仕事を辞めてやってきました。ペンネームは「漢語迷」と言いま す。「漢語」は「中国語」という意味です。「迷」は日本語でいえば「おたく」に近 い意味です。例えば、「球迷」といえば、「サッカーおたく」といった意味です。私 は今、中国語の勉強に情熱を燃やしているので、こういうペンネームにしたわけで す。

 今日から「漢語迷の武漢日記」と題して、中国の留学生の生活・中国の学生の生活 といった身近なことから中国の政治・経済・社会・マスコミの状況など少し大きなこ とまで、いろいろなことを皆さんにお伝えできればと思っています。あまり大したこ とは書けないとは思いますが、中国に関心のある方はよろしかったら読んでみて下さ い。

 今日は第一回ということで、とりあえず一番身近な留学生の生活を報告したいと思 います。

 私は今、二人の日本人と生活しています。彼らと生活していて驚いたことは、彼ら がほとんど勉強をしないということです。今は授業にすら出ていないという状況で す。それでは一体何をしているのかと言うと、毎日のようにプレステをやったり、日 本のビデオや漫画を見たり、スポーツをしたり、音楽を聴いたりして生活していま す。もちろん、これらのことをやってはいけないとは言いませんが、これらのことで 留学生活のほとんどが占められているというのはやはり問題だと思います。彼らが 「親が金を送ってこない」などと怒っているのを見ると、彼らの親は本当にかわいそ うだと思います。「何のために留学しているんだ」と言いたくなります。一番困るの は、彼らが音楽をすごい音量で聴くので、勉強に集中でできないということです。今 や耳せんが不可欠になっています。中国には耳せんが売っていないので、日本から 持っていった耳せんがぼろぼろになっています。

 留学生寮というのは中国の学生から隔離された世界なので、自分から中国の学生に 積極的にアプローチしていかなければ、全く彼らと接せずにすんでしまいます。私は かなり中国人の友達が増えましたが、中国人との接点がほとんどないという人も多い ようです。

 私は日本いるとき、「留学をした」という話を聞くと、「じゃあ、もうペラペラで しょう?」などと紋切り型に言っていたものですが、実際に来てみると、語学の習得 というのはやはり一人一人の努力に依存しているというのを実感します。 私の方は彼らにかまわず、1日1日を大切にして勉強していこうと思っています。今 また、すごいボリュームで音楽が鳴り始めました。困ったものです。それでは、今日 はこれで失礼します。

1999.12.4



※ 漢語迷さんの武漢日記、待望の連載がスタート致しました!これからの 展開に大いにご期待ください!!みなさんの感想なども募集しております!

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