内容紹介

文学関係図書
教育  学習方法・日本語表現  保育・福祉  エッセイ・その他
 「文学探訪」シリーズ


文学者とその作品をはぐくんだ「風土」に立脚する文学アルバム。記念館等の収蔵する肖像・遺稿・関連資料など 200葉に及ぶ写真を新書判に凝縮、逐一丁寧な解説をほどこして視覚による総合理解を図った。構成・執筆は地元関係機関および第一線の研究者・地元の研究者の協力を得る。コンパクトな体裁ながら、小伝・文学案内ほかの本文記事も充実、文学散歩はもとより、資料としても十分役立つシリーズである。


文学探訪 小諸・藤村記念館 改訂版

監修・小諸市教育委員会 執筆/伊東一夫・神田重幸他
新書判 定価1100円+税 


文学探訪 宮沢賢治記念館

蒼丘書林編 執筆/奥田弘・堀尾青史・吉見正信他
新書判 定価1100円+税

 宮沢賢治 明滅する春と修羅心象スケッチという通路 【第8回岩手日報文学賞受賞】


杉浦静(大妻女子大学教授)著 四六判上製 定価2524円+税

『春と修羅』第一集の刊行から晩年の詩稿整理へと十年にわたって解体・生成をくり返す賢治の〈心象スケッチ〉。その営為の意味・明滅のすがたと、未刊に終わった第二・三集の賢治自身の構想を明らかにする。自筆稿の徹底した調査・分析にもとづいて特定された第二・三集に収録されるべき〈心象スケッチ〉群は、宮沢賢治を語るために不可欠の論料(データ)である。

【主な内容】T〈心象スケッチ〉の生成と展開 

        U春と修羅第二集・第三集の構想(本文)

 宮沢賢治 幻想空間の構造 新装版  【第6回宮沢賢治賞奨励賞受賞】       


鈴木健司(文教大学教授)著 四六判 定価2000円+税

宮沢賢治の作品に煌めく不可思議な魅惑の発行体《幻想空間》の出自を、賢治自身の資質、摂取した知識の両面から探る気鋭の論集。「若い木霊」など従来論じられることの少なかった作品に丹念な分析の目を向ける。

【主な内容】  宮沢賢治と日本文学/心象スケッチの目的/ヘディンのスケッチ/死後の行方/魔の説くことと仏の説くこと/鬼神の棲む空間/民話的構造に仮託したもの/誘惑としての性欲/補論・《象の頭の形をした丘》について、「銀河鉄道の夜」研究史他


 ことばの織物 短篇小説珠玉選


阿毛久芳他編 全書判上製 定価1845円+税

●編集解説執筆/阿毛久芳(都留文科大学)   栗原敦(実践女子大学)
           佐藤義雄(明治大学)      杉浦静(大妻女子大学)
           須田喜代次(大妻女子大学)  松沢信祐(元・文教大学)

近代日本の作家たちが織りなす多彩な言葉の表現の中から短篇小説の珠玉17篇の全文を完全収録。表記・用字・ルビ等すべて定評ある全集版に従った。作者略歴・解題付き。

【収録作品】 樋口一葉/わかれ道 泉鏡花/処方秘箋 国木田独歩/窮死 永井荷風/深川の唄 志賀直哉/剃刀 森鴎外/佐橋甚五郎 有島武郎/実験室 芥川龍之介/きりしとほろ上人伝 内田百間/件 葉山嘉樹/淫売婦 横光利一/春は馬車に乗つて 中野重治/春さきの風 梶井基次郎/闇の絵巻 井伏鱒ニ/丹下氏邸 室生犀星/あにいもうと 太宰治/ロマネスク 岡本かの子/家霊

 文芸の構造


伊東一夫(東洋大学名誉教授)著 A5判上製 定価2524円+税

東西の作品はもとより、市井に生きる人々の文章にも分析の眼を向け、体験と表現の二面から文芸を考察、その本質を解き明かす。広く渉猟・吟味された引例により、近・現代文芸の概説書としても好適の一書。

