魂のエール 〜メキシコの青い空から、清水へ〜 

 東京千駄ヶ谷の、国立競技場の曇り空の向こうに、 メキシコの青い空が近づいているような気がします・・・。

 サッカー実況の第1人者として、多くのサッカーファンから押しも押されもせぬ評価を得ているNHKアナウンサー・山本浩氏。「メキシコの青い空〜」は、その名実況の中でも特に有名な一節ですね。私も大きなインパクトを受けました。
 ただイタズラに絶叫し、選手の名前ばかり鬱陶しいほど連呼し、おこがましくもトンチンカンな分析までして、視聴者ばかりか解説者まで「引かせ」、何が起こるか分からないスポーツ実況で「予め想定したシナリオ」の消化に必要以上に固執してしまう・・・。そんな愚挙にまみれた数多い民放の局アナたちとは一線を画す、的確で思慮深く公正でありながら愛情の籠もった実況は、視聴者に安心感さえ与えてくれます。
 ここでは特に、読み返すと「あの時」の光景がまざまざと甦り、胸が熱くなってしまうような、心に残った「名言集」をご紹介させていただきます。
とりあえず、記憶に新しい最近のものばかりですが・・・。

 2002年以降、局内の世代交代が進む中で解説委員と言う立場に代わり、めっきり実況の出番が減ってしまった山本さん。・・・せめて天皇杯の決勝戦と、代表戦のココ一番という時だけでも、山本さんの実況で見たいと心待ちにしていましたが、2009年3月をもって退職され、現在は法政大学スポーツ健康学部の教授を務めています。

 フリーの立場ならスカパーとかで(エスパルス戦だけでもw)実況してくれませんかねぇ・・・てか、スカパーさん、大至急オファー出して!・・・受信料を倍額払ってもいいから(笑)

 Talk about S-PULSE 

第78回天皇杯 決勝戦「清水エスパルス vs 横浜フリューゲルス」  (1999.01.01)

 いつもの空、いつもの風、そしていつもの芝。しかし空気だけは今年は違います。第78回天皇杯決勝戦。全国に共感を巻き起こしながら、今日を最後の横浜フリューゲルス。対する清水エスパルスは初めての決勝戦です。

 真っ青な空に北西の風5.9m、その冷たさが今日はしかし随分と人によっては暖かく感じるのではないでしょうか。大観衆で埋まりました。この声は恐らく全国のフリューゲルスを支える人達の元にも届いていると思います。一方のエスパルスは、初めてのこの大きな天皇杯を目指しています。

 このジャージで踏み入れる最後の国立の芝、初めての栄光の元日に駒を進めた清水エスパルス。

試合開始早々からペースを掴むも、エスパ決定機を逃す
 エスパルスペースで始まりました。安藤です。中はファビーニョ。沢登が待っているが、ホイッスルが鳴ってエスパルスボールのフリーキックです。試合開始最初のフリーキック、キッカーは沢登。 ヘディングで入った! 最後は伊東・・・長谷川です。長谷川のヘディングシュート。長谷川が抜けてフリーになってダイビング。

前半11分過ぎの波状攻撃から先取点
 安藤に抜けた。さぁ逆サイドに2人走り込んでくる。チャンスになる。ボールは・・・市川撃てませんでした。一旦下げます。伊東。中に4人待っているが、DFも帰っています。ファビーニョ、伊東。・・・安藤!・・・右足を振った。前に出て来た。キーパーは・・・良い判断でした。
 楢崎、足を痛めました。オフサイドはありませんでした。楢崎、ポジションに戻ります。様子を見ている岡田レフェリー。プレイは続けます。さぁ一旦切るのか? ・・・プレイは止めません。・・・安藤。・・・楢崎の側には様子を見るトレーナーがラインの外で待っていますが、プレイは続行です。・・・森岡、森岡出て来ました。DFの一番最後尾にいる選手、森岡。クロスボールが出る。伊東が先ほど左にいたのが今度は右、その伊東から、またクロスボール。左、ヘッドだぁ! 清水エスパルス先制! ・・・沢登のダイビングヘッド。・・・先ほどゲームを切っておかなかったのが良かったのかどうか・・・
 一旦、市川から外へ残して、これを伊東へ渡し、その伊東がまた今度は右サイドへ来てからのボール。大きく振られて・・・沢登の先制点です。まだ時間は14分を回ったばかり。

