黒川順夫の心療内科  

慢性関節リウマチ(3)
 ◇夫の不倫で発症
  

 40歳の主婦。ご主人は小さな輸入雑貨の会社を経営している。1歳上のご主人とは恋愛結婚、そのうえ彼女にとってご主人は初恋の相手であったという。
 彼女は2年前から私のところへ通っている。彼女がリウマチになったきっかけは、夫の浮気が発覚したことだった。もう何年も前からだという。博子さんにとって青天の霹靂(へきれき)、大きなショックだったことは間違いない。
 そして、彼女はその出来事から以降、関節がこわばりだし、手足に激しい痛みがみられるようになった。いくつかの検査の結果、慢性関節リウマチであると診断した。症状はかなりひどいものである。

 患者がリウマチであるかどうかをみるには、普通、赤沈(血沈)などを中心とする血液検査を通して行う。健康な人の通常の赤沈の値は10前後なのだが、博子さんの当初の値は60と異常に高く、見た目にも歩き方など痛々しい限りだった。この他、CRPという炎症をみる検査、抗体に関する検査などを行い、症状の度合をみる。
 彼女は通院することも大変な様子で、私はステロイド、安定剤などを投与するとともに、カウンセリングを施し治療に当たった。
 女性は男性に対して自分の理想を求めるところがあり、彼女も夫に理想を抱いていたのだろうが、夫の不倫がきっかけでリウマチになってしまった。治療に通ううちに彼女は家を出て、別居した。現在も通院中だが、別居後の症状はかなり良好。性格テストによると、彼女もやはり完ペき主義の性格だった。

 慢性関節リウマチの患者の症状は実にさまざまである。関節や筋肉がすこし痛む程度の軽症の人から、体じゅうがこわばり、生涯治ることがない人までいる。心療内科的には”完ペき主義”の人にストレスが加わった場合、発病しやすいととらえている。

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