14.14.ひねってみよう

身体をひねるようにして回転させる動きは、軸を意識し、安定させるのに最適な動作だ。積極的に関節の動きを美しく見せることに重点を置いている読者には、ぜひとも実際に、自分なりの方法でやってみてもらい運動だ。
また、身体のキレを洗練させるヒントや腰に負担をかけない動き方についても気づくことが多い。

その理由は、「ひねり」が加えられた身体は、美醜の差がはっきりと出るからだ。自分の姿を鏡に映して見ていてもそれはわかる。注意深く行えばキレイに身体を回転させることができるし、手を抜けばすぐに醜い身体がそこに映る。だからこそ修正を行う甲斐と余地があり、行っていて本当に楽しい動作だ。

軸を意識する

さて、まずはただ、ラジオ体操にある動きと同じように、腕を大きく広げ、左右に身体をひねる。余分な力を抜き、腕を振り子のように使って、身体全体にひねりを加えていく。ねじると言った方が実感に近いかもしれない。 しばらくはその動きを続ける。

そしてその動きの中で、少しずつ上半身の美醜に対して意識を集中していく。前の章で「跳ねる」動きを行いながら、徐々に他の部分に意識を移していったのと同じことだ。
腰の角度を決め、背骨を伸ばし、肩に残っている余計な力をさらに抜く。

ひねる動きの中で美しい動きを保とうとすれば、自然と「軸」に意識がいくはずだ。前章ではバランスについて述べたが、ここでのテーマは「軸」だ。軸を安定させ、腰や背骨、肩、腕の動きからブレを少なくしていく。

基本的には、顔を常に鏡に向けたまま、首から下を動かす。特に気をつけなくても、自分の動きを見続けようとすれば顔は自然と正面を向いたままになるわけだが、「首と背骨の動き」「首と肩の動き」をはっきりと分けられることは大切だ。美しい身のこなしへの確実な一歩となりえる。分けて動かすことが大事なのだという意味ではなくて、あなたが自分の首と背骨・肩を分けて認識できることが大事なのだ。

そのときに、腰も動かさないようにすれば、身体は背骨の軸だけで動く。背骨を中心軸として肩と腕が大きく動く。首と腰の間で、胴体だけが動く。
腰も使って動くと、同時に膝や足首も使うことになるはずだ。

ポイントは、どこを使って身体をひねるのかをきちんと意識して、その動かす場所を徐々に変化させることだ。そしてその感覚の違いをしっかりと味わいながら、その変化に対応しながら、全身を美しく保つことだ。身体をひねる方法はいくらでもあるし、気をつけるべきことも無数にある。それを負担に感じず、楽しむ。そしてそれを日常生活の中で応用していく。

いろいろと試せることがあると思う。
たとえば、右へ身体をひねる力と、左へひねる力の大きさに差異をつけることも可能だ。
それから、瞬間的に一方向へ力を加えるだけでも、鞭のようにそのエネルギーが上へ、もしくは横へと伝わって「ひねる」動きが完了するのが感じられるはずだ。そのように瞬発的な動きを繰り返すことで、力の大きさの変化がそのまま動きの変化に繋がることを実感できる。コンマ数秒という時間の、たった一つの動きの中でさえ、筋肉を使っている状態と使っていない状態、つまり、緊張と弛緩の二つの状態があることがわかる。

最も筋肉に負担がなく楽なのは、おそらく背骨の軸だけを使って肩や胸を動かすことだが、腰と共に足首と膝を柔らかく使うと、よりスムーズに大きく、そしてキレイに身体が回転する。繊細な操作ができる。細かいニュアンスの違いが出せる。
足首と膝には大きな負担がかかるが、その分、腰から上の動きは自由度を増す。そのとき、足の動きの美醜にも気を使う。特に足首が伸びてつま先立ちになる瞬間、きちんとそこに体重が乗せられるようになると、あなたの身体はバランスが崩れにくくなる。普段の生活の中での動きが格段に楽になる。

スピードを操る

自分の動きのスピードを意識し実感できる良い方法の一つが、このひねりの運動の中にある。簡単な動作で、急激な速度変化を起すことができる。動きのスピードに意識がいくようになれば、さらに自分の動きのパリエーションが増えることになる。

それは本当に単純な動作だ。 身体をひねる動きを続けながら、おもむろに腕を身体に密着させるだけでいい。「気をつけ」の姿勢をとっても良いし、自分の胸を抱くようにしても良い。ぶんぶん振りまわしていた腕を、唐突に、ぴたっと胴体にくっつけるのだ。

すると、今までの動きに比べてびっくりするくらい小回りのきいた動きになるはずだ。筋肉にかかる負荷が消え、素早い方向転換が可能になる。自分の軸がはっきりと感じられ、思いのままにスピードを操ることができるような錯覚を覚える。 可能な限りスピードを上げ、その新しい「環境」に適応する。美しい姿勢を保ち続ける。
そしてまた、腕を広げる。身体全体に重くブレーキがかかる。その差を楽しむ。

普段の生活の中で、動きのスピードを変える必要なんてあるのだろうか? と思うかもしれない。
筆者はスピードに対する意識は非常に重要だと考えている。
なぜなら、身体の動きのスピードは、「感情」に強く結びつく要素だからだ。
人が喜んだり、怒ったりといった感情を表す時に、最も身体的に変化があるのがこの「スピード」だ。逆に言えば、スピードを変えるだけで、私たちの身体の表情はがらりと変わるということだ。緩急の変化にはそれだけのインパクトがある。

表情のある身体は魅力的だ。「打てば響く」という表現があるが、刻一刻と移り行く「今ここで」の状況、状態にふさわしい動きを見せられる身体はそれだけで美しい。 振りかえる時、ゆっくり振り向いた方がより適切な場面がある。てきぱきと動くべき状況もある。瞬間瞬間に身体の「スピード」を選択する余地はある。最初のうちは意識的にそれらの状況に合わせたスピードを選択し、自分を演出していけば良い。 そのうちに、きっと無意識にあなたの身体がスピードを選択するようになる。緩急をともなった生きた表情を浮かべるようになる。

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本間晶のショッピングコラム

■ バランス・ボール

身のこなしをキレイにできる健康器具を一つあげてくれといわれたら、まよわず「バランス・ボール」を推す。

これほど効果的に気分転換ができる道具はない。部屋にひとつこれを転がしておく。
テレビを見ながら、歯を磨きながら、気軽に座っていればいい。

何も考えなくても、身体が動き出す。身体が、自分のバランスを試し始める。それが面白いし、いつのまにか、意識が自分の内部に集中していくのがわかる。

私が使用しているのは直径65センチのもの。


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