【12月3日=帰国予定】

 
残していた取材や翻訳作業を終わらして、一日だけ滞在を延ばした。3日(木)早朝にバグダッドを出て、ヨルダンに出国する。

 問題はその後だ。

 帰りの飛行機のチケットを新たに買い直さなければならない。いつ帰国できるのかよくわからないが、12月6日(土)を皮切りに、あちこちで報告会や講演などの予定が入っているので、できれば5日か、遅くても6日朝には帰国したい。それらの予定は、「イラク取材報告のお知らせ」を見てください。サマワの映像報告も、なるべく早い時期にテレビでOAしたいと思います。

 5日発売の「週刊金曜日」に、日本大使館員殺害事件を受けての電話インタビュー記事が掲載されています。ご覧いただければ幸いです。

 その記事の最後のコメント部分は、どうしても言っておきたいことでした。そこまでの本文は掲載誌を読んでほしいのですが、その最後の部分だけ以下の「」に記します(文字数の関係で、語尾や言い回しが多少変わっている可能性はあります。ご了承ください)。

 「国家のために生死の覚悟を迫る権利は、国や政府はもちろん、だれにもないはずだ。」

 
殺害された奥克彦さんと井ノ上正盛さん。彼らの最期の瞬間に脳裏を過ぎった光景は何だったのか。
 じっと想像してみる。
 静かに、自分の胸に思い描いてみる。

 これまで歩んできた人生、その傍らで見た何気ない美しい風景、愛する家族たちの笑顔…

 そこに、国家や政府の光景はない。断じてない。

 
事件を一面トップで大きく報じる地元の新聞「ナハダ」(12月1日)。写真の車はスペインの情報機関員が乗っていたもの