いかにもタコらしい、沈痛さと皮肉がまざった協奏曲の傑作。
特に第3楽章からカデンツァ、そして第4楽章のブルレスケが聴きどころ。
ジャケット | 演奏者 | ツボ押さえ度 | 主観的なコメント |
コーガン(Vn) コンドラシン指揮 モスクワpo.(62) RUSSIAN DISC |
95% | この曲の持つ鋭利さを最も体現した名演。コーガンの冷たい音色がこの曲にはぴったり。しかも第2,4楽章には冷静さ以外の力があり、情熱とは次元の違う火花を散らせてくれる。もちろん第3楽章のパッサカリアも泣かせてくれる。コンドラシンのバックも申し分なし。 | |
シトコヴェツキー(Vn) ディヴィス指揮 BBCso. VIRGIN |
88% | 私がタコの協奏曲の中で最初に買ったCD。そしてこの演奏が第1番の魅力を教えてくれた・・・・ただコーガンやオイストラフを知ったあとでは、表現の振幅の狭さは気になるところ。ただ悪い演奏ではないので選択肢のひとつとしては良いと思う。 |
その他はなんといってもオイストラフ。私はムラヴィンスキーがバックをつとめたものを聴いたがさすが献呈された初演者、すごい。ただ録音が悪すぎ。最近は録音がいいもの(ミトロプーロス等)があるらしく私も探してみたいと思う。
以前N響定演の放送で聴いた諏訪内晶子のソロが印象に残っている。もし彼女が録音したらぜひ聴きたい。
後期の作品のため瞑想的な部分も多い、なぞめいた曲。
しかし第3楽章は協奏曲の醍醐味ともいえるオケ対ソリストの激しいやりとりが楽しめる。
ジャケット | 演奏者 | ツボ押さえ度 | 主観的なコメント |
オイストラフ(Vn) コンドラシン指揮 モスクワpo.(68) RUSSIAN DISC |
95% | 献呈されたオイストラフによる初演者コンビによる録音。まず決定盤といっていいだろう。カデンツァも含めソリストの妙技をたっぷり堪能できる。そして第3楽章ではソリスト対オケのやけどしそうなぐらい熱い闘いが繰り広げられる。録音も問題なし。 | |
シトコヴェツキー(Vn) ディヴィス指揮 BBCso. VIRGIN |
85% | 前述のオイストラフに比べるとやはり弱さが目立つ。しかし丁寧に曲を再現するという姿勢は評価できるし、また演奏もそういった意味では十分満足できる完成度。 |
残念ながら上記オイストラフを超える演奏はない、と断言する(まあ、録音自体少ないためでもあるが)。この曲に関してはソリストはともかく、オケもかなり挑戦的な演奏をせねば魅力は半減すると思っているからだ。この両者がすばらしい演奏はなかなか将来も出てこないのではないか、と思うが・・・・・さて。