【主な内容】 これまで文芸はどのように考えられてきたか
        文芸はどのようにして創造されるか
        文芸的体験はどのような構造と方向をもっているか
        言葉による表現はどのようにして文芸を成立させるか
        おわりに−人間・人生にとって文芸はどのような役割をもつか

 回想 教壇上の文学者


蒼丘書林編/解説・山住正己(東京都立大学)
四六判上製 定価1359円+税

学校教師として一時代を送った文学者の教育実践を、教え子が語り綴る異色のアンソロジー。卓越した感性の所有者たちは、教育、そして子どもにいかに向かいあって生きていったのか、その検証は文学研究のみならず、教師論としても興味深い。

【収録文学者】 石川啄木/島崎藤村/宮沢賢治/与謝野寛・晶子/大佛次郎/下村湖人/中島敦
  解説/文学者と教育の邂逅
  論考/啄木の教育実践への視座(遊座昭吾) 巻末折込/石川啄木「英語科」教案(原寸)


 近代文学論の現在


分銅惇作編 A5判上製 定価3500円+税

近代文学研究の第一線で活躍する17名による共同論集。 【収録論文】 (掲載順)
  
北村透谷『蓬莱曲』論―柳田素雄の像と風流について/片山晴夫(北海道教育大学)
航西と還東の間/上田正行(金沢大学)
鴎外『走馬燈と分身』の位相―書き手という存在/須田喜代次(大妻女子大学)
北村透谷『蓬莱曲』論―柳田素雄の像と風流について/片山晴夫(北海道教育大学)
航西と還東の間/上田正行(金沢大学)
語りの仮装―「満韓ところどころ」の戦略をめぐる小論/栗原敦(実践女子大学)
志賀直哉「正義派』論/池内輝雄(筑波大学)
宮本百合子の自然観/沼沢和子(山形女子短期大学)
『定本青猫』の旅―挿絵と編集に関して解題風に/阿毛久芳(都留文科大学)
芥川龍之介のプロレタリア文学観―「一塊の土」のテーマをめぐって/松澤信祐(元・文教大学)
谷崎潤一郎の分身小説―「青塚氏の話』論/渡邉正彦(群馬県立女子大学)
賢治書簡にみる法華経進行の経緯―修羅の意識とデクノボーの精神/分銅惇作(元・実践女子大学)
宮沢賢治〈疾中〉前史―没後の受容過程について/杉浦静(大妻女子大学)
『雨ニモマケズ』の私とは何者か―作者を取り込んだ作品解釈について/堀井謙一(信州大学)
和田伝『大日向村』の屈折/堀井正子
「鐘供養の日」と「隠岐別府村の守吉」―井伏鱒ニ・戦中下の表現/佐藤義雄(明治大学)
森本薫についての短いノート―「女の一生」とノエル・カワードの「CAVALCADE」/みなもとごろう(日本女子大学)
吉行淳之介論―〈乗り超え〉としての〈感傷〉金子博(都留文科大学)
曖昧さを味わう―『ふなくい虫』の「異母姉弟」をめぐって/江種満子(文教大学)

 詩が生まれるところ


栗原敦(実践女子大学教授)著 四六判上製 定価2800円+税

戦後詩の初心に、〈詩〉の水脈を探る詩人・詩論集。朔太郎論・詩史論を併載。

【主な内容】
 T 詩が生まれるところ
「生物の上にみづながれ」考/〈「さびしい人格」以後〉の成立/黒田三郎論/谷川俊太郎―私は生きている/はじめに「花であること」が……―石原吉郎論・素描/プロムナード〈鳥〉のことば
 U 詩と詩人
伊東静雄「わがひとに与ふる哀歌」「そんなに凝視るな」/鮎川信夫「神の兵士」/木原孝一「最後の戦闘機」「ゴオルデン・アワア」/山之口貘「弾を浴びた島」/吉野弘「I was born」/辻征夫「ブリキの宇宙ロケット」/プロムナード〈草木〉と〈花〉のことば
 V 鑑賞一束
「繋船ホテルの朝の歌」(鮎川信夫)/「死のなかに」(黒田三郎)/「帰途」(田村隆一)/「死は説話である」(吉本隆明)/「雨について」(永瀬清子)/「芝生」と「間違い」(谷川俊太郎)/プロムナード〈光〉と〈風〉のことば
 W 詩史論への試み
〈荒地〉からの出発/〈うた〉と〈喩〉―詩歌の近代をめぐって/プロムナード〈戦後詩〉のことば10

