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small guard SG Standard memo
Small Guard期のSG Standardについて、
気が付いたことをまとめました。

<<<ご注意>>>
製造年代は、シリアルナンバーとGibson社のBlue Bookをもとにしています。また、資料に使った画像は、撮影の角度やレンズの種類などがそれぞれ違うため、正確なカタチを表現できていません。ご参考にされる場合には十分考慮に入れてください。

parts

テールピース

Side Way Vibrato (1961) Short Vibrola with Pearl Inlaid Ebony (1963) Long Vibrola (1966) Bigsby Vibrato (1962)
Side Way Vibrato
(1961)
Short Vibrola
with Pearl Inlaid Ebony
(1963)
Long Vibrola
(1966)
Bigsby Vibrato
(1962)

SGには複数のトレモロユニットが採用されている。60年モデルまでのLes Paulではオプション扱いだったトレモロユニットが、その後継機であるSGで標準装備となったのは、Fenderのギターに影響されてのことだと容易に察しが付く。それがいくつかの変遷を辿るのは、どれも市場のニーズに対応しきれなかったようで、70年代に入って標準仕様から省かれる。何れにしても、このユニットによってギターの印象がずいぶん違ってくるのがまた面白いところではある。

Short Vibrola with Pearl Inlaid Ebony (196?) Bigsby Vibrato (1962) Stop Tailpiace (1966) Original?
Short Vibrola
with Pearl Inlaid Ebony
(196?)
Bigsby Vibrato
(1962)
Stop Tailpiace
(1966)
Original ?
    師匠によれば、日本国内で同仕様の61年モデルを目撃しているとか。シリアル、POTなどで61年であることは確認しているとのこと

さて、当初、トレモロにはSide Way Vibratoが採用されていた。これは細かな調整機能を持っており、SGではStandardとCustomに採用されていたほか、ES-355などの高級モデルにも使われていた。翌年の62年にはShort Vibrola仕様が登場するが、これはオプション扱いだったようで、Side Way Vibratoが標準のまま継続されている。さらに翌年の63年にはLong Vibrola仕様が加わり、様々な仕様が混在。64年になるとほぼLong Vibrolaに落ち着く。また、他の金属パーツと同様、ニッケルからクロームへとメッキが変更され始め、65年にはほぼ切り替わっているようだ。

なお、オプションとしてBigsbyが用意されており、搭載された個体は62年ころから確認できるようになる。また、Short VibrolaとBigsbyについては、取り付け位置がテールエンドに近いものも存在しているようだ。あと、これは資料のない目撃情報のみだが、トレモロレスのストップテールピース仕様も極少数存在したようだ。当然ながら、詳細は謎。

Long Vibrolaについて (協力:あちらの師匠)

Long Vibrolaはあくまで呼称であって品名ではない。Short、Longの両方ともに、当時のカタログには「Deluxe Vibrola」と載っているので、長短を区別する意味でここではそう呼ぶことにした。さて、あちらの師匠によれば、氏が購入した1964年カタログのパーツリストにDeluxe Vibrolaの価格表が載っており、そこには価格とともに型番(品番?)も載っていた。正式な名前を確認できなかっただけにちょっと驚き。ちなみに、あちらの師匠とは以前にも話していたのだが、現在Gibsonが発売している同様のトレモロは「Maestro Vibrola」と呼ばれている。Maestro Vibrolaと言うと、60年代ではSpecialやJuniorに用意されていたオプショントレモロで、同様のものがGretschなどでも使われている。

Deluxe Vibrola GV-75G $75 ゴールドロングタイプ
Deluxe Vibrola GV-55N $55 ニッケルロングタイプ
Deluxe Vibrola GV-19N $21.95 ニッケルショートタイプ
  $27.5 Maestro Vibrola

ブリッジ

ブラスサドルにワイヤーなしのABR-1 (1961) サムナットと接する面を削っているタイプ (1963) 山型のサムナットと底面は平らなままのABR-1 (1966)
ブラスサドルにワイヤーなしのABR-1
(1961)
サムナットと接する面を削っているタイプ
(1963)
山型のサムナットと底面は平らなままのABR-1
(1966)
各部のサイズ (mm) '61 '66
「ブリッジ側PU(エスカッション後端)」から
「1弦側サムナット先端」まで
約2.0 8.1 +約6.1
「指板エンド」から
「ブリッジの先端」まで *
160.0 164.0 +4.0
「指板エンド」から
「ネック側PU(エスカッションの先端)」まで
18.2 15.9 -2.3
「22フレットの山の頂点」から
「指板エンド」まで
9.4 7.5 -1.9
*3弦と4弦の間で計測

ブリッジはABR-1。当初はブラスサドルが使われていたが、早い時期にナイロンサドルのものに変更されている。また64年には、サドルを押さえるワイヤーが装着されるほか、他のメタルパーツ同様、ニッケルからクロームに順次変わっていく。

