貧困なる精神 X集
大江健三郎の人生
毎日新聞社 1995年発行 ISBN 4-620-31056-5 定価 971円(税別)
貧困なる精神シリーズのなかでも異色の本書。『週刊金曜日』誌上で展開された大江健三郎批判に関する論争(1994年〜1995年)を中心とした構成となっており、貧困なる精神シリーズとしては例外的に、一巻まるごとそれに費やされている。本多の大江批判に対する、読者の様々な意見が掲載されていて興味深い。
尚、『週刊金曜日』以前に『朝日ジャーナル』誌上などで展開された本多と大江
のやりとりおよび大江批判に関する本としては、本多勝一集「愛国者と売国者」(朝日新聞社)、「文筆生活の方法」(晩聲社)などがある。
< 収録内容 >
第一部 大江健三郎の人生
『週刊金曜日』誌上で1994年12月に三回にわたって発表された、本多の大江批判
(大江の「文学者の反核声明」呼びかけ・芥川賞選考委員辞任・文化勲章拒否と
ノーベル文学賞受賞などに関連した論評)
をまとめたもの。
第二部 「本多勝一 <大江健三郎の人生>」を私はこう考える
第一部に対する読者の批判あるいは反応(投書)を収録したもの。
第三部 「<大江健三郎の人生>を私はこう考える」について考える
第二部の諸論にたいする読者の反批判あるいは反応(投書)を収録したもの。
第四部 なぜ大江健三郎を問題にするのか
第一部に対する読者の批判に答えるかたちで、なぜ本多が大江を問題にしなければならなかった
かを、とくに戦後日本の重大な責任問題との関連を中心に論じたもの。
第五部 付録
以上まで(とくに第一部と第四部)に直接関連する評論を、付録として収録したもの。
あとがき
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