黒川順夫の心療内科  

慢性関節リウマチ(4)
 ◇心理面で強いストレスから

 46歳女性は中学校の英語教師をしている。
5年前から慢性関節リウマチで私のところへ通っている。手足の関節や筋肉が痛んで仕方がないとのことで診察を受けにやって来たが、血沈やCRP(炎症の度合いをみる)の数値を調べてみると、かなり高かった。あわせて、SDSといううつ状態の有無をみるテスト、エゴグラムという性格を分析するテストの二つをやってもらったところ、彼女の性格は「何でも完ペきにこなしてしまわないと気がすまない」、いわゆる完全主義の性格の持ち主だった。うつ状態もややみられ、家庭や職場での状況を聞いてみたところ、次のような話が返ってきた。

 「職場ではここ数年、同僚教師との人間関係が苦痛でたまらない。特に若い教師のやり方が鼻についてならない。私たちが若いころは、あんなに無神経ではなかった。表面的には周囲の雰囲気に合わせることができるので、何らトラブル がないようですが、本心はイヤでたまらない」。家庭の状況は、高校の数学教師の夫、短大生の長女と高2の長男、それに姑も同居している。夫はこと口うるさく、半面、姑はいいなりで、自分の考えを出さない、という。
 「自分は仕事があり、十分とはいえないが、家事全般、子供の世話、夫の面倒など一生懸命やってきたと思うが、少々疲れてきている」とストレスがたまっていることをうかがわせた。

 診察にあたりながら私は、慢性関節リウマチという病気が、患者の内面的な悩みや性格が大きく影響していることをあらためて認識した。自己免疫疾患のひとつであるこの病気の治療は、薬剤や理学療法なども大事だが、心理面のストレスを取り除くことも大きな治療法であることを理解しなければならない。

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