ELEKTRIC MUSIC & YAMO
カールバルトスの言葉からも「ボーイングではなく小型のメッサーシュミット」的なフットワークの軽い活動が目立つ彼らの作品は意外と少ない(泣)。
実質的にはカールよりもクラフトワーク在籍期間が長かったウォルフガングが最近始めたプロジェクトYAMOも一応取り上げてみました。
・ELEKTRIC MUSIC / ESPERANTO [SPV / 084-92832]
クラフトワークの「あまりにもアルバム製作期間が長い」という現状に愛想を尽かしたカール・バルトスが、一撃必殺とばかりにリリースしたのがこれ。クラフトワークでは主にパーカッションを担当し、ラルフやフローリアンと並ぶほどバンドのメンバーとしては愛着のあるキャラクターだった彼と、80年代にポストクラフトワークを名乗っていたバンド「ラインゴールド」のトニー・マントイフェルとで結成したバンド。「なんだやっぱり好きなんじゃん」とツッコミたくなるほど、クラフトワークそのまんま。ボコーダーやダンサブルな曲調、ダイナミックなシンセなど、クラフトワークでも作曲に携わっていたこともあって、どれを取ってもクラフトワーク的と言わざるを得ません。ジャケのアートワークは「ラルフ&フローリアン」以降ビジュアル面や作詞などでクラフトワークを支えていた人物、エミール・シュルト氏が担当(歌詞も1曲参加)。そして「Kiss In The Machine」のボーカルを担当するのが、自らのアルバム・アルバム『SUGER TAX』でも「Neon Lights」をカバーしていたOMDのアンディ・マクラスキ−。アルバムタイトルの『ESPERANTO』とは詳しくは忘れたが、世界統一言語という意味らしくて、本家クラフトワークとは又違った世界観が伺える。クラフトワーク在籍時からこのアイデアを温存していたのではないかと思わせるほど(もしくはラルフ&フローリアンに却下されたアイデアか)、その完成度は高く、前半で見せる彼の比類なきポップセンスや、16年間クラフトワークで培われてきたメカニカルコールドな後半の展開には度肝を抜く。下でも述べるがシングルの「Cross Talk」は絶品。お得意のマシンヴォイスは勿論、一切無駄のない展開にはこの人の隠れていた(もしくは隠されていた?)才能を十二分に感じることができる。ココまで書いてしまうと、クラフトワークを脱退してしまったことが悔しくもあり、又これからの活動に大いに期待してしまうものであります。尚、初期プレス分CDはデジパック仕様でリリースされており、末尾の型番が「92」となっているので注意。
・ELEKTRIC MUSIC / CROSSTALK [SPV / 056-110363]
アルバム中、クラフトワークらしいというかカールバルトスらしさが一番現れているであろう曲。まぁ、当たり前の事なんだろうけどクラフトワークらしさ(?)を継承しながらも、カールバルトス独自の路線を築いているあたりはサスガとしか言い様がありませんね、特にこの曲やアルバム中の「Overdrive」等はカール節ここに極まれりと言った感じ。その他タイトル曲以外は、下記シングル同様にタイトルの別バージョンである「Intercomix」と、イギリスかどこかで制作された企画コンピにも収録されていた「Baby Come Back」(誰かの曲のカバーらしい)が収録されている、後者はブートコーナーでも紹介している『DIE KLASSIK WERKS VOL.2』にも収録されていたが、一部音が飛んでいたので、通して聞けるのはコレのみになる。ボコーダーで「Please! Please!」と繰り返されたら往年のクラフトワークファンは鳥肌ものだろう。「Intercomix」はスローテンポでアウトテイクと言ってしまえばそれまでなのだろうが、レベルは高い。フルーア氏の名前もクレジットされている。反クラフトワーク同盟結成か。
・ELEKTRIC MUSIC / TV [SPV / 055-92678]
アルバムでは1曲目を飾るとてもポップな曲。タイトル通りテレビのキャスターの音声などをコラージュしており、歌詞には「テレビに映し出されている戦争は安全でクリアだ」とチャンネル一つで政治、犯罪など場面が一変するテレビを皮肉ったような歌で、そう聞くと各国語でしゃべっているニュースキャスターの音声もなにか支離滅裂で面白い。アイデア的にちょっとクラフトワークの「RADIOACTIVITY」にも通じるようではあるがどうだろうか。甘ったるいカールのボーカルがよりポップさを増しており、シングルとしては良い出来である。尚、カップリングにはタイトルの別バージョンである「Television」が収録されており、コチラはよりスローテンポでボコーダーを多用したちょっと実験的な曲。つけ加えるならばアナログ12インチにはコレマタ別バージョンである「TV2」なるものも収録されている。
