大日本帝国陸軍の輜重兵聯隊

 

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 1. 輜重兵について 輜重兵とは?
 2, 輜重兵聯隊について 輜重兵聯隊の編制とその変遷
 3, 輜重兵聯隊検索一覧 聯隊一覧や関係関連項目へのリンク、一覧表

 

1.輜重兵について

輜重兵とは…

輜重の輜とは衣類を載せる車、重とは荷を載せる車を指し、総じて輸送することを指します。
部隊の移動に際して糧食、被服、武器、弾薬などの軍需品を輸送する任務を専属とする兵科を輜重兵と言います。

輜重兵はしかし、その任務の地味さから軍内でも蔑視され、長らく輸卒(輜重輸卒)と言って進級ができない等の差別を受けています。
「輜重輸卒が兵隊ならば、チョウチョトンボも鳥のうち」と呼ばれていました。
のち昭和6年に特務兵と名称が変わり、昭和14年になってやっと輜重兵に統一されています。
また、輜重兵科将校も当初は他兵科からの転科(陸軍6兵科のうち、歩兵・騎兵・砲兵・工兵から輜重兵へ移ること。憲兵科も輜重兵同様転科者によって補充)で補充されたものの、上記の理由によって転科を拒否する将校も多く、半端強制的に転科させるなどしました。(これは後の航空兵科創設時にも起きています)のち明治32(1899)年卒業の士官候補生(陸軍士官学校)第十一期から輜重兵科の卒業者が誕生していますが、人気が無いためここでも強制的に専攻させられています。

なお、補給そのものを行うのは貨物廠や兵器廠などの兵站(へいたん)部門が行い、通常は軍以上の組織に設置され、行われます。

輜重兵の部隊

輜重兵はそもそも、その性質からある程度規模の大きい部隊に附属して任務を行います。
一般には師団に隷属する輜重兵聯隊の形を取ります。
但し、師団編成当時に聯隊を編成したのは歩兵と砲兵のみで、他兵科の騎兵、工兵、砲兵は(騎兵は日清戦争後まで、他は昭和11年まで)大隊編制でした。
聯隊制以降、師団内での兵科部隊は一律聯隊を編成して統一(聯隊長の階級や部隊規模はその兵科ごとで、また同じ兵科でも師団によってまちまちです)されています。
後年師団が増加すると、師団規模やその任務により聯隊制をとらず、師団輜重隊(大隊扱い)であることも多くなりました。
また戦車師団や一部の独立混成旅団にも輜重隊があります。
この他、広大な中国大陸で独立した輜重兵部隊として、4個の独立輜重兵聯隊を初めとして主に独立輜重兵中隊が多数編成されました。
なお、作戦時には任務により師団とは別行動をとるほか、師団が複数に分割された際には輜重兵もそれぞれに分属されたりします。
また、これとは別に歩兵部隊には行李(こうり)と呼ばれる輸送隊が、砲兵部隊には段列(だんれつ)と呼ばれる輸送隊が専属となり、区別されます。

また、輜重兵が機械化(自動車化)された自動車兵も輜重兵の一部とされました。(輜重兵科の兵種です。この他衛生兵も輜重兵科に属します)

基本的には戦闘兵科ではないものの、戦場にあってはいつ戦闘に巻き込まれるかわかりませんし、兵力の不足から警護や警備などの任務を命じられたり、歩兵の補助や補充を行うこともあります。そのため主に騎兵銃(歩兵銃よりも銃身が短く軽く扱いやすい)で武装しています。まれに敵から奪ったり旧式化して払い下げられたりした軽機関銃なども装備したようです。
また、小口径砲を装備して臨時に砲兵隊として改編されたりしたケース、また解散して歩兵となったり(歩兵部隊へ分散配置されたり、それ自体が歩兵部隊となる)したケースもあります。

なお、輜重兵科としての最大の編制は聯隊です。旅団以上は存在しません。

 