 堀辰雄試解


西原千博(北海道教育大学札幌校教授)著
四六判上製 定価2500円+税


従来の固定的イメージを排し、丹念な読みを基本として堀辰雄の作品の本質に迫る。

【主な内容】 T 『聖家族』『麦藁帽子』試解
         第一章 『聖家族試解』/第二章 『麦藁帽子』試解
         U 『風立ちぬ』試解
         第一章 「幸福」の意味/第二章〈冬〉の位置/第三章〈春〉の意識
         V 『菜穂子』試解
         W 堀辰雄試解
         第一章〈特殊〉と〈普通〉/第二章〈特殊〉から〈普通〉へ/第三章「想像的人間」―何故、〈特殊〉を求めたのか

 宮沢賢治研究資料探索 【第17回岩手日報文学賞受賞】


奥田弘著
四六判上製別刷「奥田弘 宮沢賢治研究著作目録」 定価2800円+税


賢治の作品や手帳、書簡などに記された人物・事物、伝記中の諸断面の丹念な調査によって、賢治研究の基盤を形成した著者の資料と論稿を集成。別刷で、著者の現在までの賢治研究著作目録を添付し、研究者の便に供した。

【主な内容】
 T 宮沢賢治研究周辺資料
藤原健次郎/高瀬露/盛岡高等農林入試問題/岡落葉・阿曾八和太/八幡館・宮城館/「愛国婦人」/『大正一万歌集』/奥羽連合共進会/盛岡中学「学校評判記」/東海岸実業視察団/詩集『忘れた窓』/関教授宅訪問/吉屋信子「家庭日記」/文語詩「鼓者」/ 「三陸汽船航路図絵」/「閑居録」/「寒キ宿」/木村教授他
 U 資料と研究・拾遺
「黒溝台」/賢治と『和漢名詩鈔』/「三原三部」とその周辺/「濶葉樹」細目/賢治の読んだ本/「ヒデリ」寸見/二つの考察他

 

 宮沢賢治という現象 読みと受容への試論  【第47回高知県出版文化賞受賞】


鈴木健司(文教大学教授)著 四六判上製 定価3500円+税 

重要とわかっていてもうかつに手を出しにくいような難問題への大胆なアプローチと、その問に対する《厳密周到な実証性》を伴った分析・論述という点で、鈴木健司氏の営為は、数ある賢治研究家の中でも、一段ときわだっている。本書ではとくに作品の母胎をなす思想をめぐる論考が貴重で、前著『幻想空間の構造』と並んで研究史にあらたな1ページをくわえることになるのは確実である。(入沢康夫氏評)


【主な内容】
第1部 作品研究 「銀河鉄道の夜」研究4篇、「青森挽歌』研究2篇、文語詩研究2篇ほか
第2部 比較研究 坂口安吾・遠藤周作・大江健三郎と賢治
第3部 周辺研究 『注文の多い料理店』発刊をめぐって(発行者に関する新資料と考察)、土佐の詩人岡本弥太にみる『春と修羅』の同時代的受容ほか

 宮沢賢治の短歌をよむ 続橋達雄筆録/六人会「賢治ノート」

奥田弘編 B5判上製 定価1400円+税
 

1970年代に賢治短歌の解釈・批評に取り組んだ猪口弘之・奥田弘・小澤俊郎・須田浅一郎・高木栄一・続橋達雄の各氏(「六人の会」)による討議ノートを忠実に復元。筆録者は「宮沢賢治少年小説」「宮沢賢治 童話の軌跡」「同 童話の世界」「宮澤賢治研究資料集成」(編)など、大きな足跡を残した続橋達雄氏。70年代の賢治研究の息吹とともに、作品理解・鑑賞への手がかりを提供する。巻末に採録短歌索引を付す。







