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 第7回 江上天主堂 




「(C)写真紀行★風に吹かれて」
この写真は、「写真紀行★風に吹かれて」さんの御好意により転載させていただきました。
天主堂などの建築、鉄道、石仏など、たくさんの綺麗な写真のあるHPです。
「天主堂巡礼」に江上天主堂のもっと大きな写真があります。



 江上天主堂は、長崎県の五島列島の中央に位置する人口4000人の奈留島の西北部にあります。写真でわかりますように、海沿いの道から近いのに、大きな木に囲まれています。


 この聖堂の前には、今の江上天主堂の横にある江上宅を家御堂としていたのですが、大正7年、木造、瓦葺き、屋根は重層、小さなロマネスク様式の江上天主堂が建てられました。屋根の上に十字架も無く、清楚な天主堂です。窓ガラスの黄色の花模様は、手書きだそうです。内部のリブ・ヴォールト天井も、窓もロマネスク調の円形アーチ型です。内部には、装飾帯がつき、床下をやや高くして、風が通り抜けられるようになっています。


 結城了悟先生の『西海の天主堂』には、
「この天主堂には特色が多い。内部と外部が対照的に違う。木材と石材は上五島の 太田から運ばれたものである。教会の正面の上の角に大きく『天主堂』と書いてある。大浦天主堂をはじめ、古い天主堂にはその3つの字が見られる。このように はっきりと建物の名前を表すのは、この建物が神の家であるという事を皆さんに伝えたいという強い意思の表われである。」
と書いてあります。


 1991年に出された、木下陽一先生の『西海の天主堂』によると、現在3世帯で、信徒数が15人で、漁業の衰退による急激な過疎化の波にのり、教会の存続がなかなか難しいと書いてあります。


 今は神父様のいらっしゃらない天主堂になってしまいましたが、最盛期には60名を越えた信者さんがいらして、奈留島だけでなく、中五島の中心の天主堂だったそうです。


 2001年5月3日にNBC長崎放送で、『天主堂 光と風に』という番組がありました。ご存知のように、長崎の教会は広い範囲にあって、行くだけでも大変な所も多いです。長い時間をかけての取材だったと思いますが、たくさんの教会の紹介がありました。その中に江上天主堂の事がかなり取り上げてありました。


 ステンドグラスの色は、黄色が大地、赤が太陽、青が天、緑が草木を表すそうです。
この江上の天主堂には、黄色と白の花模様がステンドグラスに手書きで書いてあって、天主堂の中には、白い光が差し込んでいました。


 奈留教会の信者のKさんを中心に、江上天主堂を綺麗にして下さっている時の様子が、放送されました。リブ・ヴォールト天井の内部まで見せて下さったんですが、竹と縄と泥だけで80年以上前に作られた天井の内側が、まだ大変しっかりとしていました。


 工事をなさったKさんの
『自分の家だと思うので・・・』
という言葉がとても印象的でした。ペンキ塗りの日には、夜明けまでかわはぎ漁をなさっていた、奈留教会の皆さんも駆けつけられて、3日間、総勢40人もの方のお力で、教会はとても綺麗になりました。


 玉砂利の道ができて、白い壁にスカイブルーの窓になって、大変綺麗になりました。ちなみに20年前は、白ではなく、黄色だったそうです。
『またもう1度工事をやりたい。』
とおっしゃっていたKさんの言葉が心に残りました。こういう信者さん方に、祖父の教会は大事に守られています。


 教会とは関係ありませんが、この奈留島にはもうひとつ心暖まる話があります。

 1974年当時、奈留島の高校に通う少女(当時高校2年)がラジオの深夜番組にリクエストの手紙を送りました。 そのころ奈留島の高校は福江島にある五島高校の分校で、卒業式などの式典の時も当然、五島高校の校歌が歌われていました。で、「校歌の無い私達の高校に校歌を作ってほしい!」とリクエストカードには書かれていました。

 番組から依頼されて出来上がった曲が、デビューしたての荒井由実、作詞・作曲の「瞳を閉じて」という曲でした。そして現在も長崎県立奈留高校に高校愛唱歌として親しまれています。

 この詳しい話は、「かんころもちの島」というホームページに書かれています。とても素敵な音楽も聞けます。

 7月13日(金)に、テレビ朝日系列の「運命のダダダダ〜ン」で、このお話が「約束」というテーマで放送されました。 ゆーみん直筆の碑ができて、その除幕式にゆーみんが呼ばれたのですが、当日は大変な嵐でした。それでもなんとかして駆けつけたゆーみんの、涙と皆さんへのメッセージはとても素敵でした。