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樋口明雄

「約束の地」

光文社の新刊
516P
ISBN-10:4334926428
ISBN-13:978-4334926427
2.415円(税込)

2008/11/21 第一版発行

(UPDATE 09.03/30) 

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「約束の地」の
サイトです。

樋口明雄
1960年山口出身。
97年「頭弾」、翌年「狼叫」、99年「酔いどれ犬」
01年「狼は瞑(ねむ)らない」(角川春樹事務所)「墓標の森」(双葉社)
02年「俺たちの疾走」「武装酒場」
03年「光の山脈」、「狼は瞑らない」の文庫化
06年「クライム」角川春樹事務所
07年「天使が堕ちた街」
08年「男たちの十字架」「闇の守護者」
09年「約束の地」「武装酒場の逆襲」
10年「メモリーズ」「紅の匣子槍1」
11年「鬼火」「目の前にシカの鼻息」


(UPDATE 11.12/05)

 

光文社文庫
(UPDATE 11.12/05)
約束の地」文庫上下巻

2011年11月10日発売
各760円

 





“読み終えた後、片手に掴(つか)んだ単行本の重量が心地よい。”

                    
瀬名秀明 (朝日新聞 2009年3月1日 掲載)

 
 
※本作品は当面、文庫化の予定はありません。この推薦の言葉をぜひお確かめ下さい!





第12回大藪春彦賞受賞


2010年3月5日
東京會舘で行われた
日本SF大賞、SF新人賞も兼ねた徳間文芸賞贈賞式。


 

 

第12回大藪春彦賞受賞決定

2010年1月20日




第27回日本冒険小説協会大賞受賞

2009年
3月28日に熱海の金城館で行われた、
日本冒険小説協会全国大会にて、
〈約束の地〉が大賞を獲得しました。

 

 

2008

約束の地

 

光文社
光文社刊 1121日 第一刷発行 定価2.415








  共に生きるということ

                            樋口明雄

 

 

 ワイルドライフ・マネージメント――野生鳥獣保全管理。
 その言葉が自分の心を占めるようになったのは、数年前のことだ。
 保護ではなく保全。その言葉の違いは大きい。
 シカやイノシシが当たり前のように目の前に出没する環境に暮らしていると、いろいろな問題が立ちふさがってくる。民間狩猟に現状を丸投げしていた地方行政のあり方に疑問を抱き、それならば個人でどこまでやれるかと、ボランティアで野生ザルの調査を始め、いくつかの害獣問題にかかわるようになると、なぜ、理想が実現しないかが、厭でも見えてくるようになる。

 先細りの民間狩猟にいつまでも頼るわけにはいかないのに、地方行政にとって野生鳥獣の個体数調整に関する将来の展望は何もなく、ただ、「いま」という時間をしのぐことしか念頭にない。それはたんに行政が悪いだけではなく、害獣問題を現実的に認識して、誰よりも自分たち自身で立ち上がり、具体策に力を入れねばならないはずの農業従事者たち自身が、いっこうに現状を理解しようとせず、問題に無関心であるためでもある。

 野生動物による農業被害の実態は、裏を返せば人災であることはすでに常識となっている。人が森林環境を荒廃させ、放置してきたツケが、今になって回ってきたのである。

 この問題の解決策はひとつしかない。
 生物多様化に注目して考案された保全生態学の行き着くところは、人と野生動物との完全なる棲み分けであり、それこそがゆいいつの共生の手段でもある。


 光文社の担当さんから長編執筆の依頼をいただいたとき、まず念頭にあったのは、アメリカの国立自然公園におけるナショナルパークレンジャーのような設定が日本を舞台にできないかということだった。四駆車で野山を駆け回り、野生鳥獣や自然環境全般に関する保全管理や違法行為の取締を仕事とするプロフェッショナルたちの物語である。

 となると、思い浮かぶのは、〈沈黙の森〉〈凍れる森〉〈神の獲物〉といった、一連の『猟区管理官シリーズ』で有名になったアメリカの作家、C・J・ボックス。広大なワイオミング州の山野を舞台に活躍するジョー・ピケットという主人公の人物造形も魅力だったが、何よりもこれは家族の物語だった。

 現状において、我が国ではこの猟区管理官に匹敵する組織は存在しない。環境省の出先機関である自然保護管事務所がそれに近いと思うが、大きな違いは組織としての規模と取締権限の有無である。

 だから、ぼくは今回の小説を書くにあたって、時代を二年先の”近未来”にし、野生鳥獣保全管理センター(ワイルドライフ・パトロール)という架空の組織を作らねばならず、またそのために既存の法律を廃して、野生鳥獣保全管理法という、まったく新しい法律を設定しなければならなかった(実際に条文のいくつかを作ったし、当初はそれを巻頭に飾ってみたのだが、第一印象が硬くなるので削除した)。

 本作が、『猟区管理官シリーズ』と大きく異なるのは、主人公の設定の違いだろう。ジョー・ピケットはハードボイルドストーリーのタフな探偵ではないが、狩猟を取り締まる管理官としてはベテランであり、その道のプロフェッショナルである。だが、〈約束の地〉の主人公、七倉航は環境省から出向中のキャリア技官であり、この土地に不馴れで、現状をまったく知らない素人という設定(だから周囲から”腰掛け人事”と揶揄される)。それは、野生鳥獣問題という世間一般ではあまり知られていない未知なる世界に、これから踏み込んでゆく読者と同じ目線にしてみたかったからだ。

 ――相容れぬ者が共に生きることを目指し前進する「普通の男」の葛藤と闘い。

 光文社の担当さんが、バッチリ決めてくれたこのコピーにおける「普通の男」とは、すなわち、そういう暗喩を込めた言葉である。


 共に生きる。
 それがこの物語を貫く大きなテーマ。
 外から来た者と既存の生活者たち。古いタイプの人間と新人類。人と野生鳥獣。父と娘。それらが恩讐の立場を越えて共に生きるための戦い。

 そしてもうひとつは生と死。
 ――死は忘れたり克服したりするするのではなく、共に生きるもの。
 本作の執筆の間、ずっと心の中にあって、ぼく自身に憑いていたフレーズだった。

 ゆえに、これは”死を見つめる”物語でもある。
 作中に登場させたベアドッグの名を、三年前に死に別れた愛犬と同じにしたのも、そういう意味を込めてのことだ。
 ぼくはいまもなお、良き相棒だったダンと共に生きている。










amazonにて発売中

http://www.amazon.co.jp/%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%AE%E5%9C%B0-%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E6%98%8E%E9%9B%84/dp/4334926428/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1226441717&sr=1-1

 

 

 


\2.415(税込)
2008/11/21 第一刷発行

できれば、大型書店にて、お買い求め戴くか、もしくは、お近くの書店やインターネットのブックウェブ等でご注文してください。
または、光文社サイトにて。

http://www.kobunsha.com/

 

 

 
 
 

 

 

 

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樋口明雄

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光文社の新刊
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ISBN-10:4334926428
ISBN-13:978-4334926427
2.415円(税込)

2008/11/21 第一版発行

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