04.04.銭湯で観察しよう ②

銭湯で人を見ていると、本当に身体というのは一つとして同じではないことがわかる。その中から共通項を見つけ出していくことも大事だし面白いのだが、まずはやはり関節という動きの装置、美の装置そのものを見てほしい。
腰に角度があるということも知ってほしいし、歩き方一つをとっても、膝の使い方や足首の曲げ方に無数のバリエーションが存在することを認識してほしい。

キレイな座り方

例えば、身体を洗っている人を観察してみよう。

腰かけに裸で座るその姿は、特に美醜の差がはっきりと出ている。
美しい人はまず腰の角度が違う。腰に角度があることを実感できるチャンスは日常生活ではあまりない。この先、私は「腰が立っている」とか「腰が寝ている」とか書くことがあると思うが、そのイメージは銭湯で人の身体を見ることで良くつかんでもらえると思う。

キレイな座り方をする人は腰を立てている。つまり地面に対してほぼ垂直に保っている。そして股関節を柔らかく曲げている。
逆に、美しく感じられない人は股関節が伸びていて、そのぶん腰を寝かしている。重心は微妙に後に下がり、それを補うように背中のカーブをきつくして上半身を前へ持ってきている。たまに腰を寝かしつつも、背骨のカーブをキレイに保つために腹筋で上半身を支えている人も見かけるが、多くの人はお腹に皺が寄って何となく苦しそうに見える。

私は少し前までこういう苦しい座り方をしていた。身体を洗い終わって立ちあがる頃にはお腹にスジが残るような座り方だ。腰を寝かせた座り方に慣れ過ぎていたので、意識的に腰を立てた座り方をすると、お尻の骨が座面に当たって痛い。
しかし、股関節をしっかり曲げれば膝の方に体重を預けることができるということを発見して以来、筆者の座り方は改善された。その方が身体に負担がないと実感できたのだ。座った状態では、重心は前方ぎみにあったほうが身体は安定する。

関節を曲げることで重心が移動するというのは重要な事実だ。

身体の使い方がうまい人は、関節によって重心をスムーズに移動させることができている。

重心の下に位置する股関節や膝、足首をそういう目で見てみてほしい。
これはキレイな立ち姿勢に注目するとおのずとわかることなのだが、安定感のある身のこなしをする人はしっかり足首や膝を使っている。 ブレの少ない人の動きを見ていると、振りかえったり、方向を変える直前に、自然とどちらか片方の足首を曲げてつま先に体重を乗せる瞬間がある。彼らはそこでバランスの崩れを吸収し、なめらかに重心の移動を行う準備をしているのだ。

次の章では、関節のもう一つの大事な働き、「回転」について述べようと思う。
関節は曲がることでラインを作り出しバランスを保っているが、さらに「回転」することで動きに方向性を持たせる。
キレイに関節を「回転」させることを意識できるようになれば、より豊かで自由度の高い身のこなしが可能になる

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