 
 新編 宮沢賢治歌集

栗原敦・杉浦静 編 四六判 定価1600円+税

宮沢賢治が詩や童話に本格移行する前、原稿用紙に整理した短歌作品七百余首。その全容を、浄書時の表現と配列で再現、鑑賞しやすい体裁で編む。他に、追録歌と生涯にわたる短歌作品を併録。語注つき。
【主な内容】
本 編 自筆歌集(「歌稿〔B〕」)浄書時の全作品
補 遺 「歌稿〔B〕」への追録歌/「歌稿〔A〕」より/雑誌・書簡・断片等中の短歌
鑑賞の栞 宮沢賢治の短歌(栗原敦)/賢治〈歌集〉と短歌のその後(杉浦静)
*付・短歌関連宮沢賢治略年譜/初句索引
  宮沢賢治 交響する魂

佐藤栄二 著(元・宮沢賢治研究会会長) 四六判上製 定価2000円+税


宮沢賢治への深い共感を支えとして、作品の内にこだまする声に耳を傾け、イーハトーブの世界に分け入る旅。時代と文化に目配りしつつ、各ジャンルの作品を読み解き、賢治の生活と思索・芸術のありかを追究する。長く宮沢賢治研究会会長として活躍し、現在も読書会などを通じてひたすら賢治へのアプローチを続ける著者による、いざないの書。
【主な内容】
序 章 宮沢賢治の世界へ、ようこそ―海外講演より
第1章 風の語り部―詩集『春と修羅』より詩三篇を読み味わう
第2章 異境の旅人―童話「雁の童子」を読みひらく
第3章 言葉の調理師―晩年の定型文語詩を読む
第4章 野の楽師―「小岩井農場」にオーケストラを聴く
第5章 求道即道の人―「農民芸術概論綱要」を読む
終 章 宮沢賢治 慈しむまなざし―講演より
付/年表・宮沢賢治とその時代

  文芸と言語メディア―その過去と未来
明治大学文学部文芸学・文芸メディア専攻編 A5判 定価1600円+税

 
メディアとは何か。「文字言語」メディアによる自己実現の探求とはどういうことか。文芸という表現様式の可能性とは? 明治大学文学部「文芸学」「文芸メディア」専攻担当教員によるシンポジウムと諸論考を収め、これらの課題を考察する。多様化・複雑化する現代のメディア環境下での文芸と言語メディアの本質追究のための一書。

◇主な内容
第T部 シンポジウム
 1 文芸の現代的変容とメディア(津田洋行)
 2 ジャーナリズムの今(蟹瀬誠一)
 パネルディスカッション 
  (パネリスト/恒川隆男・野毛孝彦・津田洋行・蟹瀬誠一・柳町時敏・内村和至・相良剛。司会佐藤義雄)
第U部 論集
 文芸メディアへのイントロダクション(内村和至)
 メディアをめぐる断想(恒川隆男)
 ジャーナリズムの現実(蟹瀬誠一)
 文芸メディアとしての新聞「読書面」研究序説(相良剛)
 『源氏物語絵巻』の方法―にじむ“時間”―(柳町時敏)
 メディアの中の人間像―大和清九郎伝の成立―(内村和至)
 メディアとしての政治小説―日本近代文学史への反措定・覚書―(津田洋行)
 都市という媒体―日本近代文学における―(佐藤義雄)
 古代文明における言語メディア―四大都市文明社会の文字メディアを中心として―(野毛孝彦)
  近代への架橋

