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【No.0507-14】 | |||||||||||||||||||||||
● 各種ステンレス鋼の特徴 | |||||||||||||||||||||||
ステンレス鋼と一くくりにしていますが、大まかに5種類に分けられることを、前回説明しました。ここでは、それぞれのステンレス鋼の特徴について、解説します。 各ステンレス鋼の特徴 フェライト系ステンレス鋼:SUS430で代表されるCr系ステンレス鋼であって、熱処理によって硬化しないようにC量を低くしたものであり、磁性があります。 マルテンサイト系ステンレス鋼:フェライト系のものと同様にCr系ステンレス鋼あるが、C量を高くしているために熱処理でマルテンサイト組織にして硬くできるのが特徴です。硬さ水準によって、 引張強さ 55kgf/mm2 以上 SUS410, SUS416 引張強さ 60kgf/mm2 以上 SUS403 引張強さ 65kgf/mm2 以上 SUS420J1 引張強さ 70kgf/mm2 以上 SUS410J1 引張強さ 75kgf/mm2 以上 SUS420J2,SUS420F 引張強さ 80kgf/mm2 以上 SUS431 のように分けられます。フェライト系と同様に磁性があります。 オーステナイト系ステンレス鋼:18Cr−8Ni(SUS304)で代表され、いわばステンレス鋼の主流をなすものです。非磁性であり、熱膨張係数は大きく熱伝導性が悪いなどの特徴があります。また、常温強度は低いが、きわめてじん性に富んでおり、伸びが大きく、加工硬化性が著しいなどの種々の難削性の特徴をを有しています。 オーステナイト-フェライト系ステンレス鋼:化学成分的には25%Cr−5%Niとオーステナイト系に比べCr量を高めにしているため、オーステナイトとフェライトの混合組織になっています。オーステナイト系に比べ常温強度が高いのが特徴です。 析出硬化系ステンレス鋼:Cr−Ni系ですが、熱処理によって析出硬化出来るのが特徴です。この場合、マトリックス組織(素地)と析出硬化物は、化学成分および添加物により変えることができ、 SUS630(17Cr-4Ni) マルテンサイト+Cu-Ni系析出物 SUS631(17Cr-4Ni) 半オーステナイト+Ni-Al系析出物 の2種類があります。
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