黒川順夫の心療内科  

 動悸にとらわれて外出できない

43歳の主婦
現病歴
 生理不順で相談に行った医師から頻脈を指摘され、その時、動悸にとらわれたのをきっかけに、緊張や不安があれば動悸や不整脈を生じるようになった。このため、20年間、一人で外出することが出来なかった。
治療経過
  1月初旬の初診時は、138/分の頻脈を示し、どうしても不安なときは、精神安定剤を飲むよう指示した。
 2月初旬より歩行訓練(森田療法変法)を実施し、2月末には、目的地の真ん中まで歩行できている。
  不安の強い時は不整脈を生じるが、そんな時でも昨日の距離は歩いている。
 3月末には駅に着き、主人が出張のため不在でも外出出来て涙が出るほど喜んでいる。
 4月中旬には、坂道で動悸が激しく不安になるが主治医を信じ実行できている。さらに家事も今まで以上にスムーズに出来るようになる。集団療法で、他の人の悩みも理解出来るようになる。
   ※・ビクビク、ハラハラ状態で行動できる体験。
   ※・他の人の悩みにも注意が向く。
 5月中旬には、梅田に向かって1駅乗れるようになる。人の表情や鳥などの観察も出来るようになり、森田療法の本を読んでも理解出来るようになる。脈拍も94/分に下がっている。
 6月に入り、梅田に向かって乗る駅の数が急速に増え、6月中旬には既に梅田へ行けている。久しぶりの梅田は随分変化していることに気付き探索する興味も増している。パッチワークも出来、やるべきこともサッサッと出来るようになる。以前は強くなろうと思っていたが、そうでなくてもよいと思い始めた。ドキドキしてもかまわないと思うとかえって動悸しないことが分かる。
 7月中旬には、今まで歩いていた所をバスで行ったり、外出も隔日にするなど融通を持たせることが出来るようになっている。

 このように、症例を絞れば、歩行訓練法(森田療法変法)は心療内科外来でも体得治癒に至らせる事が出来る。

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