黒川順夫の心療内科    

心 療 内 科 と は

 立ちくらみがする。理由もなく冷や汗が出る。肩凝りがひどい。階段を上がると息切れがする。コーヒーを飲んだ後、脱力感を感じる。妙にトイレが近い。下痢をよくする。せきが出て仕方がない。目が疲れ、こめかみのあたりが痛む。手足の関節が痛む。夜眠れない・・・・。
 こうしたちょっとした体の不調を日常的に感じている人は多いと思うが、いかがだろうか。私が専門とする心療内科では、このような症状の原因にストレスなどの心理的な問題点があるとみている。

 これまでの医学では、身体的欠陥を精神面と切り離し、肉体的側面から治療に当たってきた。しかし人間は、肉体と精神を切り離すことはできず、お互いに影響しあっているものと心療内科では考え、様々な病気の諸症状の背景には心理的なものが横たわっているとみるのである。
現代医学の誤った考え方
心身医学的な考え方
 ストレスが引き起こす身体的不調。「心身症」というのがそれで、ストレス社会と言われる現代に急増している。
 普通、内科が扱う症状でも、その原因が心因性のものと思われる場合、生活環境や職場環境を変えると(ストレスを取り除くと)病気が治っていくのである。
 心療内科ではどのような病気を扱うのか、といえば、それは多種にわたっているが、実際問題として心身症として取り扱うことが特に重要な病気は次の通りである。

[疾患名]
 緊張性頭痛、自律神経失調症、バセドウ氏病、糖尿病、低血糖症候群、突発性浮腫(むくみ)、狭心症、高血圧、不整脈、気管支ぜんそく、じんましん、慢性関節リウマチ、筋痛症、食道けいれん(アカラージア)、胃十二指腸潰瘍、慢性胃炎、慢性すい炎、慢性肝炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群(便秘や下痢の繰り返し)、過換気症候群。

 これらの病気はふつう内科を中心に婦人科、小児科、皮膚科、整形外科などで扱われるものだが、身体的な治療のみではなかなか治らず、心理的側面からのアプローチが加えられることにより、治癒するケースが多いのである。
 体の不調を感じて病院に行き、この中に該当する病名を告げられた人も多いのではないか。
 また逆に、重い疾患にかかっているのに本人の自覚症状がなく(これを失体感症という)、病気でありながらこれを長らく放置してしまい、ある日突然、重い症状に陥るという場合もある。
 それでは、これらの病気が、実際どのようなケースで現れているのか、心療内科のカルテから具体的にみてみることにしよう。

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