国指定の重要文化財となった黒島教会

外観はロマネスク様式を基調にした簡素なつく
りだが、内部は充実している。

マリア聖堂 十字架
聖堂下方
聖堂右方 ヨゼフ聖堂

 国の文化財保護審議会が20日、新たに指定すべき重要文化財を文部大臣に答申し、県内では、カトリック
長崎大司教区所有の「黒島天主堂」=佐世保市黒島町=が指定されることになった。県内42件目、教会とし
ては、国宝の大浦天主堂=長崎市=に次いで2件目の国指定となる。
 黒島町は佐世保市西方の五島灘に浮かぶ同市の離島の一つ。江戸時代にはキリシタン弾圧を逃れた多数
の信者が生活する島だった。「黒島天主堂」は島のほほ中央に位置する名切地区に立っている。
市教委などによると1878年、フランス人宣教師のペルー神父が来島し、小規模な木造の教会堂を建てた。
「黒島天主堂」は1897年に来島した同じフランス人宣教師のマルマン神父が設計して建設を指導、信徒たち
の献金と勤労奉仕で1902年に完成した。施工は、長崎市の大工前山佐吉氏が担当したという。
 教会堂はれんがと木造造り。重層屋根を持つ身廊と二つの側廊からなる三廊式で、正面中央には鐘塔を有
する。外観はロマネスク様式を基調にした簡素なつくりだが、内部は充実している。円形アーチを基調にしたリ
ブ・ボールト天井(コウモリ天井)があり、立体的に見ると、下部からアーケード、トリフォリウム、クリアストリー
の三層構成になっている。
 塗料が塗られた木材には、凝った装飾が施されている。ステンドグラスや締はフランス製で、基礎や柱の支
柱は黒島特産の御影石、祭壇の床には有田の磁器タイルが使われている。
 県内をはじめ、近隣の他県で後世に建てられた教会堂に与えた影響は大きく、国を代表する明治期の三層
構成の教会堂の一つ。市教委は「大正以降に三層構成は一般化するが、黒島天主堂がほかに先んじており
先駆的存在だ」と説明する。
                                                  朝日新聞より転載
長崎の教会北部