【8月18日=殺害されたロイター・カメラマン】

 またしてもロイターのカメラマンが殺された。

 テレビのニュースで見た故マゼン・ダナ氏の顔は、どこかの現場で見たような記憶があるが、はっきりとは思い出せない。アジアプレスの同僚は、パレスチナの現場で何度も顔を合わせていた。常に最前線で撮影するベテランカメラマンだったという。4月8日のパレスチナホテルの砲撃でも、01年のアフガンでもロイターのカメラマンが犠牲になっている。

 ロイター・テレビジョンは、世界のテレビ局にニュース映像を配信する映像通信社だ。私たちが普段テレビで見ている海外ニュースの映像は、実はそのかなりの部分を、「ロイターテレビ」や「APTN」といった通信社の配信映像が占めている。テレビのニュースの中で出てくる「ノークレジット」、つまり撮影者がだれなのか明示されないその映像は、ほとんどがロイターやAPのカメラマンが撮った映像といっていいだろう。
 
 テレビも新聞も、ニュースの現場では外国通信社が流す「第一報」に振り回され、そして一方でどこかあてにしているのが現実だ。私自身も、外国通信社が流す第一報は、いつも現場で耳に入れながら動いているものなのだ。

 世界のどんな場所でも、何が起きても、カメラマンは現場で映像を撮りつづける。
 だれに命令されたわけでもない。みんな好きでこの仕事をやっている。それだけは間違いない。

 だからこそ…やり切れない。