『これならわかる!知的な財産のお話』 〜 著作権とその周辺 〜

今年はさらに熱い!商標登録合戦?!

地域団体商標にイナバウアー?
2006年 5月25日発刊 <<第58号>>

 ◆やっぱり「地域団体商標」?

  今年の知的財産権関連の法改正の目玉?そうです、「地域団体商標」制度
 の導入です。地域団体商標の概要については、昨年の当メルマガ第45号でご
 紹介しておりますので、よろしければこちら(↓)をご覧ください。
  
  ○<<第45号>>「地域ブランド」の知財化で、地域産業を活性化!


  同改正法の施行日である4月1日から受付が開始されてから、10日間での
 受付件数が 324件、そのうち 258件は初日土曜日の4月1日だったそうです
 (4月13日特許庁発表)。基本は、先に出願した者勝ちですからね。

  地域別にみると、なんと近畿地方が断トツの 154件、うち京都府109件
 と圧倒的な出願数なんですね!さすがは「京○○」、それだけでブランド感
 がありますねぇ。

  その次が東海の32件、北陸が29件、沖縄26件と続いています。これに対し、
 関東は11件で、うち東京は3件だそうです。

  ※詳細はこちらをご覧ください。眺めてみると結構面白いですよ。
   


  しかし、このように出願が殺到したウラでは、様々な問題も起こってきて
 いるようです。

  例えば、同じような商標を複数の団体が別々に出願している場合。

  同じ日に同じような商標の出願が複数あった場合、出願した団体同士で話
 し合った末、どこか一つの団体のみが登録を受けられることになります。

  こうなると、登録を受けられなかった団体は、それまで普通に使用してい
 た商品等の名称が突然使えなくなる可能性が出てくるわけです。

  地域団体商標制度は、地域ブランドというものを確立することで、事業者
 団体の信用維持と地域経済の活性化を図り、対地域の競争力を強化するべき
 もののはずが、その前に身内の調整が先決になろうとは・・。


 ◆「イナバウアー」?!

  これは話題になりましたねぇ!

  今年のトリノ五輪フィギュアスケートの金メダリスト、荒川静香選手の代
 名詞のようになっている得意技「イナバウアー」を、アサヒビール社が商標
 登録出願していたというのですから驚きました。

  実は、この他にも「ビールマンスピン」に「トリプルアクセル」、さらに
 は確か女子モーグルの上村愛子選手がやっていたエアの大技「コークスクリ
 ュー」というのも同日(今年3月3日)に同社が出願していたそうです。

  これら商標の指定商品は全て「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」
 だそうで、どれも何となくカクテルっぽい名称ではありますね。

  ただ、この中でも「イナバウアー」はご存知の方も多いと思いますが、旧
 西ドイツのフィギュアスケーターであるイナ・バウアー(Ina Bauer)さんの
 開発した技にそのまま選手名が付けられた、つまり人名なわけです。

  人名を商標登録するには、基本的に本人の承諾を得る必要があるのですが、
 同社はまだイナ・バウアーさんの承諾は得ていないそうで、特許庁がどう判
 断するか注目されています。

  因みに、荒川選手の「イナバウアー」は正式には「レイバック・イナバウ
 アー」というそうで、あの上体を後ろに反らして滑ることがイナバウアーで
 はないんですね。。

  あ、その荒川さん、来月1日、TVドラマに出演されるようですよ。


 ◆音や匂いも商標に?

  コロッと違うウンチク話を一つ。

  商標というと、目に見えるから「あ、これはあそこの商品だな」と認識で
 き、それが商品等の信用(あのマークの商品なら大丈夫だ!)となっていく
 ものですね。

  日本の商標法は「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの
 結合又はこれらと色彩との結合(これらを「標章」といいます)」で、この
 「標章」を商売に使うものを「商標」といいます。目に見えるもののみをい
 うわけです。

  ところが、外国では目に見えないものでも商標として認められる場合があ
 ります。それが、例えば「匂い」(匂い商標) 「音」(音響商標) です。

  商標登録出願をするには、願書をはじめ各種書面により出願するのが原則
 ですが、これらってどうやって文章で表現するのでしょう?

  なんでも、音響商標は音を楽譜にしたものやソノグラムと呼ばれるもの、
 あるいは音そのものを録音した媒体(CDなど)を提出するらしいです。し
 かし匂い商標の「匂い」って・・?

  どうも、その匂いをもっともらしく(?) 状況や季節感などを交えてそれと
 認識できるように記述したもので認められたケースがあるそうです。写実的
 な表現力が要りそうですね。

  これらの例を挙げてみますと、匂い商標はなんでも「テニスボールの匂い
 (?)」について商標登録を認めた審判例があるようです。テニスボール・・?

  音響商標では、結構有名なのがあります。最近あまり聞かなくなりました
 が、パソコンのCMなどで「イ○テル、入ってる」のコピーと同時に、

  ♪ポン、ポン、ポン、ポン♪ (や、やはり、文字で表現は難しい・・)

 という音(メロディ?)が流れますね?あれがイ○テル社の音響商標らしい
 ですよ。これ、日本でも導入したら面白そうだと思いませんか?

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