バックナンバーリストへ

「夢をはぐくむレッスン」 バックナンバー

--- 第42号 2005年6月6日発行 ---

今週の執筆担当 山田 健司


 今週の夢レッスン課題は、「指回し運動をしてみよう」です。

 指回し運動とは、栗田昌裕・東大病院内科医師が提唱する指の運 動で、この運動により認知・言語・計算などの知的諸機能が改善さ れるといいます。

 この運動、誰でもすぐに始められます。まず、左手の親指先と右 手の親指先というように、両手の五本の指先を合わせて、両の手の ひらにダチョウの卵でも包み込むような丸いかたちにします。そし て、まず左右の親指が互いに触れ合わないようにしながら回します。 右の親指の付け根から見て親指先が時計方向に回るように20回。 これをそれぞれの指で順番に行い、つぎに逆回しをします。

 指を触れ合わないように回すというのがけっこうむずかしい。回 すことに気を取られると、合わせた指先がいつの間にか山形に尖っ てしまいますが、これはダメ。いつも全体が丸みを帯びているよう に指先を合わせていなければなりません。とくに中指・薬指・小指 を左右触れないように回すのには、かなりの修練が必要。むずかし くいうと、この修練が脳の空間認知領域を活性化し、姿勢制御系を 刺激して、さまざまな効果が生まれるといいます。

 例えば、2分間指回し運動をすると、体が柔軟になり、前屈が明 らかに何センチか伸びるそうです。また、指回ししている間は脳波 が安定化し、精神の安定を示すアルファ波が優位になり、1時間以 上持続する結果、指回し運動によって情緒が安定するといいます。

 さらに、3分間の指回しによって、読書の速度が短時間で2、3 倍にアップするいうから驚きです。迷路抜けの速度が上がり、計算 作業も速くなることから、指回し運動によって認知・言語・計算な どの知的機能が改善されると考えられています。

 いま、「百枡計算」をはじめさまざまな脳機能の活性化ドリルが はやっていますが、とりつきにくいのが玉に瑕。その点、指回し運 動は誰でも簡単に始められるのが特長です。一度、お試しあれ。た だし、中指・薬指の熟練には相当苦労することと思いますが・・・。


このウエブページについて