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【No.0612-31】
● ツルーイング・ドレッシングに関するお話9
−細溝加工用薄幅砥石成形法−
図1.細溝加工例と図2.溝部拡大写真
シリコンウェハなどの切断あるいは、タイバーカットなどの高精度の溝加工には、あらかじめ薄く成形されたダイヤモンドホィール(例えばU-Formingホィール)が使用されますが、コネクター金型などの任意の溝幅の溝を研削加工により細溝成形するには、一般焼成砥石を溝幅より薄図3.砥石粒度と成形可能砥石幅の関係く成形する必要が有りますが、かなり難しい作業になります。また、細溝加工を行うには、成形法だけでなく砥石の選定が重要になります。すなわち、薄幅砥石を成形するには、砥石幅よりさらに細かい砥粒の砥石を選ぶ必要があります。特に、極細溝加工用の砥石は、砥粒数個分の厚みしか有りません(右図参照)。従って極薄幅砥石を製造するには、粒度の細かい砥粒(#800,#1000,#1200:平均粒径20〜13μm)を用いる必要があります。

図4.Wディスクロータリードレッサーによる細幅砥石成形法
細溝成形用の一般焼成砥石として弊社では『UKシリーズ(超精密成形細溝加工用)研削砥石』を提供しており、この砥石の細溝成形ドレッサーとして、『Wディスクロータリードレッサー』(図4,5)を提供しております。
これは、モータにより回転駆動される縦型の2つのダイヤモンドホィールの間を砥石を通過させて行います。

このときの、注意事項として、以下の点が上げられます。
1. 6.4mm幅から0.5mm幅までの粗成形にはWディスクロータリードレッサーは使用しない方が良い。→ 0.5mm幅までは『ボンドドレッサー』、『フォーミングドレッサー』などのドレッシング法で粗成形を行う。
 1pass当たりの取り代を大きくすると、Wディスクロータリードレッサーの2枚のダイヤモンドホィールの消耗が早く、形状が崩れやすい。そのため、1pass当たりの切込みを小さくする(上表参照)必要が有り、大きな取り代の場合、時間が掛かり作業効率が上がらないためです。
図5.Wディスクロータリードレッサー
2. 0.1mm以下の成形がうまくいかない場合は、動バランスを十分取ってから、成形して下さい。→『精密研削用動バランサー』「USB−8001G」を推奨
3. 研削液をかけると割れる場合があります(乾式、又はミスト研削を推奨)。

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