二段組
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● 
風の別れ。
地の別れ。

あざは影舞う、
母系の水戸(みなと)に……

美しい、かなしい、
美しい、かなしい、剥製の鳥の目で……

鳴いているもの。
鳴いているもの。
鳴いているもの。

青いガラスの樹々の冷気に身を切り、
きりたつ捨て身の意志を鋭くさせて。

仮死を装う水のように。
支えのない空を映す鏡のように。

どこにもいけないことの、
まばゆい光が、
方々、方々に、
波を、
切り……

● 
取り残された、
火。
打ちしぶく、
吃語の海。
吹きなびいた、
泥臭いエロスの髪の。
つまりは、
抱きしめる、
ひかる、
一個の、
白い石。

透けた思念が武装する。
   透けた思念が武装する。
   透けた思念が武装する。

   寄る辺ない少女のたましいが、
   武装する。

   ● 
   あざは影舞う、
   母系の水戸(みなと)に……

   「まあるく吊られたうす青い肉の、
   闇、鳴り」

   言葉が、
   カチリと、
   〈シ〉を、
   装填する。

   ● 
   星の、消えかかる
   美しい、美しい、あさに……

   (ソウナルヨウニ)
   (ソウナルヨウニ)
   白装束の霧となり、草となり、
   迷彩色の、
   影が
   動く。
 言葉がカチリと〈シ〉を装填する

  詩誌「部分」29号 2005年12月