佐藤義雄・恒川隆男編(明治大学人文科学研究所叢書)
A5判上製 定価5600円+税

日本の「近代(化)」を、文学を念頭におきながら広く文化状況全般に視野を広げ再検討した論集。

【主な内容】
文学・思想・歴史における日本の「近代」―収録論文にふれつつ(佐藤義雄)
明治十年代の政治思想(恒川隆男)
横井小楠と〈明治〉―徳富蘇峰の内なる小楠像を視座として(須田喜代次)
東アジア的近代への道―横井小楠の思想的可能性(津田洋行)
「実録文学」による明治維新史研究序説―近代日本における文学と歴史学との分裂と交錯(長沼秀明)
演劇の改良と言文のディスクルス―逍遥と鴎外(井戸田総一郎)
森鴎外「津下四郎左衛門」の波紋― 「auteur」津下正高の行方(須田喜代次)
近代日本文学史における明治二十年―激動する時代のなかで変容する青年たち(長沼秀 明)
近代の行方―「橋づくし」と築地居留地の記憶(佐藤義雄)
  宮沢賢治《遷移》の詩学  【第23回宮沢賢治賞奨励賞受賞】

平澤信一(明星大学教授)著 四六判上製 定価2800円+税


宮沢賢治における「文学」の発生考察からなテクスト調査まで、著者の賢治研究論文を集成。
「〔雨ニモマケズ〕」に記された「ヒドリ」についての重要論考2編収録。

【主要目次】
宮沢賢治《遷移」の詩学
宮沢賢治における文学の発生・序説
宮沢賢治における文学の発生・補説
心象スケッチの場所
「青びとのながれ」へ
「雪渡り」
天上の母へ・イーハトーブへ
銀河鉄道の方へ
宮沢賢治と映画的想像力
戦後映画における賢治と賢治作品
吉本ばななと宮沢賢治―夢見る力をめぐって
大正末/昭和初年の宮沢賢治評価
文芸面における賢治像の誕生
文語詩「早春」を読む
文語詩「流氷」を読む
誤記の可能性―「〔雨ニモマケズ〕」について
遺された三つの《ヒドリ》―「グスコーブドリの伝記」「毘沙門天の宝庫」から「〔雨ニモマケズ〕」へ
定稿紛失作品「旱害地帯」の本文校訂に関わる一試論
祀られざるも神には神の身土がある」

  近代文学の領域 戦争・メディア・志賀直哉など

池内輝雄(元・國學院大學教授)著 A5判上製 定価3500円+税


著者の10年の研究から、副題に関する論稿を集成。T・U部では新聞・雑誌メディアの戦争への関与の状況と、そこに掲載された有名・無名の作者による文芸のすがたを、V部では志賀作品の諸相を考察する。原資料の入念な調査に裏付けられた論集。

【主要目次】
T 戦争・メディア・文学 その1
 戦争と文学/日露戦争と女性雑誌/戦争雑誌のなかの文学/一九一四年の文学状況/一高文壇生成の時代
U 戦争・メディア・文学 その2
 南方への眼差し/〈外地〉新聞の文芸欄/昭和戦前期の文芸時評/戦時下の太宰治/学校・靖国神社・サーカス
V 志賀直哉など
 「正義派」の外延/「城の崎にて」の時間・空間/「和解」の物語構造/メディアと志賀直哉/イッヒ・ロマンの生成過程/有島武郎の軽井沢・信州
終章 大正期文学研究の現在