エンディング
 私達は忘れないでしょう。横浜フリューゲルスという、非常に強いチームがあったことを。東京国立競技場、空は今でもまだ、横浜フリューゲルスのブルーに染まっています。

'99.J1 2nd-stage.2nd.「清水エスパルス vs ジュビロ磐田」  (1999.08.14)

 夏の夜に激しく燃え上がろうとしているものがあります。ライバル意識という名の炎です。

'99.J1 2nd-stage.10th.「清水エスパルス vs ヴェルディ川崎」  (1999.09.23)

 遠くに「優勝」の2文字が小さく、小さく見えています。選手の意識は目の前のこの勝負です。しかし、彼方から吹いてくる優勝の風を感じている選手がいるはずです。Jリーグ第10節、中休みの前の最後のゲーム。台風の影響のない青空で、等々力競技場に川崎が清水を迎えました。

'99.J1 2nd-stage.14th.「清水エスパルス vs 横浜Fマリノス」  (1999.11.23)

 胸の高鳴りは聞こえています。はやる気持ちは抑えています。エスパルスには目の前に「優勝」の2文字が見えています。諦めの言葉はFマリノスにはありません。最後に笑うのは俺たちだ。その強い意志が横浜の選手の思いです。
 Jリーグ第2ステージ、決戦の日。初冬の曇り空をつんざくような、両チームのサポーターの声が響きました。横浜国際競技場、Jリーグの第2ステージは、あと試合は2つ。しかしこの大一番に、優勝がどちらのチームに向かって傾き、微笑みかけるのか・・・。

前半1分、アレックスの先制ゴール
 清水のDFラインは真ん中に戸田。若い世代の代表にも名を連ねています。(戸田から前線のアレックスにロングフィード)・・・アレックスが出ていきます。アレックス抜けてきた・・・シュート! アレックスの先制点!! ・・・まだエスパルスのサポーターの、最初の応援歌が終わっていない。瞬く間のエスパルスの先制点でした。

スティーブの大きな声が度々、アレックスや市川を連呼
 ペリマン監督はアレックスが無限に走り回れると思っている訳ではないですよね・・・。
 イチ、イチの声が聞こえますが、ポジションのことを言っているんではありませんで、向こうの市川のことを呼んでいる声です。

後半43分過ぎ、ゲーム終盤
 もう一つまだエスパルスには駒が残っています。それを時間を使うためにも、そしてここまで来たチームの戦いに貢献した人に対する気持ちの意味でも、投入してくる可能性があります。1人少ない横浜Fマリノス、攻める気持ちは十分残っている。残り時間があと1分を切った。
 長いボールで早く前に合わせて、そして、こぼれたボールを自分たちのものにしてシュートに繋げたいところでしょう。懸命に守るエスパルスです。

 サントス跳ぶ。市川。沢登。ファビーニョ前にいく。市川も上がる。市川に渡す。アレックス待っているが・・・オフサイドです。・・・早くキックする。急ぐ上野。・・・城を使う。ロスタイムに入った。ロスタイム3分間。シューティングレンジ、ヨビチェビッチ。ヨビチェビッチの技術を見ましょう。ヨビチェビッチ・・・ゴールラインを割った。このゴールキックはエスパルスに微笑んだ。

手に汗握る攻防のロスタイム
 ロスタイムの中3分間。この清水の選手の胸の中に優勝という気持ちは恐らくないと思います。勝つと言う文字しかないと思います。勝つことによって勝ち点3を取る。そのことが今最大の目標で、それに向かって突き進んでいる。・・・勝利の二つの文字が向こうから近付いてくる。時計は回ります。しかし、Fマリノスが最後の最後まで諦める筈はありません。ゴールキック、急ぐ川口。縦に送ります。ヨビチェビッチ。中で2人待っている。クロスを入れさせないアレックス。アレックス良く戦っている。アレックス、長いボールになる。時間を使う。川口出る。これも長いボールを送る。城が跳ぶ。ユ・サンチョル・・・サントスだ。神田が追う。いなした。大榎、サントス。ファビーニョが行きます。ファビーニョ行く。

