未明
あるいは かわらけ
星のかたちをまねて
かわらけの中に棲息する
火、竹笹のすれる音も身近に
いつも予感のように生まれているのは
何?
世界から逃れるために
世界を呼びよせ
どこまでも幻像の中で
回転するもの ポリプのように
浮遊するもの
かわらけ
その遠い声と声の呼びあう
小さな宇宙のからまる
曲面にそって
ながあい橋があり
〈ワタゼ〉
という川の 水色の水の記憶が流れる
ふくらみ はじける
かわらけ
かわらけの中の河原
ゆるやかな気配に充ちて
うす青いひかりに濡れる河原の石は
すてられた無数の嬰児のよう
どこまでも死と戯れる都市のよう
濃いみどりの水ごもりで
首を浮かべ
生まれない妹の目が
みつめる
笑う
かわらけ

  ブリリアント 未明あるいは、かわらけ
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註・水ごもり=淵のこと