  文学の風景 都市の風景 近代日本文学と東京

品切れ


佐藤義雄(明治大学教授)著
 四六判上製 定価2900円+税

作家の生の軌跡としてのテキストを、作家によって生きられた空間=都市を媒体として読み解く論集。太宰・井伏・志賀らのテキスト研究併録。

【主要目次】
序にかえて 媒体としての〈都市〉 ―近代日本文学における
 第T部 〈都市〉のテキスト
1 迷路の奥の〈夢の女〉―ユートピア物語「墨東綺譚」
2 適意・暢神・自娯― 志賀直哉、我孫子のテキストと文人画
3 〈近代化〉の記憶―三島由紀夫「橋づくし」
4 ムラとマチの戦後の風景―井伏鱒二の戦後小説
5 都市空間の社会的認知 ―「太陽のない街」を歩く
 第U部 都市空間を歩く
0 講座「都市空間を歩く」の試み
1 べか舟の浮かぶ町 ―「青べか物語」の浦安
2 水の深川―「深川の唄」
3 柳橋・両国 江戸の面影― 「柳橋新誌」と「大川の水」
4 六本木周辺・屋敷町と隠れ町の風景―荷風・志賀・藤村
5 洋館の立ち並ぶ町高輪・白金―「桜の実の熟する時」
6 リゾート鎌倉・モダニズムの風景 「痴人の愛」の由比ヶ浜
 第V部 〈引用〉の織物としてのテキスト
1 〈引用〉の織物としての「赤い太鼓」
2 重複することば―「鐘供養の日」と「隠岐別府村の守吉」
3 テキストの生成―志賀直哉「剃刀」から「范の犯罪」へ
4 〈引用〉の織物としてのテキスト―近代文学研究雑感

おわりに 文学と「境界」をめぐっての断想 収録論文に触れつつ
  宮沢賢治文学における地学的想像力 〈心象〉と〈現実〉の谷をわたる

鈴木健司(文教大学教授)著
A5判並製・カラー写真等250葉余 定価2800円+税

表題のテーマで著者が書きついできた論文を集成、作品に登場する岩石、宮沢賢治が訪ねた地や盛岡高等農林在学中の資料「盛岡附近地質報文」「地質調査ルートマップ」などにみる賢治の地学的側面を論ずる。丁寧な実地踏査で得られたカラー資料写真多数収録。

【主要目次】
第1章  〈石っこ賢さん〉の拾った石とは―豊沢川の石
第2章 宝石・飾石商への夢―金石舎・水晶堂と瑪瑙・珪化木
第3章 法螺話としての仕掛け―葛丸川と蛋白石
第4章 背景としてのジャータカ―〈貝の火〉〈鳥捕り〉の生成
第5章 修羅意識の底―中生代白亜紀幻想
第6章 第三紀泥岩と影―朔太郎的不安との類似性
第7章 「岩頸」意識について―〈現実〉と〈心象〉
第8章 安山集塊岩―花巻農学校での土性調査実習にからめて
第9章 「盛岡附近地質図」の検証―飯岡層の扱いを中心に
第10章 「〔地質調査ルートマップ〕」の検証―賢治が採取した岩石標本
  童話論 宮沢賢治 純化と浄化

小埜裕二(上越教育大学教授)著 四六判上製 定価2800円+税

賢治童話の珠玉15篇を、修羅の世界へのまなざしを基軸に読み解く。第T部では〈修羅〉の世界にありながら、その〈修羅〉に気づくことのない子供や山男に対する感情について、第U部では〈修羅〉の世界をとりまく自然や宗教的な救いの理法の可能性について、第V部では賢治の夢ともいうべき〈修羅〉の存在に気づいたものが意識を純化させ浄化を図る物語について、それぞれ論じる。

【主要目次】
第T部 無垢へのまなざし
1 孤独か罪か*「山男の四月」
2 美と無垢と*「やまなし」
3 母なる自然・父なる自然*「オツベルと象」
4 義勇と犠牲*「烏の北斗七星」
5 今年の終りの陽の光*「風の又三郎」
 第U部 流れる水
1 めぐる鹿・西へ行く人*「鹿踊りのはじまり」
2 夏のをどりの第三夜*「かしはばやしの夜」
3 作法と野蛮*「紫紺染について」
4 慈悲と空観*「雁の童子」
5 〈大宇宙の生命世界〉と〈心象世界〉*「ガドルフの百合」
 第V部 純化と浄化
1 純化と浄化*「よだかの星」
2 偽の因果、真の因果*「なめとこ山の熊」
3 対称の精神*「土神ときつね」
4 穂吉の昇天*「二十六夜」
5 罪と恥*「貝の火」