 残り時間はあとロスタイムおよそ1分間。何にしても急がなければなりません、波戸。今日は良く戦っていた波戸。ヨビチェビッチ、サントス。アレックス。アレックスの縦のボール。秒針が動いていきます。清水に向かって動いていきます。沢登、波戸。落ち着いて組み立てる。放り込んだ。真田。何か時間を楽しむようにしてこの時刻瞬間を・・・ファビーニョ。そしてこの瞬間・・・清水エスパルス初優勝!! ・・・何年も何シーズンも待ちましたこの瞬間。・・・苦しい状況から這い上がって、戦って掴んだ初優勝です。・・・最後の瞬間まで、Fマリノスも全く諦める気配はありませんでした。

清水エスパルス、ステージ初優勝!
 93年、清水エスパルスは第2ステージで第2位。そして94年のシーズンも第1ステージで第2位。98年のシーズン、昨年の第1ステージも第2位。いずれも優勝には手が届きませんでした。しかし、苦難の末に掴んだ初めてのリーグのタイトル。多くのJリーグのチームと違って、全く1から生まれたクラブチームで、大変な苦労もあったと思います。

 サッカーの故郷、サッカーどころ。そうした自負が、ずっとこれまで優勝という結果に繋がって来ませんでした。カップ戦でこそ優勝の経験はありますが、リーグを獲って初めて真のサッカーの王者たり得る。そんな気持ちが胸の中に、小さな炎として長い間燃え続けていたに違いありません。

'99.J-Championship 2nd.leg.「清水エスパルス vs ジュビロ磐田」  (1999.12.11)

 空気は凛としています。日本平の冷気を吹き払うのは、オレンジの熱狂、ブルーの声援。2万人を超える人々の、心の叫びが渦を巻いています。優勝杯の行方を巡って、王国の、王者を決める戦い。チャンピオンシップの第2戦です。ホームで第1戦、Vゴールで勝ったジュビロ磐田。90分でこの試合を獲れば自分たちのもの。それぞれが王座に向かって自信を漲らせています。

第80回天皇杯 決勝戦「清水エスパルス vs 鹿島アントラーズ」  (2001.01.01)

 夢の実現。小さな目標を積み重ねた時の彼方に、それぞれの夢があります。 元日の主人公は、世紀をユニフォーム姿で跨いだ幸せな男たち。青空の下、21世紀最初のサッカーの大勝負。天皇杯決勝戦です。

 風が吹いています。左から右に、やや強い風が吹いています。新しい時代を運んでくる風が吹いています。そこにはサポーターの熱気が渦巻いています。三冠を祈るアントラーズの熱気、初優勝を願うエスパルスの熱気です。

 胸を震わせるようにして、選手たちが今、ピッチを前にしています。鹿島アントラーズと清水エスパルスの選手。過去、この天皇杯のタイトルを手にしている鹿島アントラーズ。2年前に決勝戦で、最後の試合となった横浜フリューゲルスの前に敗れた、あの思いがまだ選手たちの間に残っているでしょう、清水エスパルス。

悪夢の失点の後、気落ちせず猛攻を仕掛け、カウンターを浴びながらもロスタイムに同点!
 カバーに入ったサントス。少し熱くなっているか、エスパルス。完全に裏を取られる形になりましたが、良くサントス、戻ってきました。ロスタイムの攻防続いている。オリバに渡す。シュートする。これが入った、同点。清水エスパルス追い付いた。
 一本のロングパスで同点に追い付きました。何という試合展開でしょうか。 前に行く気持ちを前面に出していたオリバ。そのオリバのボールコントロール、長い足を生かして、同点に追いつきました。サントスから1本のパス。

スタジアムのどよめきも収まらぬ内に前半終了
 ここで今、笛が吹かれました。1対1の同点で、ドラマは2転3転してハーフタイム。何か思わぬ時間の流れが、ゲームの綾を作っていった感があります。

再三の疑惑のゴールにもめげず、驚異の粘りで奇跡の同点!
 アレックス。アレックスが入り込む。アレックスが入り込むが、ちょっと流れた。自分でカバーにいった。外を使った。市川がフリーになっている。シュートだぁー。こぼれ球、押し込んだ。同点、同点。エスパルス追い付いた。 ・・・アレックスの頑張りから市川のクロスボール。最後怒濤のように入っていきました。21世紀のサッカーは一朝一夕には終わりません。
 今のシーンです。最後の最後まで良く詰めていきました伊東。

