黒川順夫の心療内科  

 見るものすべてが気になる

63歳男性
(主 訴) 見るものすべてが気になり、脳裏から離れない。
(現病歴)
 30年来、強迫神経症で苦しんでいる。
 中学の頃から物事をキチッとしないと気が済まず、自分の所有物が気になり、30代から特に苦しみ出す。定年退職して家にいるようになり、余計症状が強まり、部屋を移動するとき、そこにあるものを全部チェックしてから移動しないと、それが頭にこびりついてどうしようもない。あちらこちらの精神科や心療内科へ行くが、何のアドヴァイスもなく投薬のみであった。
X年 当院初診
(治療方針)
① 明らかなうつ状態のため抗うつ剤を投与。
② 森田療法的アプローチ
 とらわれ・気になることは、頭から消そうとしないで、そのままで次の必要な行動をすること。
 確認する場合、1度はよいが、気になっても2度目はせず、確認しそこなったものがあっても、気になるままで次の行動をすること。
(経 過)
 X年 前のことを気にしながらやっている。次の行動をするにつれ忘れ、能率もよい。
 X年 森田療法の本を読んで少しまし。
 X+1年 人の部屋は何ともないが、やはり自分の部屋は気になる。
 X+1年 必ずしもうまく行かないこともあるが、気になるまま、でやれば何とかなる。
 X+2年 割と気になるまま、で次のことができる。
 X+3年 この頃、確認ぐせは、ほとんどなくなった。
    ※強迫神経症には、森田療法が一番適している。

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