□ 漫然映画 □

!注!
ネタバレ上等!なページです。
独断と偏見に満ちています。
お気をつけ下さい。


風の谷のナウシカ
スターウォーズ エピソードV
Mr.インクレディブル
オペラ座の怪人
一つの愛 一つの人生
私と分かち合うと言ってほしい
パリ・オペラ座の地下に潜む「ファントム」は美しいダンサー「クリスティーヌ」に音楽を教える。クリスティーヌはファントムを「パパが送ってくれると約束した音楽の天使」と崇め、音楽を学び歌姫へ変貌を遂げる。その時、オペラ座のパトロンに「ラウル」が就任する。ラウルはクリスティーヌの幼馴染で美しい歌姫に成長したクリスティーヌに惹かれる・・・という話。

原作は小説なのに、限りなく「アンドリューウェバーの作品」と思われている「オペラ座の怪人」がいよいよ映画化。四季のオペラ座フリークとしては行かずばなるまい。宣伝で散々流されてたオーヴァーチェアーもステキだし。

うぉーーー、何だこのオーヴァーチェアー!すごい!かっちょええ!この豪華絢爛の、でもどこか病んだ様な雰囲気、退廃的な美しさ。
そして出てきました、クリスティーヌ!クリスもラウルも歌に問題なし。ちょっと心配してたんだけどね。でもね、クリス、口の半開きは止めなさい、頭悪そうだよ と見てると真打・ファントム登場!おーう、ロック調ファントム様だ!若いぜノリノリだぜ。もーう、ファントムが登場してからクリスは口半開きのまま。だから頭悪そうだから(略)

前編通してミュージカル。苦手な人には辛い映画です。しかも訳が。いやいやいや、それは無いだろ、とか。「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」ってカタカナで訳すなよ。とか。英語自体は複雑なものではないのでゆっくり見るなら字幕無しでもイケると考えるのは恐ろしい誤解か。

アンドリューウェバーの長年の夢だったんだろう本作品。舞台では演出しきれないところを映画で見せようとしたんだね。でもね、困ったことに私には内容が舞台より薄く感じられちゃったんだな。音楽で紛らわせてるというか。人物表現が浅いからクリスは尻軽フラフラ女に見えちゃうし、ファントムには悲哀が感じられない、ラウルに至っては何がいいのか。アメリカで人気なかったのも頷けるわ。日本ではある種、別格だからね、この作品は。
でも私、2回観ちゃいました。オーヴァーチェアーとドン・ファンの勝利を見たいが為に。ドン・ファンの勝利は時代と合ってないぞー(妙に現代的)、とか「passion-play」を「情熱のプレイ」って訳したり(受難劇じゃないの?)とビミョーなところもあるけれど雰囲気がね。
後は「墓場にて」。これのクリスが墓前に立つまでが好きかな。
ハウルの動く城
ハウルに心がないですって? あの人は自由でありたいだけ。
ソフィーの住んでいる町は戦争の前触れのせいか、妙に浮き足立った雰囲気に包まれている。親から受け継いだ帽子屋を営むソフィーは、店の女の子が話している「ハウルの動く城」にも興味を持たない。何故なら、「ハウルは美しい女の子の心臓を奪ってしまう」と言うから。美しくない自分には縁のない話だと。
ある日、美しく華やかな妹が働く店に向かうため街を歩いている途中、ソフィーは兵隊に絡まれてしまう。それを助けたのがハウル。兵隊を魔法で追い払ってしまうと、歩き出す2人の後を奇妙な物体がつけてくる。「ごめん、君をまき込んでしまったね」とハウルはソフィーとともに空に飛び上がり、ソフィーをそのまま妹の元へ送り届ける。その後、ソフィーが家に帰ると現れた「荒地の魔女」に呪いをかけられてしまう…というお話。

宮崎アニメの特徴、スケール感の大きさでは「千と千尋〜」より上を行くのではないか。冒頭でハウルの城が動いているのを見たら宮崎ファンとしてはそれだけでたまらない。ハウルが空を飛んでいるシーン、戦闘のシーン、どれも宮崎アニメお得意の場面。
それに「千と〜」までの作品に比べて道徳的説教が薄い。もちろん背景には反戦主義が挙げられているのだけども、宮崎アニメ=説教という先入観を持たない人が見たら気にしないレベルではないかと思う。何故なら登場人物が妙に戦争に対してドライだから。「もののけ姫」のように争いに対して剥き出しにするような「感情」が見えないから。もちろんハウルは戦争を憎んでいるけれど、それでもそれを上回るコミカルな場面が多くて戦争に対しての意識を逸らしてしまう。そしてその「反戦主義」イメージより強く訴えられるのが「自由」