全ての緊張を打ち砕くような、劇的なVゴールで試合終了
 この天皇杯では準決勝まで失点わずかに1。非常に堅い守備と、そして両サイドの攻撃的なサッカーが、サッカーの魅力を存分に味あわせてくれました。

 監督が途中で交替して、色々なことを乗り越えながらここまでやってきた。特に、代表の選手もいてチームのコンディションも整わない、或いはサウジアラビアにも行った。色々な条件の中で非常に立派でした。

 取られて、そして追い付いて、また取られて、そして追い付いた。結局敗れこそしましたが、清水エスパルスの素晴らしいサッカーは、多くのサッカー少年たちの、静岡のサッカー少年たちの胸に強く印象として残るのではないでしょうか。

'01.J1 1st-stage.12th.「清水エスパルス vs ジェフユナイテッド市原」  (2001.06.23)

 おのが道を往く。一つずつ確実に、眼前の試合に集中する。これこそが今の両チームに残された戦い方です。2位と3位の対決、3位のジェフ市原が、2位の清水エスパルスを市原臨海競技場に迎えました。

'01.J1 2nd-stage.4th.「清水エスパルス vs 横浜Fマリノス」 (2001.09.08)

 清水は、もたついたスタート。横浜は三連勝。やや対照的な出だしになりました。清水は流れを取り戻せるのか。横浜は掴んだ流れを繋げられるのか。シーズン前半の注目のカードになりました。日本平スタジアムには、やや冷たい強い風が吹き始めています。右から左への強い風です。

前半開始早々、アレックスのミスパスから守勢に回る
 城・・・アレックスが来た。責任感のプレイ。そして田中(隼磨)です。対応に入ったのは戸田です。・・・中村。後ろからアレックス。(中村がドリブルでペナルティエリアに迫る)中村が来ます。中村まだ行く。田中が行った。(戸田が田中を倒す)これには笛。この試合のレフェリーは岡田正義さん。この悪いピッチでもドリブルをして、相手のファウルいつでもいらっしゃいって、そんな風にも見えるんですが・・・。

前半17分、ノボリの先制ゴール
 (久保山が倒されFK)相当に厳しい攻防ですが、ここは久保山がアレックスのサポートにも回っています。清水の選手も前線の2人(久保山&横山)は運動量豊富・・・
 フリーキックはアレックス。向かい風です。前線はボールに近い方から久保山、横山、沢登、そして斉藤。(蹴った瞬間、解説の柱谷氏から「おぉっと!」の声、ノホリが飛び込んでヘッド)・・沢登ー!!・・・逆を取られました横浜、清水先制点。逆を取られたのは川口(能活)だけではありません。解説の柱谷さんも逆を取られた。
 清水が序盤から攻め気を強めていって、それがセットプレイからの得点に繋がりました。これで横浜にとって厄介なのは、点を取ったのがベテランの沢登だということ。

前半40分過ぎ、両チームの激しい攻防
 ロスタイムは目安2分間。・・・何か後半の試合終了前の興奮度みたいな状態になっていますが・・・まだ前半。この状態で、残り時間の中で同点になるかどうかというのは、横浜の疲労度に係るでしょう。

前半終了直前、ゴール正面からFKのチャンス
 清水のチャンス。正面、ボールを置いたのはアレックス。・・・後ろに沢登。今度はどうですか? 「(柱谷)うーん。今度もアレックスの・・・角度的にはアレックスの方が良いと思うんですけどね。(直後にノボリが蹴るが、これは川口がキャッチ)・・・うーん。」
 沢登だぁーっ!! ・・・いやぁ、なかなか演技も上手くなりました。(柱谷、苦笑)・・・ここで笛が鳴った。前半45分終了、ホーム清水1対0。取り返しに来た横浜に同点ゴールは許しませんでした。いやぁ面白い見応えのあるゲームでしたね。・・・序盤からそれこそゴールに対する気持ちが前面に出ていましたが、しかも展開が早かった。・・・そして選手のポジションチェンジも非常にふんだんで、それからカバーのための運動量も豊富。

