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問題目次

<英訳>

(54)「〜したほうがよい」





(54)万が一明日雨が降ったとしても、あなたは一人でそこへ行った方がよい。

◆「万が一…するとしても」:"even if S should (or were to) …"、"even if S V …"
"even" を省いて、"if S should …" などとすると、「万が一…するならば」の意味にとられるので、"even if"(〜だとしても)を使う必要がある。
仮定法の "if S should …" を使う場合、結論部は助動詞の過去形を使わないほうが普通。"if S were to 不定詞" を使う場合は、結論部に助動詞の過去形を使う必要がある。

◆「雨が降る」:"it rains"、"rain falls"

◆「ひとりで」:"alone"、"by oneself"、"on one's own"


【英訳例1】
Even if it should rain tomorrow, it will (or would) be better for you to go there alone (or by yourself, on your own).
【英訳例2】
Even if it were to rain tomorrow, it would be better for you to go there alone (or by yourself, on your own).
【英訳例3】
Even if it rains tomorrow, you should (or had better) go there alone (or by yourself, on your own).


◆「"たとえ…だとしても" と訳せる "if"」
if は、その前後に強調的な内容がある場合にしか「たとえ…だとしても」の意味で使えないことに注意。安易に "even if" の代わりに使ってはいけない。次の文の "if" は「たとえ…だとしても」の意味にはならない。
If it rains, the kids will be happy. (雨が降ったなら、子供たちは喜ぶだろう)
Even if it rains, the kids will be happy.(雨が降ったとしても子供たちは喜ぶだろう)

「たとえ…だとしても」:
(1) "even if" を使う方が明確であるが、"if" も可能な場合(強調的な内容である場合)(最後の2例は "if" が「…かどうか」の意味に近づいている。これについては「英語 その他」の if について を参照):
all, any, a bit などを伴ったり、「命を賭しても」といったように内容が強調的であったり、命令文であったりするなど、文脈から "even if" と同等の "if" であることが明白な場合である。なお、強調的な内容であっても「…ならば」と解釈される恐れがあることは言うまでもないので、"even if" を使う方が明確であって好ましい。ただし(2)や(3)の場合は "even if" は使わない。
【例】
We'll finish it if it takes us all day.(一日中かかってもそれを仕上げてしまうつもりだ)『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)
I will do it if it costs (or should cost) me my life.(たとえ命にかかわっても私はそれをやります)『ルミナス英和辞典』(研究社)
If it costs me my job, I won't take back my demand.(たとえくびになっても、私は要求を撤回しないつもりだ)『英文法解説』(金子書房)
I wouldn't marry you if you were the last person on earth.(たとえこの世にあなたしかいなくなっても、あなたとは絶対に結婚しません)『同上』
It doesn't matter a bit if no one is good at drawing.(誰も絵が上手に描けなくても少しもかまわない)『アメリカ人語2』(読売新聞社)
Don't be afraid if you don't understand something.(分からないことがあったとしても心配してはいけない)

(2)英語の "even if …" と日本語の「…だとしても」の使い方がずれている場合("even if" を使わない場合):
"A even if B" は「B でない場合に A であるのはもちろん、B であっても A である」という場合に使うのに対し、日本語の「B だとしても A」は、「B でない場合に A であるのはもちろん」という部分が曖昧な場合にも使う傾向にある(これは「もう夏終わりですね」とか「彼馬鹿だなあ」といった場合の「も」の用法とも関連する)。そのために日本語の「…だとしても」を "even if" と訳すと不自然になることがある。
【例】
One pretends not to notice the faults of others, if one is aware of them.(たとえ気付いていても他人の欠点については何も言わないのが世間というものなのだ)『英誤を診る』(進学研究社)(「気付いていない場合に何も知らないふりをする」ことはできない)
If I were to ask him, he would answer vaguely.(たとえきいても、彼は生返事しかしません)『同上』(「きいていない場合に生返事する」ことはない)
If there was any disappointment it was temporary.(たとえ多少失望したとしても一時的だった)『ジーニアス英和辞典』(大修館書店)(「失望していない場合に失望(している状態)が一時的」ということはあり得ない)
If you ask for any other information, I will decline you.(あなたが他の情報を求めたとしても、お断りするでしょう(「求められていない場合に断る」ことはできない)

(3)省略を伴う熟語的な表現の場合("even if" を使わない場合):
これは、上記(2)の「"even if" を使わない場合」と同種のものであり、ただ、省略を伴い熟語的な表現であるということに過ぎない。例えば "if not …"(…でないとしても)、"if at all"(もしあるとしても)、省略を伴う "if 形容詞"(…だとしても)など、譲歩・対比であることが明らかな表現の場合であり、"even if" は使わない。
【例】
It is difficult, if not impossible, to describe what that may be.(それが一体どんなことかを説明することは、不可能ではないとしても難しい)(「不可能でないことはない場合」、つまり「不可能である場合」にしかも「難しい」ということはあり得ない)
We'll only do it once - if at all.(一回しかしないだろう。するとしてもね)『OXFORD Advanced Learner's Dictionary』(「しない場合に一回する」ということはあり得ない)
Use exclamation marks sparingly, if at all in your email.(Eメールでは感嘆符を使うにしても控え目に使いなさい)『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)(「使わない場合に控え目に使う」ということはあり得ない)
My computer is very handy, if a bit old.(私のコンピューターは少し古いにせよとても使いよい)『ルミナス英和辞典』(「少し古くない場合はもちろん使いよい」ということが言いたい文脈ではない。この if は単なる対比を表す if)
He's a good driver, if a little overconfident.(彼は、多少自信過剰なところはあるとしても、運転はうまい)『OXFORD Advanced Learner's Dictionary』(「多少自信過剰なところがない場合はもちろん運転はうまい」ということを言いたい文脈ではない。この if は単なる対比を表す if)

◆ "oneself, by oneself, on one's own, alone, for oneself, of oneself"(ひとりで・自分で)((25)の再掲)
oneself:「(他の人ではなく)自分自身で、自ら」
by oneself
1)「(助けを借りずに)独力で」
2)「(特に他の人がいて欲しいときに)ひとりぼっちで」
3)「ひとりでに」
(alone よりくだけた表現)
on one's own
1)「(他の人が伴うことなく)ひとりで」
2)「(助けを借りずに)自分で、独力で」
(alone よりくだけた表現)
alone
1)「(他の人が伴うことなく)ひとりで」
2)「(助けを借りずに)独力で」
( 2) の意味では "by oneself" の方が明確である。alone は必ずしも寂しいとは限らないが、文脈によっては「寂しい」というニュアンスを伴うことがある。このニュアンスを避けたい場合は "by oneself" を使うのがよい)
for oneself
1)「独力で」(自分の利益になるように、というニュアンスを含む)
2)「自分自身のために」
of oneself:(古)「ひとりでに」(通例、物について使うが、現在では代わりに "by oneself" を使う)


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