今回の登場人物は全て何かしらの「自由」を奪われている。でも実際それは「奪われている」のではなく「自ら囚われている」といった感じ。だから、最後に登場人物がどんどん「解き放たれていく」のが爽快感たっぷり、なのだ。物語も詳細を説明しないまま終わっているけれど、この映画は詳細を自ら想像して楽しむもの、そんな感じがする。

で、声優。木村拓哉も倍賞千恵子もはっきり言って声優としてはさほど上手くない。だけど倍賞千恵子の他に誰が18歳から90歳までの女性を演じきれるか。ハウルも棒読みが多いけど、他にハマり役がいるだろうか。今回の物語は今までに比べて淡々としていて感情の起伏が少ないので、声で印象を与えるにはマイナスに受け止められる場合も多いと思う。
それにしても、宮崎監督は空中戦と短い髪の女の子が好きなのねぇ。
シザーハンズ
いったい誰が身障者ですって?
あなたはどこも悪くないわ
あなたは― “ユニーク”なのよ
山の上のお城で作られた人造人間のエドワード。だが、完成直前に博士が急死し、彼の両手はがハサミのまま。ペグに引き取られたエドワードは、ペグの娘キムに恋をするが…。というお話。監督はあのティム・バートン、主演はジョニー・ディップとウィノナ・ライダー。

とてもとても美しい御伽話。
パステルカラーの町並みの中にぽつんと立ち尽くすエド。その“そぐわなさ”が“異なるもの”としての暗示なのでしょう。「大金を拾ったらどうするか」という問いかけに「好きな人にあげる」と答えるエドは人間としての「枠」を知らず、手が鋏の彼は恋をしても彼女を抱きしめることも出来ない。下手をすれば怪我をさせてしまう。そんなエドを見る目は決して優しいものだけではない。そしてその目を向ける立場にいる人間は、実は私達でしかない。そんなティム・バートンのお決まりの意見が裏に見え隠れしまうが、それが気にならないくらい、美しいニュアンスを含んだ映画です。
ラブファンタジーにカテゴライズされる本作品、冬の季節にぴったりの幻想的な作品です。
ラストは悲劇的だけれども、最後までとても美しい作品です。特にキムが降りしきる雪(氷)の中、氷像の前で踊るシーンはとてもステキです。

“あー、ちょっと疲れちゃった” “新しいことないかなぁ”というアナタにオススメ。
リベリオン
ガン=カタは史上最強のマーシャルアーツだ
第三次世界大戦が勃発。戦争終結後、生き残った人々は争いを起こす原因となる「感情」を抑えるために芸術のあらゆるものを禁止とした。絵画から書物、雑貨、動物にいたるまで、感情を呼び起こすものは禁止、そして人々には感情を抑える薬を打つことが義務付けられ、それを怠ると作品は処分され、人は「クラリック」と呼ばれるエリート集団に処刑されてしまう。そんな日々、クラリックの中でもエリートのプレストンはある日薬を過って割ってしまい、投薬せずに仕事に向かう。その先で彼は心を揺さぶられる作品に出会い・・・ というお話。

イメージ的には「華氏451」と「マトリックス」が浮かぶこの作品。何よりもクラリックが操る「ガン=カタ」がかっこいいのだ!華氏451のあの錆付いたイメージと、マトリックスの硬質なイメージを足したような、そして寒々としたイメージの世界観には中、ガン=カタのアクションがよく似合う。一種独特な暴力が色を添えるといった感じか。
ただ、マトリックスとは似ているけれど根本的なところが異なります。リベリオン(反逆者)という題名はマトリックスに対しての意味合いなのかと思った(笑)。

ストーリー的にはハリウッド!なんだけど、ハリウッド的で「ここがニクい!」と思ったのが父親よりも先に薬を止めていた子供たちが、最後に父の勝利を確信したときに「にやり」と笑うところ。あくまで「にやり」なところがいい!

とてもとてもハリウッド的なエッセンスが散りばめられていて、小難しいことを考えずにアクションの楽しさを味わうのがヨシ!な作品です。スカっとしたい時におすすめ作品です。
陰陽師
一番短い呪とは「名」だ。
はい、という事で順番が入れ違いましたが陰陽師の1作目です。

あー・・・ これも女性向のニオイがします。
いや、もうそれにはこだわらない事にしました。いいんです。きっと小説版を忠実に「映画」で再現している分リアルな感じがするだけです。そう思う事にします。しかしラストの辺りはどう見ても愛の告白にしか見えませんが、それは私が汚れいるからですか(笑)?