第81回天皇杯 決勝戦「清水エスパルス vs セレッソ大阪」  (2002.01.01)

 ワールドカップイヤーが幕を開けました。新しいカレンダーに印す初めての試合。 名誉、自尊心、達成感。サッカーのもたらす栄光が、この一戦に凝縮されています。天皇杯決勝戦です。清水エスパルス対セレッソ大阪、勝利に貪欲なチームに栄冠が渡るはずです。

 「遂に」なのか「もう」なのか、それとも「やっと」なのか。思いそれぞれでしょうが、その時がやってきました。J2で戦う前に大きなタイトルを狙っているセレッソ大阪、三度目の正直を願う清水エスパルス。チーム力を挙げての一戦となりました。国立競技場は穏やかに晴れています。

前半を1−0で折り返して
 これほどチームが様変わりすることがあるのでしょうか。たった1つのプレイで変わってしまいました。こうした事はサッカーの勝負の中では珍しい事ではありません。

試合終了間際、大久保を黒河が倒し、PKの場面
 大変なことになりました。清水エスパルスにとっては大変なことになりました。しかしまだ、ゴールは決まった訳ではありません。ペナルティキックが与えられるという判断が行われたまで。

PKが決まり、2−2とゲームは振り出しに・・・
 まだ終わっていない。同点に追い付いただけ。清水にも終わりの笛は鳴っていない。セレッソもまだ勝った訳ではありません。2対2の同点。

ロスタイムが過ぎ、延長戦に突入
 厳しい勝負の90分間、追い付いたセレッソが勢いを残しながら、結局、笛の前に一旦、水が入りました。2対2の同点。
 2002年の1月1日の決勝戦は、昨年に続いて延長戦に入りました。こんな言い方が出来るかどうか分かりませんが、清水エスパルスの手の中には、もう天皇杯が入っていた感じの時間帯がありました。

 天皇杯の決勝戦は、延長戦に入りました。2対2で、やや苦しい中で5分間の休憩を取った清水エスパルス。一方、追う立場で、俄然気持ちが前に来てるでしょう。セレッソ大阪。

CKのチャンスで、今日ほとんど蹴らなかったアレックスがボールに向かう
 延長戦はVゴール方式です。1つのセットプレイが、90分の中とは重みが違います。三都主が蹴ります。

中盤でボールを奪ったアレックスから、バロンの決勝点へ
 三都主が抜けてくる。田坂が身体を入れてくる。三都主が抜ける。クロスを上げる。バロンのシュート。入ったのか、入った。入った、入った。清水エスパルス、Vゴール勝ち。去年に続いての決勝戦で、清水にとっては三度目の決勝戦で、ようやく天皇杯を手にしました。
 厳しい戦いでした。最後の最後まで押していたのはセレッソ大阪。ほんの一瞬の隙を突いて、三都主からのボール。そして、こぼれ球に対しても諦めなかったバロン。今この瞬間に、天皇杯の栄冠は、清水エスパルスの頭上に輝きました。

勝利の興奮も醒めやらず歓喜にはしゃぐ選手たち
 勝った選手は、なんと素晴らしい顔をするんでしょう。去年のこともあったでしょう。そして、かつての、フリューゲルスとの戦いで敗れた記憶を持っている選手も少なくありません。そんな中で勝ち取った天皇杯。かたや2002年のシーズンは、J1からJ2に場所を変えて、厳しい戦いをしなければならないセレッソ大阪。

 タイトルの経験がない訳ではありません。しかし長い間清水には、ナンバーワンを取れないチームではないか。そんな疑念を自らの中に持つ時間がありました。その清水と激戦を演じ、一時はセレッソが優勝しそうな、そんなニュアンスまで感じさせた今日の試合でした。

堂々と胸を張り表彰台に上っていく選手たち
 2002年、ワールドカップイヤーの天皇杯のタイトルは、長く待ち焦がれていた清水エスパルスの手に。国立競技場は、清水エスパルスの天皇杯獲得を祝福する声で、祝う拍手で包まれています。独り清水のサポーター席から響くばかりではありません。セレッソの応援席からも大きな拍手が寄せられました。