 補論 宮沢賢治と三島由紀夫

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 宮沢賢治の農業と文学 苛酷な大地イーハトーブの中で  【第24回宮沢賢治賞奨励賞受賞】

 品切れ
大島丈志(文教大学准教授)著 四六判上製 定価2900円+税

農業に関わった宮沢賢治」――。そのイメージのみが溢れる中で置き去られた賢治・賢治作品と農業をめぐる諸課題に、実証研究を通して取り組んだ論集。補論として、時代思潮の中で賢治作品に迫った論考を収める。

【主要目次】
序 章 宮沢賢治の生涯と農業―考察の方法

第一章 盛岡高等農林学校の幻影―羅須地人協会以前
 1「チュウリップの幻術」という装置/2「紫紺染について」/
 3「農民芸術」が生まれる土壌/4 一六人の百姓の行方

第二章 投企する農業技術者―「農民芸術概論綱要」・羅須地人協会時代
 1 詩「第三芸術」から「農民芸術概論綱要」へ/2 詩「産業組合青年会」をめぐって
 3 農夫へのまなざし/ 4「〔或る農学生の日誌〕」における一農民の孤独

第三章 羅須地人協会時代以降―「グスコーブドリの伝記」を中心に
 1「ポラーノの広場」論 産業組合から見えるもの/2「グスコーブドリの伝記」論 冷害から見た主人公の死
 3 一九二〇年代から一九三〇年代における宮沢賢治の農業思想

補 論 宮沢賢治作品と同時代の潮流 
 1「雪渡り」論/2「鳥箱先生とフウねずみ」における不条理の構造/3「烏の北斗七星」を読み直す


新選 小川未明秀作童話50 ヒトリボッチノ少年


編・解説 小埜裕二(上越教育大学教授) A5判 定価1900円+税 


とかく大正期の作品のみがとりあげられがちな小川未明童話の昭和期の作品に光をあて、後期の秀作50篇(うち16篇は全集未収作品)を収める。静けさやさびしみをたたえ、読む者を遠い昔のかなしみと追憶にいざなう珠玉の作品集。解説・語注・収録作品初出一覧つき。

【収録作品】*印は、全集未収
*花と少年/海の彼方/*夏雲を浮かべる流れ/*路傍の花/*托鉢僧と蝶/*石の見た世の中/春/*町の医者/金魚売り/生きている看板/さまざまな生い立ち/なまずとあざみの話/ガラス窓の河骨/雪の上の舞踏/寒い日のこと/いんこと四十雀/風だけが叫ぶ/雪と蜜柑/古巣に帰るまで/ヒョウ、ヒョウ、てり鷽/平原の木と鳥/空へのびる蔓/雪でつくったお母さん/北の春/餌のない針/秋ノ野/*夏ノ日ザカリ/ハナビノオト/クラゲノ小母サン/冬の蝶/希望/研屋の述懐/縛られた家鴨/谷間の四十雀/*お宝の島/鴉/*旗竿と葱/*星の降る夜/雪消え近く/海が呼んだ話/*ヒトリボッチノ少年/*松風の音/白壁のうち/兄の声/花かごとたいこ/風七題/*おはぐろとんぼ/*コンパクトと虫/*古いつぼ/*春の空と赤ちゃん
 新選 小川未明秀作童話40 灯のついた町


編・解説 小埜裕二(上越教育大学教授) A5判 定価1900円+税

未明童話第2集。淋しさのかなたに灯る希望、かなしみのうちに宿るぬくもり。小川未明が《大人》の読者を心に浮かべ、書き紡いだ珠玉の童話40編(うち24編は全集未収)。解説・語注・収録作品初出一覧つき。