・ELEKTRIC MUSIC / LIFESTYLE [SPV / 055-93857]
タイトル曲のバージョン違いが計5曲収録されている。約3分強のBPM早めでダンサブルなRadio-Style、コレを長くしてもっとダイナミックにした文字通りクラブ向けのClub-Style、曲中のボコーダー部のみの構成で組み立てられたボコーダーのアカペラみたいなPhenome-style、アルバム収録のAlbum-Style、どこをどうエディットしたのか分からないけど、7:30と長いダンサブルポップなEdit-Style。文字通り12"にはクラブ向けのClub-StyleとEdit-Styleが収録されている。原曲もさることながらこれらのバージョン全てにおいて素晴らしいデキである。根っからのテクノポップ職人カールバルトス氏のその他の活動は下記の通りである。
・ELECTRIC MUSIC / CALL ON ME [SPV / 055-61923]
ど〜ゆう訳かバンド名を"ELEKTRIC"から"ELECTRIC"に変更した、ある意味心機一転ニューシングル。いや〜、しかしこのジャケ、イイ味出してるね〜。憎めないヤツってこういうヤツのコトを言うんだろうな。がしかし、しかしである。バンド名の変更に伴っての大きな変更と言うべきか、どういう心境の変化なのか?ロックである。ギターである。ヘッポコである。クラフトワークマニアとして、ウォルフガングを含めて彼らに求めている音がどんなものであるか、本人たちは分かっているハズだ。言い切ってしまえば「クラフトワークを聞きたいからエレクトリックミュージックを買っている」のである。こんなどうしようもないロックなシングルが聞きたいなら、この新譜を待つまでもないのである。僕は一リスナーにしかすぎず、機材や内部的なコトまでは分からないが、表面的な意味で、コレは駄作である。正しくは「クラフトワーク的に駄作」である。と記しておこう。"K"と"C"で音を使い分けてくれていれば良いのだが.....下で書いているOMDの時の悪い予感が当たったとう事か。「飼い犬に噛まれる」とはこういうことを言うんだろうな。
P.S.カール、ちょっと太った?(笑)
・ELECTRONIC / Raise The Pressure [WARNER / WPCR-791]
ニューオーダーのバーニーことバーナードサムナーと元スミスのジョニーマーとで結成したエレクトロニックユニット、その名もエレクトロニックのセカンドアルバム。カールバルトスが数曲ゲストミュージシャンとして参加しており、この強烈な3個性のすさまじいぶつかり合いが聞ける!と期待していたのですが、かなり貧弱。まことに残念なことにフツーのポップスで終わってしまっている。まぁゲストミュージシャンという立場故か目立ってはいないけど、折角彼を使うんだったらもうちょっとはソレらしくして欲しかったですね。う〜ん。部分的に「おっ!」と思わせるのがあるだけで、基本的には消化不良。
・ELECTRONIC / For You [PARLOPHONE / CDRS6445]
上記アルバムからカットされたシングル盤。タイトル曲の他アルバム未収録の曲が入っており、その中に1曲カールバルトスが参加しているのがあります。まぁ、アルバムにすら入っていない曲なんで、期待するほどでもないのです。で、そんなエレクトリックミュージックの新作にはジョニーマーが参加するってんだから、ちょっと不安になってしまうよね。
・INFORMATION SOCIETY / PEACE AND LOVE, INC. [TOMMY BOY / 9 45092-2]
彼等に関してはあまり詳しいことを知らないのでなんとも言えないんですが、このアルバムに関してはジョイベルトラムが数曲プロデュースをいることからも、全体的にはややハードコアがかったエレクトロボディミュージック?といった感じで、とても聞けるような代物ではありません。しかし「Without IBM」「To Be Free」という曲をカールバルトスがそれぞれミックスとプロデュース(後者にはエミールシュルト氏もバックボーカルで参加←勿論分からないけど)しており、彼等のハードコアな音がカールバルトスのソフトでポップな音とセンスに絡んで逆に新鮮。コレは僕が無意識に意識してしまっているからなのか、この2曲以外は限りなくカスに近いのだが、コレに関しては非常に出来が良く聞こえる。言ってしまえば上のELECTRONICの作品の中でもこれ以上の曲は存在しない。個人的にボーカルも結構好きなタイプの声なので、もう一度手を組んで欲しい。尚、輸入盤を入手したためカールバルトスが参加した経緯などが解説に記載されていないため、この2者がどのような関係にあるかは未確認。ヘタすると他の作品でも参加しているかもしれんが?