 選手達の胸には、ワールドカップイヤーをいいサッカーで勝ち抜いた、2001年をいい形で締め括ったという思いがあるに違いありません。今年が素晴らしいサッカーの年になりますように・・・。

 about JAPAN National Team 

アトランタ五輪アジア最終予選 準決勝「日本代表 vs サウジアラビア代表」  (1996.03.24)

1点差に詰め寄られ、残り10分を切って尚も押し込まれる中、前園が激しく手を叩いて檄を飛ばす
 前園が声を掛ける。ニッポンに声を掛ける前園。

灼熱の死闘を制して28年ぶりの本大会出場を果たす
 今、鳴った! 笛、笛です。笛です!
 実にサッカーを始めた子供が大人になって、また子供を産んで・・・28年と言うのは、それだけ長い年月でした。
 何か、あの・・・日本中のテレビを見て下さっている方々と、1人ずつ握手をして回りたい気分ですね。

アトランタ五輪アジア最終予選 決勝「日本代表 vs 韓国代表」  (1996.03.26)

 この夏のアトランタの太陽が、日本代表の新しい炎のジャージにどれほど眩く映える事でしょうか。 オリンピック出場を決めた若人たちが今夢見ているのは、あの遠いアメリカ大陸ではありません。 今、目前にあるアジア最強の座を、名誉を賭けた戦いです。立ちはだかるのはライバル・韓国。

 16人ずつの登録メンバー32人を迎えるのは、アジア最強のチームを求める大観衆です。 前園の顔が締まっています。いつも通りの伊東の顔、そして川口は、色々なものが胸の中を去来するでしょう。

城の同点ゴールも空しくチェ・ヨンスのPKで突き放され敗戦
 ここは決勝戦ではありました。しかしもう既に他の舞台が用意されている。
 心の疲れ、体の疲れを十分に癒して、また一旦Jリーグに戻って、 そしてこの思いを胸に残して次なるアメリカ大陸へ、日本のサッカーが変わった事を改めて、 地球の反対側で見せてもらいたいと思います。

W杯フランス大会 アジア最終予選「日本代表 vs ウズベキスタン代表」  (1997.09.07)

 あれから4年の歳月が流れました。胸に宿るものが、今また、この瞬間に燃え上がろうとしています。国立競技場に吹いているのは、西からの湿り気を含んだ風。遥かにフランスを想いながら、長い戦いの始まりです。

W杯フランス大会 アジア最終予選「日本代表 vs 韓国代表」  (1997.11.01)

 ソウルの街は 秋の静けさの中です。ただ蚕室のスタジアムの空にだけ、 7万人の大歓声が波打ちながら吸い込まれています。ワールドカップアジア最終予選、韓国はいま日本を待ち受けています。
 日本は引き分けという長いトンネルに入ったまま走り続けています。しかし、このトンネルには必ず明るい出口があると信じて戦わなければなりません。いつもの柔らかいサッカーで、激しく戦ってくれるはずです。

W杯フランス大会 アジア最終予選「日本代表 vs カザフスタン代表」  (1997.11.08)

 日本は幾たびか蜃気楼を見てきました。フランスの影が現れては消え、消えては現れる日々でした。今、しかし、フランスの姿をはっきりと捉える日を迎えています。勝たなければならない試合相手は、カザフスタンです。
 国立競技場はいつになく穏やかな雰囲気です。韓国に勝って、自分の手でフランスへの前向きの道を歩み始めた日本を、そのまま青いサポーター達が体現してくれています。日本はこの試合に勝つこと、勝ってもまだ第3代表決定戦のために、16日にAグループの2位と対戦しなければ、フランスへ道は開かれません。しかし日本には今日、勝つ自信が満ち満ちています。

W杯フランス大会 アジア第3代表決定戦「日本代表 vs イラン代表」  (1997.11.16)

 スコールに洗われたジョホールバルのピッチの上に、フランスへの扉を開ける一本の鍵が隠されています。ラルキンスタジアムのこの芝の上で、日本代表はその鍵を必ず見つけてくれるはずです。

 フランスのために、すべての選手が一丸となって、そして、ここにいる選手だけではありません。Jリーグで戦っている選手すべてが胸の中に同じユニホームを着ています。

 このピッチの上、円陣を組んで、今、散った日本代表は、私たちにとっては「彼ら」ではありません。これは、私たちそのものです。

 頭抱えました、岡田監督! べらぼうに大きな板が、この日本がフランスへ向かう前のゴールには立ちはだかっているようにも見えます。

 最後は岡野、この時を待っていました日本。とうとうやりました!  長かった道のりでした。最後は岡野でした。延長後半13分、日本3対2!  29番目のワールドカップ出場国。日本にとっては待っていた、初めての出場です!