今回はキャストについて。野村萬斎が安倍晴明を演じたのは正解かと。やはり着物を着ての動作が非常に美しい。自然に全身に注意がいってるのでしょう、森の中を走るシーンでは走りながらも体が揺れず、重心が安定している!いかに着物慣れしているか、かつ所作を美しく見せるか、というのが身に染みているのだと思います。涼しげな目元も、女性(式神)をはべらかしている姿も色っぽい〜。笑うとき、貴族っぽくなく笑うのも様になっている。彼を見ただけで目的達成です。エンドロールでは舞を舞っているのですが、これは即興らしいですな。
対になる悪役には真田博之。彼もまた悪役として素敵。やはり白と黒はかっこよくないと楽しくないからね〜♪悪役は小汚いかっこよさの方が好みな私としては満足。
さて。晴明の仲間?の源博雅を演じるのは伊藤英明。まぁ、彼がなんていうか。
晴明の術を口を開けて見ていたり、晴明に何か言われて「にこーー」と笑ったりするんだけど、それが「単純で、しかもいい漢」というのを表しているのか。しかしこの映画ではいいところのなかった博雅。もう少し活躍させてあげてもよかったのでは。一応武人なんだし。あれじゃ人がいいだけのへっぽこ殿上人ですがな。
その他脇を固めているのが夏川結衣、岸辺一徳、小泉今日子、今井絵里子ら。今井絵里子・・・。もう彼女には何も言うまい。

ストーリーは2程奇想天外ではありません。「生成姫」を下敷きにした「vs道尊」です。しかしやっぱり効果が・・・。ここまでくるとあの安っぽさを狙っているとしか思えなくなってきた(笑)。やはりこの映画、晴明=萬斎が見たい人にオススメ!実は私、萬斎演じる晴明の美しさに惚れてDVD買ってしまうような勢いです。
陰陽師2
啼くよ、物の怪、平安京。
舞台は平安の時代、まだ人があやかしと共存していた時代で人は鬼や物の怪を恐れ暮らしていた。その人ならぬモノを封じ込める役割が「陰陽師」である。呪の随一の使い手、安倍晴明が源博雅と共に京のあやかしに立ち向かう というようなお話です。

1の時はCMを見て野村萬斎のハマり具合に転げ周りながらも見逃した過去がある私。2はあまり話に聞いてなかったけれど、実は2001年度の邦画興行NO.1だったらしい。

あー・・・ なんて言うか。 これは・・・ 女性向です。そんなニオイがします。
なんかねー作為的なニオイがする。原作にもそんな感じが見え隠れするんですけど、映画は映像としてそれをハッキリ見せるので余計にその印象が強い。いや、だからこそむしろ原作の雰囲気を再現していると言ってもいいのかもしれない。

ネタバレなんだけど、ラスト近くで野村萬斎演じる安倍晴明が舞を舞うんだわ。それが紅を差し、女性向けの着物で髪は結わえず流しで。
ここで私は力が抜けました。この映画の一番の見せ所はここなんだ、と。確かに野村萬斎は流石着物の着こなしがとても素敵で、着物でありながら歩き方の姿勢から立ち姿まで美しい。が、お顔は中性的ではないと思うのです。間違いなく整った端正なお顔立ちですが。
女装での舞は私にはツラかったです・・・。

ストーリーもねー。奇想天外ではあります。でも「陰陽師」作品である以上、それはOKです。しかし!あのCGは何!?私は海外旅行の時に見た、中国映画の、しかも古くて安っぽい作品を見ている気分になったぞ。効果が効果として生きてないんだなぁ。思わず笑っちゃった。だから、この作品で受けた点があったら、野村萬斎の女装&舞と、萬斎と伊藤英明演じる源博雅の掛け合いなんだろうな、と思いましたわ。
カリオストロの城
奴はとんでもないものを盗んでいきました。 あなたの心です。
誰もが知っているであろう、「あの」宮崎駿監督「ルパン三世」。いたるところにハヤオテイスト満載です。
ルパン一味がカジノを襲撃して手にした札束、それは精巧に作られた偽札だった。その精巧な偽札はゴート札と呼ばれている。そこでルパン達が向かったのはヨーロッパの小さな国、カリオストロ公国。途中、追っ手に追われる少女を発見、追跡し助け出す。その女の子は実は・・・