2.輜重兵聯隊について

輜重兵聯隊

輜重兵聯隊には師団に所属する師団輜重兵聯隊、近衛師団に所属する近衛輜重兵聯隊、軍などの直轄として師団に属さない独立輜重兵聯隊があります。
また、この他輜重兵に属するものとして、トラック(自動貨車)で編成された自動車聯隊を初めとする部隊(主に自動車中隊などで、軍などに隷属)があります
他兵科と同様、輜重兵聯隊も全軍で一連の番号を付与されています。

聯隊長は中佐(一部少佐)です。

近衛輜重兵聯隊

近衛兵に属する輜重兵聯隊です。
他の輜重兵聯隊よりも、兵員・装備の面で優遇された他は、特に変わるところはありません。
近衛輜重兵聯隊は、外地に出征していた近衛第二師団と、本土決戦準備のため千葉に進駐していた近衛第三師団に所属します。(近衛第一師団には輜重兵がないため、近衛輜重兵第一聯隊は存在しません)

独立輜重兵聯隊

支那の広大な戦場で、独立して輜重任務に当たる輜重兵聯隊です。
輜重兵科における最大編成である聯隊としては4個存在します。

自動車聯隊

それまでの馬による編成ではなく、自動車を装備した輜重兵聯隊です。
昭和11年に関東軍自動車隊を改編して自動車第一聯隊が編成されて以降、相次いで6個の聯隊が編成されました。
これらは昭和16年の関特演(関東軍特種演習)で全て独立自動車大隊に改編させられています。また、この他支那でも19個もの自動車聯隊が編成されました。

輜重兵聯隊の編制

輜重兵聯隊はその所属する師団の編成や任務によって編制が異なります。
野砲編成の師団の場合は馬に輜重車(荷車)を曳かせる輓馬(ばんば)編成。
山砲編成の師団の場合は馬の背に荷物を載せて運ばせる駄馬(だば)編成となります。
また自動車化(あるいは機械化)された師団の場合には自動貨車を装備した聯隊もありました。(この場合でも輜重兵聯隊あるいは輜重隊という)
後年は自動車の使用も進み、聯隊内に自動車中隊を持つものが現れました。

輜重兵聯隊は平時編制では2個中隊でした。
これが戦時編成となると輓馬編成で6個中隊。駄馬編成で7個中隊になります。聯隊制以前にあった輜重兵大隊の場合もほぼ同じです。
しかし、実際にはまちまちで、だいたい2〜6個中隊になります。
独立輜重兵聯隊の場合は4個中隊です。
当初は馬廠も聯隊に所属していましたが、後に師団直轄へ移されています。
自動車化が進むと、聯隊に所属するいくつかの中隊が自動車中隊と置き換えられる聯隊が登場します。
自動車聯隊は4個中隊からなります。
自動車聯隊、あるいは自動車化された輜重兵聯隊には馬廠に代わって材料廠がありました。

人員は一般的な編制で以下の通りです。

  人員 馬(自動車) 輜重車
輜重兵聯隊(平時) 約400人 約300頭 ?輌
輜重兵聯隊(輓馬) 3461人 2612頭 2159輌
輜重兵聯隊(駄馬) 3882人 ?頭
独立輜重兵聯隊 1897人 1521頭 ?輌
自動車聯隊 760人 約300輌

師団所属の輜重兵聯隊として編成されたものは86個聯隊、この他近衛師団に属する近衛輜重兵聯隊が2個、師団に属しない独立輜重兵聯隊が4個、そして自動車聯隊26個があり、この他に輜重隊(自動車隊)を始めとして数多くの独立輜重兵大・中隊(自動車大・中隊)があります。

 

3.輜重兵聯隊検索一覧

輜重兵聯隊一覧表

番号順(簡易) 番号順(詳細) その他の一覧
輜重兵聯隊
近衛輜重兵聯隊
独立輜重兵聯隊
自動車聯隊
・輜重兵聯隊
・近衛輜重兵聯隊^
・独立輜重兵聯隊
・自動車聯隊
・師団の所属聯隊


輜重兵聯隊関連リンク

◆用語 近衛/独立
◆編制
◆兵種 自動車兵/衛生兵