 多難な道のりでした、日本代表。日本のジャージを初めて着た日本代表から数えて、40年以上の月日がたちました。遠く日本、マレーシア、シンガポール、そして近隣アジアの国々から駆けつけた日本のサポーター、その前で劇的なフランス出場を勝ちとりました。

ワールドカップ・フランス98 「日本代表 vs アルゼンチン代表」  (1998.06.14)

 声は届いています。はるか東の方から何百万、何千万もの思いが大きな塊になって聞こえてくるようです。遠かった道のりでした。本当に遠かった道のりでした。日本の、世界の舞台に始めて登場するその相手はアルゼンチン。世界が注目するカードです。

ワールドカップ・フランス98 「日本代表 vs ジャマイカ代表」  (1998.06.26)

 振り返らずに歩く道です。スタンドに波打つ音が聞こえてきます。芝の匂いがしてきます。 そこに広がるのは、私たちの20世紀を締めくくる戦場です。リヨン・ジェルラン競技場。
日本はここで終わるのではありません。 自分たちの明日に、私たちの2002年につなぐ90分間にしなければなりません。
ワールドカップ第3戦、日本対ジャマイカ。勝つために戦います。

ワールドユース・ナイジェリア99 決勝戦「日本代表 vs スペイン代表」  (1999.04.24)

 蒔いた種が花を開こうとしています。それは、18本の色とりどりの花です。Jリーグが始まって7年目。今、その成果が若い世代の檜舞台で鮮やかに咲こうとしています。

 選手が手にしていた花・・・ 小さな花ですが、立派に咲かせた花でした。

シドニーオリンピック 予選リーグ第2戦「日本代表 vs スロバキア代表」  (2000.09.17)

 勝つべき試合に勝つ。勝てる試合に勝つ。決勝トーナメントを目指す日本が考えているのは、この一戦での確とした勝利です。
 キャンベラのブルーススタジアム。日本にとっての第2戦も、日の丸を持つサポーターが目立つこのスタジアム。日本にとって、ホームスタジアムにも似た心強い環境です。対戦相手はスロバキア。

シドニーオリンピック決勝トーナメント  準々決勝戦「日本代表 vs アメリカ代表」  (2000.09.23)

 予選リーグという分厚い雲を突き抜けてやって来たのは、今の私たちにとって未知のゾーン、決勝トーナメントです。そこは、勝つと負けるしかない世界です。
 栄光を手にするためにくぐるべき最初の関門に立ちはだかるのはアメリカです。アデレードのハインドマーシュスタジアム、少し強い風が左から右に吹いています。

ペナルティエリア近くで柳沢が倒されたシーン
 日本にとって、FKは1つの小さなプレゼント。

中澤のミスからピンチを招いたシーン
 1つのミスが相手の得点に結び付きかねないのが世界の最高峰です。オリンピックは23歳以下をベースとしていますので、最高峰と言うより、これから先伸びてくる選手たちが中心人物ですが、それでも決勝トーナメントのその重さというものは、どのチームも良く知り尽くしています。

日韓W杯を振り返る特集番組でのコメント

 日本代表が世界に近付いたかという問いがあります。
 確かに近付きました。しかし、それ以上に、私たちを世界に近付けてくれたのです。

アジアカップ2004 決勝戦「日本代表 vs 中国代表」  (2004.08.07)

ナビゲーターとして、生中継番組の冒頭に
 幾多のピンチは脱する為にありました。息飲むほどの窮地は切り抜ける為にありました。その度に膨らんでいった信頼と自信。アウェイの戦いを前に、堂々と臨むアジアカップ決勝戦。日本サッカーの昨日を明日に繋ぐ戦いです。

ワールドカップ南アフリカ大会・アジア最終予選「日本代表 vs バーレーン代表」 (2009.03.28)