最近のハヤオ作品はとにかく「アニメを通して訴えたい!」事が全面に押し出されすぎてて鼻につく事も多いのだけど、この作品は純粋に楽しめます。
ハヤオ作品お得意の空中戦にルパンにぴったりな小粋なジョークが散りばめられていてハラハラドキドキ、そして爆笑!ハヤオ好みと一目でわかるヒロインも健在。もちろん不二子ちゃんも清純可憐なヒロインと対なして色っぽいお姉さんとして登場。そしてなんと言ってもこの作品で男っぷりを上げたのが銭型警部!この作品では彼の行動、セリフともに格好いいぞ!特に銭型のラストのセリフは有名。

最後はいつもの通り、逃げるルパンを銭型が追い、彼の部下たちも笑顔で追いかける。まるで青春映画のようではないか。「なんと気持ちのいい連中じゃ」というセリフがまさしくぴったり。
この作品はもう封切りから20年以上も経っているのに、見るたびに「面白い!」と思わせてくれる作品。万が一、まだ見たことの無い人は見ないと損!
モンスターズインク
何やってるんだ、サリー!押すんじゃなくて横に引くんだよ!
子供たちの悲鳴がエネルギーとなるモンスターの世界。
その悲鳴を集める会社、「モンスターズインク」。しかしモンスター達は実は逆に人間を恐れていた!従業員のサリーとマイクは悲鳴獲得率NO.1を誇るエリートモンスターコンビ。そのサリーとマイクのもとに人間の女の子が紛れ込んできて大騒動に・・・というお話。

いやー、この映画は吹き替えが素晴らしい!ホンジャマカの石塚がサリーを、爆笑問題の田中がマイクを演じているが、特に田中のマシンガントークがマイクにぴったり!吹き替えは大抵違和感を覚えるものなのに、これは全然、見事なハマリ役です。

そしてこの映画、とにかく可愛い。フサフサな毛並みのサリーや、ギョロ目のマイク、女の子のブー。出てくるキャラクター全てが脇役に到るまでキュート!
ストーリーもテンポよく進み、中だるみをする事がありません。これを人間でやったらここまでテンポよく進まないでしょう(マイクはエディマーフィーかなぁ・・・笑)。
日本テイストもところどころにあって笑えます。最初マイクがデートする和食レストランとか、後半に富士山の見える和室があったりとか。ちょっと嬉しい(笑)。

アニメだからと侮る事なかれ。かわいくって笑えてドキドキしてちょっと泣ける。これはオススメの映画です。小賢しいエッセンスを加えて深読みさせなくても、美少女もお色気も出てこなくても、子供向け王道ストーリーで大人も楽しめる、これぞ力量!
アマデウス
あんたも同じだよ この世の凡庸なる者の一人
私は その頂上に立つ 凡庸なる者の守り神だ
最初見た時は中学生だったか、高校生だったか。とにかく漠然とした嫌悪感を抱いた作品だった。

神に愛されたと評される音楽的才能とは対照的な、堕落したモーツァルトの日常生活。それに対し、音楽に自分の生活の全てを捧げたにも関らず、神に愛される事はなかったサリエリ。その憎しみはモーツァルトに才能を与えた神へと向かう。サリエリが十字架を火にくべるシーンは絶望そのものである。
そこまで追い込まれるのならモーツァルトの音楽を否定すればいいものを、それでもモーツァルトの音楽を、至上の音楽と「理解」してしまう。憎きモーツァルトの音楽に一番近いところにいて、もっとも理解していたのがサリエリ自身であった事がサリエリの苦悩をより一層深めてしまう。

この作品はとにかく重い。見終わった後にどうしてもサリエリに感情移入し過ぎてしまい鬱になる。嫉妬とか、そういう感情は近くにいる人に向きやすくて、遠い人には憧れるだけで済む場合が多い。サリエリはモーツァルトに近いところにいたのが不遇だったのか。

誰もが一度は天才に憧れたはず。努力を続けることが天才だと言った有名人がいたそうだが、それは夢を与えるべき人としてのセリフとしては正しい。が、残念なことに努力をし続けていれば誰もが天才になれるわけではない。
天才・秀才・凡人 残念なことにピラミッドなのだ。だからこそ、観客はサリエリの狂おしいまでの嫉妬を突きつけられて沈黙する。
ページを x で閉じて下さい