【収録作品】*印は、全集未収
蝶と三つの石/白い影/盃の輪廻/靄につつまれたお嬢さん*/池についての話*/町の案山子*/鸚哥に指輪をはめた女*/路傍の建札*/生物動揺*/山桜*/さまよえる白い影*/二人の少年*/赤い睡蓮*/夏雲の下の少女*/雲になった女*/草原のファンタジー*/橋の鶏*/死と自由/紅い花*/風に吹かれる花/二人の軽業師/空の戦士/都会の片隅*/涯しなき雪原*/彼と木の話*/幸福*/曠野/手風琴/しんぱくの話/酒場の主人*/土を忘れた男*/烏の歌/三月の空の下/偶然の支配*/自然の素描*/波の音*/灯のついた町*/雷魚と猫*/猫の肺炎*/風はささやく  
  文学の径こみちを歩く 透谷・藤村から現代へ


片山晴夫(北海道教育大学旭川校教授)著 A5判上製 定価3400円+税 


北村透谷の「蓬莱曲」および島崎藤村詩における「六人の処女」を中心とした論稿、近松秋江・漱石から村上春樹に至る近現代文学作品の考察の二部構成による文学論集。他に、明治大正期の唱歌歌詞を近代文学との相関の中で考察した一編を収める。

【主要目次】
第T部 北村透谷・島崎藤村探究
北村透谷編
1 透谷における詩と散文 他を撃ち、自らをも撃つ/2 『楚囚之詩』の「表現」に関する覚え書き/3 『蓬莱曲』論〔その一〕柳田素雄の像と風流について/4 『蓬莱曲』論〔その二〕『楚囚之詩』「当世文学の潮模様」から『蓬莱曲』へ/5『蓬莱曲』論〔その三〕明治二三年発表の三つの評論と『蓬莱曲』
島崎藤村編
1 『若菜集』に表れた虚構の方法/2 『藤村詩集』考〔その一〕「六人の処女」の「おえふ」について/3 『藤村詩集』考〔その二〕「おきぬ」「おさよ」論/4 『藤村詩集』考〔その三〕「おつた」「おきく」論/5 『若菜集』所収「おくめ」考/6 『一葉舟』所収「鷲の歌」考/7 『夏草』所収「新潮」論 「我」の新生のイメージなど

第U部 近・現代文学逍遙
近松秋江『黒髪』論 「旅人」の物語として読み解く/夏目漱石『草枕』論 反「小説」としての『草枕』/芥川龍之介の小説の方法 なぜ真実と偽りにこだわったか/宮澤賢治「青森挽歌」論 創造的な越境の試み/私説・梶井基次郎の文学 プロレタリア文学・新感覚派との接点を探る/太宰治「もの思ふ葦」論/太宰治「魚服記」小論 一五歳のスワの物語/太宰治『斜陽』の直治とはいかなる人物か/村上春樹『ノルウェイの森』と『海辺のカフカ』に表れた物語表象 「祭り」・憑依をキーワードとして読み解く/私説・村上春樹『アフターダーク』を読む

補遺・明治大正期の唱歌の歌詞に関する一考察
  有島武郎小論 付/有島武郎編・安子夫人遺稿集『松むし』全


片山礼子(旭川大学・北海道大学非常勤講師)著 四六判上製 定価1800円+税

妻・安子の闘病生活と死。その作品への投影を、武郎によって編まれた安子遺稿集から考察。さらに「或る女」「惜しみなく愛は奪う」「宣言一つ」論を収める。安子遺稿集『松むし』は原本により、全文と書誌情報を収録。

【主要目次】
T 安子夫人遺稿集『松むし』の考察
1章 『松むし』に関する小稿/2章 『松むし』と『或る女』に関する小稿
U 安子と武郎短歌の考察
1章 『松むし』所収短歌の分析と考察・その1/2章 『松むし』所収短歌の分析と考察・その2/3章 有島武郎の短歌について――書簡中の作品を中心に
V『或る女』の考察
1章 葉子の「暗い力」/2章 葉子と「なつかしさ」本能的生活―二元化から一元化へ
W 『惜しみなく愛は奪う』と『宣言一つ』の考察
1章「本能的生活」についての小稿――「惜しみなく愛は奪う」から/2章「宣言一つ」に関する小稿

付 有島武郎編・安子夫人遺稿集『松むし』
はしがき/病床雑記/短歌七十一首/弔句悼歌/終焉略記



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