第9回 究極の携帯電話


 先日、とある雑誌で大変興味深い記事を読んだので、全文引用する。


究極の携帯情報端末を開発

 NTTドコモは、携帯電話機メーカー各社との共同で、新たな携帯電話端末を開発したと発表した。従来の携帯電話とはまったく開発コンセプトを異にする今回の新機種は、外見こそ携帯電話であるものの、まったく新しい画期的な携帯情報端末といえるかもしれない。また、日本の携帯電話としては、初めて軍事用技術を積極的に民生用に転用したものとして注目されている。
 人工衛星を利用したGPS(地理情報測位システム)機能やインターネット接続機能を内蔵するのはもちろんのこと、OSにウインドウズ2001を導入し、独自規格の1ギガバイト超小型ハードディスクを備える。外部記憶媒体にはスマートメディアを用い、各種設定やデータの保存も容易である。2.2インチの画面には1028ドット×768ドットの超々高精細表示が可能な液晶ディスプレイを装備し(拡大鏡別売)、最新のブラウザがいずれも使えることとあわせて、WEBブラウジングや音声、動画の再生も自在にできるようになっている。また、内臓の36ミリ平方の極小サウンドボードは、着信音では24音同時再生、またWEBラジオのサラウンド再生を可能にする(4チャンネルスピーカー別売)。驚くべきはダイヤル部分のカバーを開いたときに現れるキーボードである。1.2ミリピッチの日本語109フルキーボードを装備し、タッチタイピングが可能とうたわれている。事実、15日の製品発表会では、十本の指に純正スタイラスニードル(別売)を装着した男性が毎分300タッチのタイピングを披露して見せた。この男性は、この技術を身につけるのにのべ8000時間を要したというが、1.2ミリピッチのキーボードでも十分実用に耐えることを実証して見せた。
 裏面には22万画素のデジタルカメラとナイフ、栓抜き、缶切り、ワインオープナー、各種ドライバーを装備し、2センチ角のメモ帳と全長4センチのボールペンも使えるようになっている。
 これだけの高機能でも136グラムの軽量に抑えたことは、日本の技術力の高さを世界に示しえたものといえよう。
 しかしながら、今回の携帯端末の機能を十分に生かすための電池の開発が間に合わず、リチウム充電池(別売)が8kgを超えたことは非常に残念である。NTTドコモはこの批判を受け、3月22日の発売開始には重量を3kgに抑えた長さ200メートルもの超軽量AC電源コードを同梱することにした。
 これについて池谷開発本部長は、「あくまでも携帯性を重視しました。街へ持ち出せないようでは携帯端末とは言えませんから。少なくとも都市部ならどこにでもコンセントはありますし、200メートルも歩けば次のコンセントも容易に見つかるでしょう」とのコメントを発表している。
 NTTドコモは高速道路での使用も視野に入れて、日本中の高速道路に200メートルごとのACコンセントの設置を国に要望している。郵政省ならびに建設省はこの要望に難色を示し、設備投資に要する予算と、200メートルというコードの長さを理由に、コンセントの設置を360メートルごとにする意向である。

(02/22/2000 up)


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