・AFRIKA BAMBAATAA & THE SOULSONIC FORCE / Don't Stop...Planet Rock [TOMMY BOY / TBCD1052]
クラフトワークの「Trans-Europe Express」のフレーズをそのままヒップホップにブチ込み、後のヒップホップな輩に多大な影響を及ぼしたとされる曲。それをカールバルトスがミックスしてしまうんですから、コレはそうとうな事件だったんでしょうね(E-2 E-4のリメイクよりも大事件だ)。まぁ、ナニはともあれヒップホップにマシンビートを持ち込んだバンバータもスゴかったかもしれないけど、ホントに凄いのはソレをマシンヴォイスに歌わせたカールバルトスだと思う。これほど強引なファンクもないだろうが、本家にはないような柔軟な姿勢はとても評価できるし、実際カールバルトスがこれほどまでやってくれるとは誰も想像できなかったでしょう。9分にもおよぶ超大作にバンバータも失神&失禁。でも逆にカールバルトスがこのフレーズを使うとはな.......過去を恐れない男だ。尚、他には808やLFO等もミックスに参加しており、この時期にLFOとは何らかの接触があったらしい。ちなみにコレに収録されている9分のバージョンの他にプロモか何かで約半分に短縮された短いバージョンも存在しるらいのだが、何せ名義がアフリカバンバーターだけにコレもやっと入手できた程度で、このほかのフォーマットの物が入手できるかどうか。
・SUPERIOR / Coma [VERGIN / VSCDJ1646]
スーペリア?こいつらに関しては全然勉強不足で知らないのだが、原曲を聴く限りでは女性ボーカル入り3流デジタルロック?みたいな感じで、イマイチ好きにはなれない。このシングルを我らがカール氏がミックスを手がけており、お得意のピュンピュン効果音とソフトなキックが耳に心地いいです。が、原曲のイメージを維持してのコトなのか、彼独自のダンサブルな曲調は展開しておらず少々ノイジーでテクノ寄りなアシッド(?)が加味されており、期待はずれな感も否めない。クレジットが97となっているので、近々リリースされるであろうエレクトリックミュージックの新譜の音を想像するのにはイイ材料である。しかし、誰だこいつら?
・OURHEAVEN / Heaven in Pain [PSV / 055-88823]
コレも又知らないんですが、エレクトリックミュージックと同じPSV関連と言うことなのだろうか、カールバルトスによるプロデュース作品。内容は一聴してカールのソレと確信。テクノポップそのものである。が、惜しむらくは作曲などはどうやらOURHEAVEN自らやっているらしく、曲自体は全然良くない。残念。ダラダラしててつまらない。で、オマエらも誰?
・MOBILE HOMES / MOBILE HOMES [SPV / CD085-62002]
ハゲ4人組のオッサンバンド。確かスウェーデンかどっかだと思った。コレマタSPV関係ってことでカールバルトスプロデュース(曲も提供)しています。しかし、最近リリースされたELECTRIC MUSICのシングル同様のギターポップ路線で、テクノポップしてません。数曲、部分的にソレを臭わせるものがあるが、全体的には退屈以外の何物でもない。ニューオーダーみたい。勿論コレは悪い意味で。
・OMD / Universal [VERGIN / CDV2807]
エレクトリックミュージックの1stに参加しているコトからも、カールバルトスと親交が深いと思われるアンディマクラスキーのプロジェクトOMDのアルバムにも「The Moon And Sun」という曲に友情出演的な感じで参加している。ただ、音的による参加ではないようで、曲自体のアイデアを提供しただけではなかろうか(そう思いたい)、というのもこの曲を聴いていただければ分かるのだが、エレクトリックミュージックの音とはいささかかけ離れているようにも思われる。極一般的なギターポップ風な仕上がりになっており、彼の新作にジョニーマーが参加することからも、残念でならないと言うか、驚くべきと言うか.....イヤハヤ。
・MOUSE ON MARS / IAORA TAHITI [TOO PURE / CD48]
カールバルトス同様、アウトバーンからエレクトリックカフェまでクラフトワークに在籍していたウォルフガングフルーア(カールよりも在籍時期は長い)が、音響というかモンド系?のMOUSE ON MARSというプロジェクトのアルバムに1曲だけドラムとして参加したものなので、ただ聞いてだけではナニがどうなのか全然分からない。ミチヒロタみたいなナレーションが「ウォルフガングフルーアがなんたらかんたら」て言ってる。
・YAMO / Time Pie [SPIN / 854173]
上記MOUSE ON MARSのメンバーとウォルフガングが新たに組んだプロジェクト。テクノポップではないです。ツマんないです。
・YAMO / Stereomatic [SPIN / 8 62269 2]
の、シングル。まぁまぁ。ガンバレ.....も〜、どうでもイイや。そのほかのシングルや日本盤のアルバムあったりしますが、メンドウなのでアップしません。