試合終了直後の特番オープニング
 勝利を祝う歓声には喜びの声が混じっています。 どれほどホームでの勝利を待ち望んでいた事でしょうか?
勝ち点3は南アフリカに向かう大きな大きな1歩です。 ・・・埼玉スタジアムは何かゆとりのある歓声に包まれています。

 about J-LEAGUE 

'93.J-League.1st-stage.1st.「ヴェルディ川崎 vs 横浜マリノス」  (1993.05.15)

 声は大地から沸き上がっています。新しい時代の到来を求める声です。すべての人を魅了する夢、Jリーグ。夢を紡ぐ男たちは揃いました。今、そこに、開幕の足音が聞こえます。 1993年5月15日。ヴェルディ川崎 対 横浜マリノス。宿命の対決で幕は上がりました。

J-LEAGUE AWARDS 2011 開会の導入モノローグ  (2011.12.12)

 今シーズンも手に汗握る優勝争いが最終節までもつれ込み、全国の人達が1つ1つのシーンに大きく胸揺さぶられた事でしょう。戦いを終えた選手は今、胸の鼓動の高鳴りが少し収まるのを感じながら、この晴れやかなステージに歩みを進めようとしています。2011 Jリーグアウォーズ、選手入場です。

 2011シーズンJ1優勝の栄冠を掴んだのは柏レイソルです。J1復帰初年度の今シーズン、ネルシーニョ監督を中心に選手一丸となって臨んだリーグ戦。序盤から粘り強く勝ち点を重ねて僅差の首位で迎えた最終節、勝てば優勝の柏レイソル。2位名古屋、3位ガンバ大阪からの、逆転の強烈なプレッシャーの中で迎えた、真っ赤に染まったアウェイでの大一番。柏の選手達の初優勝への熱き想いはアウェイのスタジアムに駆け付けた黄色いサポーター席を何度も沸かせました。J1リーグ初優勝、そしてJリーグ初のJ1昇格初年度優勝という歴史に残る栄冠を、柏レイソルが見事に勝ち取りました。

 意志を継ぐ者   期待の星(なんだけど…) 町田 右

'01.J-League.2nd-stage.1st.「清水エスパルス vs ジュビロ磐田」  (2001.09.01)

 ジュビロ磐田、清水エスパルス、リーグ戦20回目の対決を迎えました。舞台は、サッカー王国の新しい殿堂、静岡スタジアムです。
 ジュビロ磐田は、第1ステージの優勝。リーグ初の完全優勝への野心を抱いています。清水エスパルス、4位で終えた1stステージ。ただ一つ、ジュビロを下したチームです。2年ぶりのステージ優勝に照準を絞っています。
 サッカー王国静岡を二分する両チーム。独特の緊張関係からくる熱い戦いは、新しい世紀も続いています。リーグの覇権をかつて競い、アジアでのタイトルもそれぞれが手にしました。その両チームの選手が、静岡スタジアム・エコパのピッチに入ってきました。

'03.J-League.1st-stage.1st.「名古屋グランパス vs 清水エスパルス」  (2001.09.01)

 新しい幕が開きます。11年目のJリーグ、J1の開幕戦。新しいチームで迎える開幕の思い。去年の借りを返そうという思い。漲るもの、溢れ出てくるもの、それぞれです。様々な思いが交錯するこのピッチ、また新しい歴史を刻んでいきます。
 2003年、J11年目の開幕ゲーム、名古屋グランパスエイトと清水エスパルス。昨シーズンは共に不本意な結果。今シーズン、巻き返しを図る両チームです。名古屋市の瑞穂競技場、夕方から降っていた雨は上がりました。

アテネ五輪アジア最終予選 「U-23日本代表 vs U-23レバノン代表」  (2004.03.16)

 力を出す時です。奮い立つ時です。 舞台はいよいよ国立、アテネに向かう日本。
 日本ラウンドの2戦目、レバノン戦。 青に揺れる東京・国立競技場です。

アテネ五輪アジア最終予選 「U-23日本代表 vs U-23UAE代表」  (2004.03.18)

 思いは一つです。 約束の場所、アテネへ。
 国立は、アテネへの熱い思いがうねりとなって、雨音を掻き消しています。
 己の力を信じ、大いなる誇りを持って、長く語られるであろう夜が始まります。 最後の90分です。

   

YASUYUKIさんのページ
蹴球倶楽部トップページ