草木が去って、
       写真にとられた家の、
あけはなたれた表座敷に、まばゆく、
                   渦巻いている、
(ウズマイテイル 魂ノヨウナ
                電光ノユラギ二)

いまはじっとざわめきを消している
庭、仮面のような笑みを残して……

(カメンノヨウナエミヲノコシテ
                カエッテイッタ ヒトノ影)
通りぬける、
      境界からは、
           声もなく。
明滅する雨戸に、
         写真にとられたひとびとの、
                       顔ばかりが、
                             ゆれ、ゆれて。
(ユレユレテ
       イベ カナシ)
〈あま〉という文字を、
           迷いつづける、
                  水の機械の。

作動する月は、うすい皮膜のような、帰還を
くりかえし……

 

ブリリアント草木が去って、
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註・ イベ(ガナシ)=古い共同墓のなごりともいわれる、土地神の常在する聖処、また土地神自身の呼び名。