陶芸の原点は |
陶器,磁器を含め現在全国各地に広がりを見せる陶芸の始まりは,新石器時代に作られていた土器にまでさかのぼると言われ,当時の土器は全て手びねりによる成形,低い土器焼成温度で焼いていたとされています。 時代が縄文時代に移ると,紐状にした粘土をつなぎながら積み重ねていく「紐づくり」で成形し,器の外側を板切れなどで叩いて器形を整えて,(広口で底の方が先細りになった尖底深鉢が一般的だったようです。) さらに,粘土がまだ軟らかいうちに紐や縄目などを,素地の表面に押しつけて装飾文様にした「縄文土器」が作られるようになりました。 さらなる技巧を要する成形,焼成技術をもたらしたのは中国本土から渡来してきた帰化人たちで彼らによって伝えられたろくろを用いることで,なだらかな器形の土器が製作出来るようになり,さらにより高度な窯で焼成することができるようになったことで唐の緑釉,鉛釉を用いた陶器や鉛釉の散らし模様を施した土器を焼造することが可能となりました。 894年の遣唐使廃止を機に中国との交易が衰退して,その陶磁器から受けていた影響が減少してくると,陶工たちは草花などの文様を線刻した壺などにみられる穏やかで,柔和な灰釉の陶器を焼くようになりました。 このように日本人の先祖は昔から生活の一部として陶器に携わっていました。 今、陶芸が科学的にも手先と脳の働きにも注目されています。 ←戻る |