黒川順夫の心療内科  

慢性関節リウマチ (1)
 ◇完全癖の中年女性に多発

  この病気は自己免疫疾患といわれるもので、自分自身の中にできた抗体が、自分の細胞を攻撃するのである。
 普通、人間の体はウイルスや細菌など、外から入ってくる敵に対して、免疫によって守ろうとする働きがある。通常の抗原抗体反応だが、慢性関節リウマチのような自己免疫疾患は、外敵ではなく、自分の細胞同士でケンカをする膠(こう)原病の一種である。

 骨や関節が変形してしまう大変な痛みが伴う病気でなかなか治らない。それどころか、病気が進行すると骨や関節だけでなく、肺や腎臓などの内臓まで悪くなる場合がある。患者はいつも痛みを訴え、特に朝、痛みが強く、雨天の場合など湿気の多い状態に反応する傾向がある。

 昔は、骨と関節だけの病気と思われ、整形外科だけで診察されていたが、最近は内科でも診るようになっている。とりわけ、この病気の原因のひとつに心理的ストレスや性格といった精神的側面が挙げられるようになった昨今、心身医学面の診察、治療が行われるようになってきた。

 性格との関連では、慢性関節リウマチの患者は”完全癖”の強い人に多いという特徴がある。自分の気持ちを抑えて完ペきに何でもやってしまう性格の人に多くみられる、と私はとらえている。中年女性に多い病気だが、これまで診た患者の多くが、夫の世話や子育て、家事、姑、しゅうととの対応、仕事を持っている場合は仕事、それらすべてを完ぺきにこなしてしまうタイプの人に多いということである。

 男性にも発症することがある。過去に私が診た男性患者(50歳)で、妻がサラ金で多額の借金をしたことがきっかけで、慢性関節リウマチになったという例がある。妻がなぜ借金をするようになったか分からないが、治療に通っているうちに、その男性患者は妻と離婚、しばらくして再婚し、新しい生活の中で病気も治り、再発しなくなった。

次へ 戻る カルテリストへ  ホームへ TOPへ