トレモロの採用にあたり、ABR-1には工夫が施されている。詳しい時期などは不明だが、63年のモデルではサムナットと接する部分を曲面に削ったタイプが使われているほか、逆にサムナットを山型にしたものも64年のFirebirdで確認している。

また、64年の途中からブリッジ側のPUとブリッジの間隔が徐々に広くなる。これについて、あちらの師匠宅で3本を比較してみたところ、61年モデルと63年モデルは、各部の寸法がほとんど同じ。まったく同じと言っても良いほどだ。ブリッジからボディエンドまでの長さは、3本ともほとんど同じ。ボディの形状も思ったほど違いはないこともわかった。なので、単純に66年モデルのブリッジは、61/63年モデルよりもボディエンド側に寄っているということになる。

PUの間隔はほとんど同じで、ネックとボディのジョイント位置もほとんど同じ。ということは、22フレットからネック側のPUまでの長さが短いことになる。そのためか、66年モデルの方が、カッタウェイのツノが長くなっているように見える。曲面が多く詳しい比較は不可能だったが、ボディ側ジョイント部の処理などが多少違っているようだ。

先の「ネックジョイント」の項でも触れているが、この時期のジョイント部はとにかく弱く、ネックが折れるというよりも、ボディ側が壊れてしまっているケースをよく見かける。そんな弱さを少しでもカバーするため、ボディ側の不要な突き出しを少なくしたのかもしれない。いずれにしても、3本を比較してなんとなくわかる程度の違いなので、強度その他には期待したほどの成果がなかったと思われる。登場してから毎年のように仕様変更が行われるこのころのSGだが、試行錯誤の果てには、モデルチェンジにあわせて新しいジョイント方法に変わっている。このころの仕様変更は、一般的には生産性の向上とされている。しかし、この程度の変更で工程、原材料の数量や、歩留まり等が著しく向上するとは考えにくい。それよりも、ボディの形状が変化していることを考えると、強度を向上させるために行った仕様変更なのかな、などとかんぐってしまう。

ピックアップ

当初は「Patent Applied For」ステッカー付きのハムバッカーが採用されているが、63年ころからパテントナンバー入りのステッカーが付いたものが順次採用されている。ステッカーが変わってもしばらくは同じ工程で作られるようで、中身は同じらしい。それが64年ころからは線材の変更などによって音が徐々に変化していくとか。さらに同年にはPUカバーのメッキがクロームに変更されはじめ、PUカバーのエッジが丸みを帯びてくる。特に理由があるわけではなく、単にプレスの際の型の磨耗によるものというのが一般的だとか。これらのPUはブラックのエスカッションを介してボディにマウントされていて、Bridge側は背の高いものが使われている。

ニッケルメッキ (1963) クロームメッキ (1966) Patent Applied For (PAF) (1961) ナンバード (1963)
ニッケルメッキ
(1963)
クロームメッキ
(1966)
Patent Applied For (PAF)
(1961)
ナンバード
(1963)
ステッカーの経緯に関しては間違った解釈をしていた。以下は修正していただいたあちらの師匠談。パテントは55年6月に申請が出され、57年7月に認可を受けています。ですから出願中のステッカーと実態には何等因果関係がないんですね。さらに63年にはナンバードとなりパテントナンバーが「2,737,842」と印字されていますが、このパテントナンバーは実は’52のLPに搭載されていたトラピーズ・ブリッジのもので、本来のPAF PUのパテントナンバーは「2,896,491」なんです…ナルホド!

 

コントロールまわり

トグルSWのチップはホワイトで、ブラックのプレートリングが付く。POT類のノブはリフレクター付きのトップハットタイプで色はブラック。後年になってソンブレロタイプも見掛けるが、簡単に交換可能なパーツなのでよくわからない。個人的には、Small Guard期では採用されていないように思う。

コントロールキャビティは必要最小限に削り込んだ雲形になっているが、65年ころからのNon-Reverse Firebirdなどと共通の大きなものになり、内部がブラス箔のようなものでシールドされるようになる。各種パーツは、CTSのPOTにSwitch CraftのセレクターSWとアウトプットジャックを使用。キャパシターはセラミックの0.022µFのものが付いている。シリーズを通してほとんど同じようだ。

パネルはシリーズを通じて黒の1P。キャビティの変更にあわせてパネルの形状も変更を受ける。61年から65年までは台形型。65年のキャビティ変更で曲線を多用した大きいものに変更される。この変更の後はほぼ同じ形でLarge Guardへと引き継がれるが、ネジが1本増え、ネジの位置も変更を受ける。

コントロールキャビティ (1961) バックパネル (1961) コントロールキャビティ (1966) バックパネル (1966)
(1961) (1966)

なお、このあたりの仕様変更もCustomとSpecialはStandardと同じ。一方のJuniorはパーツが少ないことから固有の小さなキャビティを使用ていた。Juniorだけが専用のボディ加工をされていたわけだが、他モデルが仕様変更を受けるにともない、他モデルと同じ大きなものに変更されている。ソリッドギターの需要増と、Firebirdの生産が本格化することなどがあり、生産性を向上させる必要があったものと思われる。

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